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お知らせ

虚しい企業理念/レピュテーション・マネジメント その6

10月11日まで5日連続で夏日になった宮城県や東京では季節はずれのソメイヨシノの開花が確認されたというニュースがありましたが、台風とともに一転肌寒い日々に。

台風26号は関東を中心に大きな被害や影響を与えました。

すでに27号も発生して日本に向かって北上中。9月以降、日本に接近した台風は先日の26号を含むと8個めで、台風の記録が残る1951年以降では1966年の9個に次いで、多くなっているとか。

台風が多いと紅葉の加減に影響がありそうですね。

かえでの紅葉は例年、10月中旬から北海道地方で、いちょうの黄葉は10月下旬に北海道地方や東北地方の一部で始まります。

いちょうの黄葉日
www.data.jma.go.jp/sakura/data/ichou2010.pdf

かえでの紅葉日
www.data.jma.go.jp/sakura/data/kaede2010.pdf

気象庁【かえでの紅葉日 (2012年~2013年)】
www.data.jma.go.jp/sakura/data/phn_014.html

さて、今年の紅葉はどうなるか?

「秋色」という色があるのかどうかわかりませんが、私は秋の色は落ち着いていて、1年で一番いいと思っているのですが、皆さんはどうでしょうか?

コーポレート・マネージメント その6

2005年に発売されたロナルド・オルソップ著
レピュテーション マネジメント
tinyurl.com/mlaf8ln

この本4番めに出てくる法則は

「法則4 価値観と倫理観に従う」

オルソップ氏は

従来、企業の倫理観と価値観はそれほど取り沙汰されることはなかった。

その結果として、誠実性という要素が確固たる評判を築くうえで最重要となったのであろう。

この二年間に露見した数多くの不正や操作、うその影響で消費者は何よりも信頼性を求めるようになっている。

公正は最良の方針ではない、唯一の方針だ、と消費者は声を大にしている。

と指摘しています。

ここを読んで皆さん、なにも違和感がなかったと思います。

しかし、本書の日本語訳の出版は2005年。もうずいぶん昔です。

しかし、

この二年間に露見した数多くの不正や操作、うその影響で消費者は何よりも信頼性を求めるようになっている。

の部分を読んでも、決して昔のこととは思わず、そうそうこの2年間にもいろいろあったよと思ったはずです。

つまり、企業の倫理観と価値観に基づく信頼性は、8年経っても、そう変化がなかったことを表します。

新しいところではみずほ銀行の問題がありました。

みずほ銀行の問題とは、みずほフィナンシャルグループの佐藤社長(みずほ銀頭取)をはじめ、歴代3首脳は、取締役会の報告でみずほ銀行による暴力団らへの融資に関する問題を把握する機会があったにもかかわらず、解決を先延ばしにしてきた問題です。

これについては、あとで今週のテーマで取りあげます。

今日、大きい組織から小さい組織までそれぞれの組織はみな企業のポリシー、信条、使命を高らかに謳っています。

しかし・・・・

オルソップ氏は言います。

多くの企業が倫理や価値観(バリュー)をうたっているが、残念ながら、体裁だけを取り繕っているだけだ。

どっさり書類仕事をつくって、お決まりの言葉を並べるだけである。

掲示板に倫理観や価値観の声明文を張り出したり、年に1回、社員にたいして、会社方針に反しませんと宣言する書類に署名させたりしても、実態をともなっているとはかぎらない。

実際この二年間、企業の不祥事がいろいろとあったにもかかわらず、倫理や価値観が社風に浸透して日々の決定にも反映しているという企業は、あいかわらずほとんど見かけない。

