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お知らせ

他者の影響力は恐ろしい/評判はマネジメントせよ(10)

日本経済新聞と朝日新聞の電子版、NHKのニュースサイトが相次いで「ドコモがiPhoneを販売する」と報じました。

しかし、すぐにドコモはプレスリリースで、

「当社が発表したものではなく、決定した事実はない」

発表しています。

実際の事実がどうかはさておき、天下のドコモの話題はここ数年ずっと「iPhone」の取り扱いのニュースばかりという印象があります。

結局はドコモも「iPhone」頼みなんでしょうかね。

それだけ製品としての「iPhone」のインパクトは大きかったということなのでしょう。

恐るべし!スティーブ・ジョブズですね。

【動画】スティーブ・ジョブズ 1995~失われたインタビュー~

アップル「iPhone5」の後継機種が今月中にも発表になるそうですが、2013年4~6月期のスマホ出荷台数は前年同期比52.3%増の2億3790万台。

メーカー別シェアでは首位のサムスン電子が前年同期比43.9%増の7240万台。

2位のアップルは3120万台でサムスンの半分未満。

ただ、最新OS「iOS7」を搭載した次期「iPhone」が発売されれば、シェアは再び上昇するという予測もあるとか。

シェアで負けてていても中心は「iPhone」。

亡くなってもスティーブ・ジョブズはスティーブ・ジョブズであり続ける。革命児ですねえ。

15分少々の動画ですが、金言満載です。

まだ見ていない方はぜひご覧ください。

【動画】失われたインタビュー

「評判はマネジメントせよ」を読む(最終回)

2011年末に発売されたダニエル・ディアマイアー著

「評判」はマネジメントせよ
www.amazon.co.jp/dp/4484111195

この著書のポイントを私なりにまとめてお届けして今回が10回目となりますが、これで最終回となります。

評判を考える者にとってまずは読んでほしい本として取り上げた本書ですがディアマイアー氏は最後の第9章で

最高の評判管理システムも、それを動かすのは社員である。

と述べ、

社員すべての指針となる価値観と文化が求められる

と指摘しています。

「社員すべての指針となる価値観と文化」は、組織のミッションと言い換えられるのかもしれませんね。

このミッションが社員全てに行き渡ることの難しさは言うまでもありません。

特に大きな組織になればなるほど・・・

卑近な例ですが、最近のツイッターやフェイスブックでの従業員によるおふざけ画像の投稿、

・店員がアイスケースの中に入る
・「香川真司が来た!」と防犯カメラの画像をアップ
・店員が冷凍ソーセージをかじった写真をアップ
・コンビニレジカウンター上で開脚し股間をバーコードスキャン

バカッター画像 まとめ
matome.naver.jp/odai/2135151557225273601

これらは組織のミッションをたった一人の従業員が木っ端微塵に砕いた事例でしょう。

もちろん本書「評判はマネジメントせよ」では、そのような卑近な事例は取り上げられず、世界的な企業や事件を取り上げているのですが・・・

著者のディアマイアー氏はもっと上品な事例を挙げています。

皆さんに思い当たりそうなものを選んでみると、たとえば、

あらゆる企業文化に共通する難題として、業績優秀者の基準違反をどうあつかうかがある。

厄介な状況にあっても会社の基準を明確に貫き通さないと、壊滅的な事態を招くおそれがある。

シニシズム(冷笑主義)の意識を生み出すことに加えて、社員を混乱させることにもなりかねない。

何がルールであるのか、社員が確信できない状態になってしまう。・・疑念は文化の破壊者なのである。

と言い、第9章では消滅したアメリカの大手会計事務所アーサー・アンダーセンの事例を紹介しています。

加えて世界的な企業も街のコンビニにも通用する戒めを記しています。

危機への対処を通じて、経営陣は他のいかなる場合よりも強力なメッセージを社員に発することになる。

危機対応の経験は、すべての社員に何が大事であるのかを教えるものである。

ゆえに、評判危機はきわめて大きな学びの機会となる。

評判危機は明日の会社の文化を左右する。

と。

すべての企業において評判の危機の機会はある。

評判の危機を発生させない努力とともに、評判の危機が発生したあとに社員と市場にどういうメッセージを送ることができるか。

誤ったメッセージの発信は組織のミッションだけでなく、組織そのものを木っ端微塵にしてしまうから。

この話題については「今週のテーマ」でも少し触れてみたいと思います。

私たちは現在、誹謗中傷や風評被害に悩む企業様の対処に力を注いでいますが、実は危機前の「評判管理」についても強く意識し、取り組んでいます。

★ 今週のテーマ 「他者の影響力は恐ろしい」

評判の危機について、さまざまな大企業の事例が取り上げられるのですが、中小企業の事例はあまり取り上げられません。

市場に与えるインパクトが小さいとか影響が最小限度ということなのでしょうが、評判の危機における本質は組織の大小は関係ないと私は考えています。

本質は一緒であると。

もっともっと身近で問題となっていることを深く考えるべきではないか。

そこで、あえて先にツイッターなどへの従業員によるおふざけ画像の投稿に触れたわけです。

問題となった企業はそれぞれ「従業員への意識の徹底」だとか「就業規則の見直し」だとか「仕事中の携帯電話の禁止」であるとか「店舗の清掃」であるとか「アイスケースの入れ換え」とか「店舗の休業」を行いました。

このうち「従業員への対応」を正しく行っている組織はあるのかどうか。

たとえば、今後、投稿等で問題になった場合は、損害賠償を請求されてもいいという誓約書なり、書面への署名を求めることはいちおうの抑止力になるでしょう。

しかし、それで再発防止の策は万全といえるのか?

