企業が取引先からの信用を下げないためにネガティブキャンペーンの被害を被ったときの対策を構築すれば、企業に対する評判が低下する事態に陥ったとしても適切な対応ができるため、企業の社会的信用を保ちやすくなります。
しかし、ネガティブキャンペーンの被害を被った場合の対処法を理解していない場合は、どのような対策をすれば企業の評判が低下した際に社会的信用を保てるのかが理解できません。そのため、ネガティブキャンペーンの被害を被った場合の対処法を理解しておく必要があります。
ネガティブキャンペーンとは
ネガティブキャンペーンとは、競合他社に対する悪評を流布して世間からの評判を低下させることで自社イメージを向上させるための手法です。元々、ネガティブキャンペーンは対立する相手の人格や政策の悪い部分を指摘して評判を低下させることで、自分の支持率上昇につなげるための選挙手法として用いられていました。
しかし、インターネット上で特定の企業に対して実施されるネガティブキャンペーンの場合は、誰でも閲覧できる特性上情報が早く拡散される傾向にあります。そのため、企業は自社にとって不利になる情報を流布している者がいないかを確認したうえで対策をしなければいけないのです。
ネガティブキャンペーンと誹謗中傷の違い
ネガティブキャンペーンは情報発信者が明確で、批判する情報の事実関係が明らかになっている場合に用いられます。しかし、誹謗中傷は匿名で情報発信をして根拠のない無責任な発言で相手の立場を貶める場合に用いられるのです。
ネガティブキャンペーンは戦略的に実施される場合が多いのに対し、誹謗中傷は雰囲気や感情で行われる傾向にあります。そのため、ネガティブキャンペーンより誹謗中傷のほうが名誉棄損や侮辱罪など違法性が高いです。
ネガティブキャンペーンが企業に与える悪影響
ネガティブキャンペーンが企業に与える影響として、以下の3つが挙げられます。
- ブランドイメージの低下
- 取引先からの信用低下
- 採用活動が困難に
ブランドイメージの低下
ネガティブキャンペーンが企業に与える悪影響として、ブランドイメージの低下が挙げられます。顧客は企業のブランドイメージの良さに引かれて商品やサービスを購入している可能性もあるため、ネガティブキャンペーンを被ると売上の低下が懸念されるのです。
例えば、会社でバイトテロが発生した事実を流布してしまうと、顧客が企業の商品やサービスを利用しにくくなります。ネガティブキャンペーンの被害が発覚した場合は早急な対策を講じなければ、企業ブランドの低下による長期的な売上低下を被ってしまいます。
企業のブランドイメージを保ち続けるためにも、ネガティブキャンペーンには早期の対策が求められているのです。
取引先からの信用低下
ネガティブキャンペーンが企業に与える悪影響の1つは、取引先からの信用低下です。ネガティブキャンペーンによる企業の悪評が拡散されてしまうと、取引先は安心して取引ができなくなるため、契約を打ち切られてしまう恐れがあります。
例えば、ネガティブキャンペーンによって会社が赤字状況であることを拡散されてしまえば、取引先は商品を発送したとしても期日までに支払えるのかが不安になりかねません。ネガティブキャンペーンは企業の営業活動に大幅な影響を及ぼします。
採用活動が困難に
ネガティブキャンペーンを被ると、採用活動が困難になる恐れがあるので気をつけてください。会社の労働環境が悪質な場合やハラスメント行為が横行している場合などの悪評は、拡散されやすい傾向にあるからです。
多くの就活生は企業情報をインターネット検索しており、ネガティブキャンペーンによる悪評が目に入ると応募しなくなります。企業の採用活動ができなくなると、慢性的な人手不足の原因になって結果的に事業拡大が滞って会社が赤字になってしまうかもしれません。
企業の成長をさらに促進していくためにも、企業の労働環境に関する悪評は早期な対応が求められます。
ネガティブキャンペーンの被害を被った場合の対処法
ネガティブキャンペーンを被った場合の対処法として、以下の3つを解説します。
- 匿名性の高いコミュニティでの被害は無視
- 運営元のお問い合わせフォームから削除依頼
- 風評被害対策会社への相談
匿名性の高いコミュニティでの被害は無視
匿名性の高いコミュニティでネガティブキャンペーンを受けた場合は無視してください。ネガティブキャンペーンを被った企業が反論をしてしまうと、ユーザーは面白半分で拡散してしまい、より炎上する可能性があるからです。
ユーザーに面白半分に拡散されてしまうと本来情報を把握する必要がなかった顧客や取引先にまで情報が行き渡り、売上の低下や契約の打ち切りなどの被害が出てしまうかもしれません。そのため、ネガティブキャンペーンを受けたら状況を荒立てないように無視をしたうえで、上司や同僚など協力してもらえそうな社内の人物に相談してください。
運営元のお問い合わせフォームから削除依頼
ネガティブキャンペーンの被害を受けた場合の対処法として、運営元のお問い合わせフォームから削除依頼することが挙げられます。プライバシーの侵害に当たる個人情報や名誉毀損罪にあたる発言が見受けられれば、運営元のお問い合わせフォームから削除依頼できる傾向にあるからです。
ただ、削除可能な投稿の基準に関しては掲示板やSNSなどによって異なっているので、利用規約を読んだうえで運営元のお問い合わせフォームから削除依頼をするべきです。削除依頼をする際は、事前に弁護士へ相談すると安心できます。
削除依頼をする際にどの書き込みがなぜ違法になるのか、書き込みによってどのような被害を被っているのかを法律的な知識を踏まえたうえで相談する必要があるからです。
また、弁護士は被害者の代理で削除依頼をすることもできるので、削除される可能性を高めたいのであればインターネットトラブルに詳しい弁護士へ依頼を相談してください。ネガティブキャンペーンが法律に抵触している場合は、運営元のお問い合わせフォームからの削除依頼で対応可能です。
風評被害対策会社への相談
ネガティブキャンペーンの被害を受けていて法律的に投稿を削除するのが困難であれば、風評被害対策会社への相談をするべきです。風評被害対策会社へ相談すれば、ネガティブキャンペーンの情報拡散防止につながるからです。
ネガティブキャンペーンによる悪評を放置し続けていたら、会社の評判が低下し続ける恐れがあります。そのため、会社の悪評を拡散され続けないためにも、風評被害対策会社へ相談して情報拡散を防ぐ必要があります。
まとめ
企業がネガティブキャンペーンの被害を被った場合は、ブランドイメージの低下や取引先からの信用低下、採用活動の困難化などさまざまな影響が与えられます。また、法律的にネガティブキャンペーンの投稿が削除できるのであれば、運営元のお問い合わせフォームから削除依頼をするべきです。
ただ、法律上にネガティブキャンペーンの投稿を削除するのが難しい場合は、風評被害対策会社へ相談をしてください。風評被害対策会社へ相談すれば、ネガティブキャンペーンによる情報拡散の防止につながるからです。