と。

企業が自らのポリシーや信条や使命を文書にしてコミットメントするということをオルソップ氏はこう表現しています。

理想でいえば、倫理と価値観は人事考課や報酬に反映されるべきである

なぜなら、倫理観と価値観を社員一人ひとりに植えつけるのは難しいから。

会社の基準に従う社員に報い、違反した社員を罰するべきだ。

そうしないと、基準に従っていないのに昇級したり昇進したりする社員がいることをほかの社員が知って、非常に困った事態になる。

空々しく思えて社員は倫理規定を守る気をなくすだろう。

とオルソップ氏は指摘したうえで、ある意味で衝撃的な数字を紹介しています。

ニューヨークの調査機関、全米産業審議会が倫理担当役員を対象に行なった調査によると、企業は見て見ぬふりをすることが多すぎることが明らかになっている。

会社の価値観に従っていないが成績がよいという社員にたいして、その対応について尋ねたところ、

我慢している   23%
指導を行っている 30%弱
昇進させている   8%
処罰している   22%
解雇する     18%

この数字はまさに最初に述べた

多くの企業が倫理や価値観(バリュー)をうたっているが、残念ながら、体裁だけを取り繕っている

だけで、誠実性という要素が確固たる評判を築くうえで最重要と信じられていない証でしょう。

もし、誠実性という要素が確固たる評判を築くうえで最重要と考えている組織なら、こういう数字にはならない。

あなたの組織では

会社の価値観に従っていないが成績がよいという社員

にどう対応していますか?

その回答が真の組織のポリシー、信条、使命を表します。

★ 今週のテーマ 「虚しい企業理念」

上記ですでに書いた

多くの企業が倫理や価値観(バリュー)をうたっているが、残念ながら、体裁だけを取り繕っているだけだ。

の事例でオルソップ氏はエンロン社を事例として挙げています。

評判の管理やマネジメントでは必ずといってもいいくらい取りあげられるのがエンロン社。

売上高13兆円、全米第7位の巨大企業エンロン社が、なぜ46日間で崩壊したのかはすでにご存じの方も多いので省きます。

興味がある方はこちらのDVDで

【DVD】エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?
tinyurl.com/m66cjt6

ここでは日本のメガバンクみずほ銀行を取りあげます。

みずほ銀行が暴力団構成員らへの融資を放置していた問題は、グループの信販大手、オリエントコーポレーション(オリコ)を通じた中古車などのローンで、2010年12月には行内で把握されていましたが放置。

この暴力団構成員への融資問題では、経営トップが参加する取締役会などに計8回、グループ企業・オリエントコーポレーション(オリコ)を通じた暴力団組員への融資残高の推移を記載した文書が報告されていました。

しかし、放置され、融資件数は230件以上にふくらみ、2012年12月に金融庁検査で指摘されるまで対策は取られなかった。

今回発覚した問題を念頭にみずほの企業理念を読むと、ジョークとしか思えないのはエンロン社と同じ。

みずほの企業理念
www.mizuho-fg.co.jp/company/policy/ci/index.html

基本理念:<みずほ>の企業活動の根本的考え方

<みずほ>は、『日本を代表する、グローバルで開かれた総合金融グループ』として、常にフェアでオープンな立場から、時代の先を読む視点とお客さまの未来に貢献できる知見を磨き最高水準の金融サービスをグローバルに提供することで、幅広いお客さまとともに持続的かつ安定的に成長し、内外の経済・社会の健全な発展にグループ一体となって貢献していく。

これらを通じ、<みずほ>は、いかなる時代にあっても変わることのない価値を創造し、お客さま、経済・社会に<豊かな実り>を提供する、かけがえのない存在であり続ける。



<みずほ>のあるべき姿・将来像

1. 信頼No.1の<みずほ>豊かな発想力と幅広いお取引により培われた豊富な経験・専門的な知見を備えた、お客さまの中長期的なパートナーとして、最も信頼される存在であり続ける。



みずほValue:役職員が「ビジョン」を追求していくうえで共有する価値観・行動軸

5. 情熱 ~コミュニケーションと未来を切り拓く力~

私たちは、お客さまと社会の声に誠実に耳を傾け、いかなる困難も乗り越え未来を切り拓いていく情熱を持ち、最後まで責任を持って行動することで、<豊かな実り>を提供する、かけがえのない存在であり続けます。

すばらしい、企業理念は!!