「すべての社員に何が大事であるのかを教えるもの」になっているのかどうか。

ディアマイアー氏は、究極的にこのような問題を倫理と誠実の観点から捉えようとするが、それは重要な反面、もう1つ別なものが作用すると以下のような実験の事例を著書で取り上げています。

しかし、そこにはもう一つ別のものも作用している。

それは文化の作用、すなわち人は社会的環境の中に暮らし、他者を観察することによって行動が強化されるという事実である。

他者の影響力は恐ろしいまでに強まりうる。

二つの有名な実験がこの点を示している。

まず一つは「ジンバルドー実験」である。

スタンフォード大学で行われた実験で、被験者の学生たちは二週間の実験期間にわたって囚人と看守の役に振り分けられた。

するとすぐに囚人役は看守役に対して従順に、看守役は囚人役に対して暴虐的になった。

実験期間が進むにつれて看守たちは残酷さと淫らさの度を増し、実験責任者が看守役の3分の一はサディスティックな性向をもっていると評価する状態に至った。

「優しい看守」たちも誰一人として同僚の行為に口を差し挟まず、虐待を続くがままにした。

数日が経過した時点で、囚人たちは実験協力の謝礼金は返すので「仮釈放」してほしいと願い出た。

実験参加の動機(謝礼金)を放棄した後も、釈放願いが却下されると囚人たちは独房へ戻った。

看守グループは虐待者の役割に、囚人グループは犠牲者の役割に完全に順応したのである。

結局、この実験は6日間で中止された。

エール大学で行われたいわゆるミルグラム実験では、「教師」役の被験者が別室にいる「生徒」役に問題を出し、答えがまちがっていたら電気ショックを与えるよう指示された。

ただし被験者はすべて教師役で、生徒役は一人の役者が演じた。誤答が増えるごとに生徒の苦痛は強まっていった。

低レベルの電気ショックではうめき声、レベルが上がると許しを請う叫び声、そして最後は気絶したような沈黙状態となった。

実験監督者は、被験者からまだ続けるのかと聞かれると「続けてください。続けないと実験になりません。続けてもらうことが絶対に必要なのです。続ける以外に選択の余地はありません。続けなければならないのです」と答えた。

この言葉を受けて被験者の65%が、生徒役の叫び声が聞こえなくなった後も「危険レベル」のショックを与え続けた。

なんとも怖い実験ですね。

ディアマイアー氏はこの実験結果を受けて、

この二つの実験の教訓は明白で、

人々は環境と他者の振る舞い方に順応する(時として驚くべき程度にまで)ということである。

悪人だけが悪いことをするというのは誤解につながる過度の単純化である。

状況次第で「善人」も悪いことをすることがある。

したがって、善良な人物を選ぶだけでは十分に満たない。

会社の評判の守り手として働くように、機構、インセンティブ、価値観、文化を整える必要がある。

と述べています。

先のツイッターなどへおふざけ画像を投稿した従業員はすべて悪人であったのかどうか。善良な人ではなかったかどうか。

それらの人に会ったことがないので推測になりますが、全員が「悪人」ではなかろうと思います。

彼ら彼女らは、もしかしたら「他者の影響力」をただ受けやすい善良な人ではなかったのか?

もし彼ら彼女らが善良な人であったとするなら、組織が行う「従業員への意識の徹底」だとか「就業規則の見直し」だとか「仕事中の携帯電話の禁止」などは効果をもとらさないと考えられます。

否、しばらくは効果があるが、いずれ効果が薄くなる。忘れた頃にまた起こる現象が出てくるでしょう。

悪人だけが悪いことをするというのは誤解につながる過度の単純化である。

状況次第で「善人」も悪いことをすることがある。

倫理的で誠実で善良な人も、他者の影響、それは、たとえば他人のおふざけ画像が取り上げられて盛り上がっている周りの光景を見て、影響を受けているとも考えられるのではないでしょうかね。

だとすれば、これらの問題は今の世間の捉え方ではなくならない。

これらの問題をなくすためには

最高の評判管理システムも、それを動かすのは社員である

という認識に立ち、

社員すべての指針となる価値観と文化が

組織には求められるので、組織は従業員に対して

会社の評判の守り手として働くように、機構、インセンティブ、価値観、文化を整える必要がある

こうした試みがれがなければ、同じことが同じ企業で継続して起こっていくようになるでしょう。

罰則のみで人を縛ると人は創造性を失うのは古今の歴史を見れば必然。

くだらないおふざけ画像投稿の後始末の先にこれら企業の未来の姿があると思うのは私だけの思い過ごしでしょうか?

皆さんの率直な意見をお聞かせください。

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