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お知らせ

カネボウの化粧品自主回収について/評判はマネジメントせよ(4)

1週間前の7月23日の夕方、関東地方を中心に猛烈な雨が降ったのは記憶に新しいところですが、ゲリラ豪雨が被害につながるかどうかでいうと、ポイントは「1時間あたりの雨量」にあるのだそうです。

先日は、東京都目黒区と世田谷区付近で1時間に約100ミリの猛烈な雨が降ったとみられています。

道路がアスファルトで舗装されている都市部では、ゲリラ豪雨に見舞われると、排水処理能力を超える雨水が一気に下水道に流れ込み、 あふれ出た雨水によって被害が発生します。

都市部の排水処理能力は1時間に50ミリ程度を基準に設計されているため、 それ以上の降雨量があると雨水があふれる構造になっています。

ゲリラ豪雨に見舞われたら、または見舞われる可能性がある場合は、1時間あたりの雨量に注目しましょう。

キーワードは「1時間あたりの雨量が50ミリ」

1時間あたり雨量が50ミリ以上となると予想される場合は注意が必要です。

日本国内のアメダス1,000地点当たりの回数でみると、

1時間に50ミリ以上降ったゲリラ豪雨は、

平成3年までの10年間で、 年平均187回
平成13年までの10年間で 年平均199回
平成23年までの10年間で 年平均226回

と増加する傾向にあります。

「1時間あたりの雨量が50ミリ」、この目安を知った上で気をつけてくださいね。

「評判はマネジメントせよ」を読む(4)

引き続き、2011年末に発売された

ダニエル・ディアマイアー著「評判」はマネジメントせよ
www.amazon.co.jp/dp/4484111195

この本のポイントを紹介します。

以前も少し紹介しましたが、著者のディアマイアー氏は

最初のまちがいは、危機についての考え方そのものから始まる。

私たちは直感的に、危機を純粋にネガティブな出来事として捉えている。・・しかし、私たちに必要なのは、問題をどのように概念化するかに解決策の良否がかかっているという認識である。

一歩まちがえば大災難になるという事態に直面した時にかすり傷ですんだり、バスに轢かれずにすんだりすれば、それは確かに喜ぶべき結果のように思える。

もしダメージのことだけを考えるのであれば、ダメージコントロールが望みうる最善のことになる。

しかし、このような捉え方はすべて受け身の姿勢を示している。言外に重要な前提として、危機前の状態にできる限り近づくのが最大限の望みうる事だという考え方がある。・・しかしながら、危機はほぼ必ず同時にチャンスをもたらす。それも時として大きなチャンスを。

言い換えれば、危機後の状態は危機前の状態を上回りうる。

しかし、「評判」の危機を目の前にして私たちはなにが問題なのかを忘れがちです。

消費者のことはそっちのけで、「悪いのは誰か?」の追及をしたり、誰かのせいにしたくなったり・・・

以下、今週のテーマで上記ディアマイアー氏が言う「危機前の状態を上回れるか」

カネボウの自主回収について考えてみましょう。

★ 今週のテーマ カネボウの化粧品自主回収について

報道されているようにカネボウ化粧品は、肌がまだらに白くなったという被害報告を受け、医薬部外品の成分「ロドデノール」を含む美白化粧品を自主回収しています。

以下、発表されているいくつかの事実を列挙します。

7月19日までに専用フリーダイヤルへの問い合わせは10万5,000人。店頭での問い合わせが5万8,000人。

顕著な症状が出たと申し出た利用者は7月19日までに2,250人と発表しています。

カネボウの社長は

強制的な自主回収を命じられる薬事法上の重篤なものに当たらず、厚生労働省に判断を委ねられた。

選択肢は自主回収と注意表示の強化があったが、注意表記を強化しても使い続ける方のことを考え自主回収に至った。

と記者会見で述べ、消費者のもとにあったとみられる約45万個のうち、8割の約36万個をすでに回収。店頭在庫分も、約58万個のうち50万個以上を回収。

また、カネボウは症状が確認された利用者については、医療費や医療機関への交通費などを過去分も含めて回復まで負担する方針で、今回の自主回収や返金に関連して約50億円の費用が発生する見込みということです。