しかし、こうした事件が起きれば、

多くの企業が倫理や価値観(バリュー)をうたっているが、残念ながら、体裁だけを取り繕っているだけだ。

どっさり書類仕事をつくって、お決まりの言葉を並べるだけである。

とならざるを得ないですよね。

2000年に第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の旧3行が経営統合してみずほグループができたのはご存知の通り。

すでに13年が経過していますが、今回の問題を報じるマスコミには相変わらず出身の銀行が記入され、旧3行がそれぞれ鞘当しているふうに報じられています。

ビジネスジャーナル
【旧3行抗争の歴史と変わる勢力図】
biz-journal.jp/2013/10/post_3075.html

みずほ銀行が自行調査で230件の問題融資を見つけたのは10年12月。

当時の法令順守担当は上野徹郎副頭取(旧第一勧業銀行出身)だったが、西堀利頭取(富士銀出身)に報告はなかった。

上野氏の後、法令順守担当は矢野正敏副頭取(第一勧銀出身)、倉中伸常務(興銀出身)へと引き継がれ、その後、今年9月末まで小池正兼常務(第一勧銀出身)が務めた。・・・第一勧銀は1997年にオリコと提携ローンを始め、両社は結びつきが強かった。

旧3行が経営統合して、みずほFGが発足したのち、オリコは3行抗争の火種となった。オリコへの融資をめぐり内紛が勃発したのは、07年のことだった。

オリコからの支援要請を受けた07年2月、みずほFGの最高首脳会議が開かれた。

その席上で、みずほコーポレート銀行の当時の斎藤宏頭取(興銀出身)は、みずほFGの前田晃伸社長(富士銀出身)、みずほ銀行の杉山清次頭取(第一勧銀出身)を前にして、「(オリコを)もう切ってしまえ」と発言したという。・・

J-CASTニュース 2013年10月14日
不祥事繰り返すみずほ銀行 
合併旧3行の覇権争いが背景に?
www.j-cast.com/2013/10/14185920.html

問題融資の情報を把握していながら、なぜ2年間も放置するようなことになったのか。

考えられるのが、自動車ローンの提携先であり、契約前の審査にあたったオリエントコーポレーションの存在だ。

オリコは、みずほグループの一員ではあるが旧第一勧業銀行の出身者が社長に座る。そもそも、問題融資のきっかけはオリコにある。

小口の提携ローンなので、銀行に当事者意識が欠如していたのは間違いなく、西堀元頭取ら、当時の経営陣は次回から契約を承諾しないようオリコに求めただけで、取引停止などの対応を取らずに先送りした。

加えて、銀行内では「旧第一勧銀系が起こした問題なのだから、その関係者が解決しろ」といった、責任のなすり合いが起こったり、あるいは事態を把握した旧第一勧銀出身者が穏便に事態を収集しようと画策したりしたことも、旧3行の「覇権争い」が背後にあったと仮定すれば、容易に推察できる。

メガバンクと言われる大組織ですから、企業風土の違う銀行が一緒になれば、問題は出てくるのでしょうし、企業の統合は書類上で完了しても、社員の融合は難しいというのは十分理解できる。

今こそ、

誠実性という要素が確固たる評判を築くうえで最重要

なわけで、

公正は最良の方針ではない、唯一の方針だ

として

倫理と価値観は人事考課や報酬に反映されるべき

でしょう。

たぶんできないけれど・・・

というのも、みずほ銀行の前身の1つ、第一勧業銀行時代、平成9年、証券会社による損失補填の発覚に端を発した金融不祥事や総会屋に対する利益供与事件で、歴代首脳が逮捕されました。

最終的には逮捕者45人、処分を受けた大蔵省・日銀職員214人、そして恐ろしいことに自殺者が6人という大変な事件をすでに経験しています。

会長はなぜ自殺したか 金融腐敗=呪縛の検証 (新潮文庫)
tinyurl.com/mvq38y9

あれから15年、合併してから13年、現在のみずほの対応を見ていると、あの恐ろしい事件は一向に薬になっておらず、相変わらずの対応を世間に平気でぶちかましているところを見ると、近い将来再びなんらかの事件は起きると断言してもいいのではないでしょうか。

みずほ銀行は

会社の価値観に従っていないが成績がよいという社員

の人事考課をどうするかの前段階である「会社の価値観」がすでに崩壊しているのですから。

壊れた「会社の価値観」をもつ組織が日本三大メガバンクの1つというのは残念ですし、これこそがまさに

【Too big to fail】大き過ぎて潰せない

の1つの事例といえましょう。

皆さんの率直な意見をお聞かせください。



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