カネボウ化粧品の直近決算である2012年12月期の売上高1500億円(9カ月の変則決算。11年度は12カ月で1900億円)で、今回自主回収する対象商品の売上高は卸売りベースで日本国内が50億円、海外が20億円で全体に占める割合は約5%。

ここまでがこれまで発表された事実でした。

売上高から見た自主回収商品の割合は少ないながらも、その影響が大きいのはもちろんブランドイメージですよね。

マスコミもそこに焦点をあてて報道しています。

2013/7/19 週刊ダイヤモンド編集部
diamond.jp/articles/-/38975

・・・利益率が高いスキンケア商品でのミスは相当手痛い。

問題の成分は美白成分であり、代替製品を開発しようにも、主要成分であるため、それなしでは商品が成り立たない。

何よりカネボウ全体のブランドイメージ悪化は必至だ。

2013/7/4 東洋経済オンライン
toyokeizai.net/articles/-/14615

・・・ただ、気掛かりなのは、ブランドイメージに悪影響が及ぶ可能性があることと、自主回収商品の主力販路がドラッグストアだということだ。

百貨店、化粧品専門店などさまざまある化粧品の販路の中でも、ドラッグストアはもっとも売り場争奪戦が厳しい。

店側としても、ある商品が突如なくなれば、そのスペースを別の商品で埋めなければならない。つまり、他社製品に取って代わられ、カネボウ化粧品は売り場を失う可能性がある。

同業大手のコーセーは、2年前の東日本大震災直後、物流倉庫の被災により商品供給が滞った際、ドラッグストアにおける存在感を低下させてしまった。

供給能力が完全に回復した後も、すでにドラッグストアの売り場は他社の製品で埋まっており、売り場と売り上げを震災前の状態に取り戻すのに、1年以上の時間を要した。

「棚の入れ替えは新製品の発売が相次ぐ春先、秋口に行うため、その時期にあわせ他社より魅力的な製品を出せなければ、売り場の奪回は難しい」(業界関係者)。

今回、カネボウは「別ブランド、別商品で売り場提案を行っていく」としているが、補いきれるかは未知数だ。

マスコミはいつだって他人のことはおもしろおかしく報道します。

「ヤバイよ、ヤバイよ」って煽るわけですね。そのほうが読者が喜ぶのかもしれませんが。

ただ、ここまで記してきたカネボウの対応は、「評判管理」の専門家として見た時に、自社のビジネスモデルの基礎である消費者の健康と安全を第一においた行動をしていると思います。

本来はカネボウの社長が会見で言った通り、

強制的な自主回収を命じられる薬事法上の重篤なものに当たらず、厚生労働省に判断を委ねられた

わけですが、

カネボウ自身が今回の「危機後の状態として危機前の状態を上回る」ために、

あえて

選択肢は自主回収と注意表示の強化があったが、注意表記を強化しても使い続ける方のことを考え自主回収

に踏み切ったわけです。

会見は少し言い訳がましく聞こえましたが・・・

対象商品の回収もかなり速いペースで行われており、カネボウは全国に50?150人規模で専任担当者を配置して症状の出た人を継続的にフォローする方針を示しています。

さらに、日本皮膚科学会の協力を得て、原因究明や治療方法の早期確立を図るとしています。

沈痛な表情でのカネボウの会見でしたが、その対策は実に戦略的に行われているように外部からは見えます。 1つだけ心配なのは、今回の問題で2011年にあった当初の消費者からの相談については「(消費者の)病気という思い込みがあった」として、対応の遅れを認めた点。

問題なのは認めるのが遅れたという点よりも、この「思い込み」と発表した部分、ここの過程を今後どのように公表し、消費者に理解してもらうか。ここですね。

ここさえ間違わなければ、カネボウの今回の「評判の危機」は、早い段階で解消され、「危機後の状態は危機前の状態を上回りうる」と断言いたします。

皆さんのお考えはいかがでしょうか?

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