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お知らせ

なぜわざわざ大勢の人の目にさらすのか/レピュテーション・マネジメント その13

ポカポカ陽気になったり、北風や西風が冷たかったりですが、今週からは予行演習も終わってそろそろ冬本番となりそうですね。

サッカー好きの知人から会うたびにマンチェスター・ユナイテッドと所属する香川真司選手の話を聞かされます。

正直、それほどというか、全然興味がなかったんですが、話を聞き続けていると、マンチェスターUってすごいチームなんだなあと改めて思い知らされるとともに、そこに所属するっていう意味の大きさもわかってきました。

マンチェスターUのファンの数は推定で6億5,900万人いるらしく、世界一ファンの多いクラブ。

※プロ野球で一番ファンが多い巨人で1000万人くらいか

2013年1月にアメリカの経済誌『フォーブス』が発表したクラブの資産価値では33億ドルと推定され、全世界のスポーツチームで1位の評価。

Manchester United Becomes First Team Valued At $3 Billion
tinyurl.com/apvl992

Soccer’s Most Valuable Teams
www.forbes.com/soccer-valuations/

また、先ごろ引退したアレックス・ファーガソンが1986年に監督に就任して以来、20以上の主要タイトルを獲得、イングランドのフットボール史上最も成功を収めているクラブであると。

さあ、そんなとんでもない名門クラブに「神様」みたいな前監督を引き継いで今年は新しい監督がやってきた。

どうも調子が悪いようです・・・

特に新監督としてやってきたデイビッド・モイーズ監督が昨季まで率いたエヴァートンに敗れるに至っては、

「ダメな選手を交代で投入し続けるモイーズは非難されなければならない」

「まだモイーズ政権初期だけど、今日はこう言うしかない。エヴァートンは彼抜きでも成長した。マンUは彼と一緒に下落している」

「モイーズがクリスマスまでマンUにいるとは思わない」

と叩かれています。資産価値が世界一なら、ファンの叩き方も世界有数。

バシッと成果を出したい新監督、しかし結果が出なくて焦る新監督、そこにまつわる選手起用、結果を出し続けていかないと出場できない香川選手。

香川選手24歳だそうです。しびれる毎日でしょうね!

サッカーのことはよくわかりませんが、重圧を背負ってもがく新監督と常に出場を目指して得点に絡もうとする香川選手の人間模様は楽しめます。

興味のない人もぜひ組織の観点から見てみてください。

香川真司 ヤフートピックス
news.yahoo.co.jp/list/?t=shinji_kagawa

コーポレート・マネージメント その13

ロナルド・オルソップ著『レピュテーション マネジメント』
tinyurl.com/mlaf8ln

今回は本書第2部「よい評判を保つ」で紹介されている

「法則11 翻弄される前に制御する」

を取りあげてみたいと思います。

非常に大事な考え方であると思いますので少し長い引用になりますがお付き合いください。

オルソップ著『レピュテーション マネジメント』

「缶のふたにネズミの尿がついていたせいで飲んだ人が死んだ」

「コカ・コーラの商標は裏返して左から右に読むと、アラビア語で「ムハンマド反対、メッカ反対」になる」

「コカ・コーラと化学調味料のグルタミン酸ソーダを混ぜると強力な性欲亢進薬をつくれる」

この3つのコメントを信じる人はほとんどいない。一見してばかげたコメントだとわかる。

しかし、これらはいずれもコカ・コーラ社の企業精神や製品を非難するほかのあまたのコメントと同様、ウェブサイトやチャットルーム、Eメールを介してインターネット上に広範囲に流布している。・・・コカ・コーラ社がインターネットの破壊力に気づいたのは1990年代後半だった。

10人のインターネット・ユーザーにメールを送れば無料でコカ・コーラがもらえるというEメールが広まりはじめたのである。

これはまったくのでたらめな情報だったが、まもなく失望した消費者から無料ドリンクを請求する電話がかかりはじめ、同社はまもなくオンラインのニュースサイトにうわさを否定する記事を発表した。

1998年にはこうしたうわさに手を打つべく、インターネット監視会社に依頼して、同社に関するうわさを探し出すことにした。

しかし、2002年までには、冒頭のネズミの尿の話など、ますます多くのデマに関する問い合わせの電話やEメールが寄せられるようになり、経営陣はさらに強気な行動に出ることにした。

先頭に立ったのは・・・・担当役員のビヨルスであった。

彼女が立てたのは相手とおなじ戦法を用いるという戦略だった。

ビヨルスは会社のホームページに先のうわさを掲載することにしたのだ。

こうした大胆な行動をとればうわさの信ぴょう性がなくなり、顧客を安心させることができると確信していたのだ。・・・ところが上級幹部のなかには、彼女の戦略が本当に妥当なものかどうか確信が持てないとする者もいた。

大多数の人がうわさがあることさえ知らないのに、なぜわざわざ大勢の人の目にさらすのかと彼らは反論した。

ビヨルスは考えを曲げなかった。・・・現在、同社のホームページにアクセスして「問い合わせ」をクリックし「伝説と噂話(Myths & Rumors)」を選択すると、同社に関係するさまざまなデマについて本当の情報を得ることができる。・・毎月16,000人を超える人が最新のうわさをチェックしているという。

いかがでしょうか?

いわゆる「コカ・コーラの都市伝説」と言い換えれば、ピンときやすかもしれないですね。

ネットで検索してもすぐに出てきます。

コカコーラにまつわる都市伝説
blogs.yahoo.co.jp/to7002/35646690.htmlhttp://kyouhu.ldblog.jp/archives/23371779.html

アメリカのコカ・コーラ社の伝説と噂話のページはこちらです。

Coca-Cola 「伝説と噂話(Myths & Rumors)」
www.coca-colacompany.com/contact-us/coca-cola-rumors-facts

私自身もネットで拡散するうわさ話に対しては、コカ・コーラ社のビヨルスさんと同じ考えで

会社のホームページに先のうわさを掲載する。

こうした大胆な行動をとればうわさの信ぴょう性がなくなり、顧客を安心させることができる。

という考え方を基本的にはします。

つまり、うわさ話に対しては、うわさ話の大元にになってしまおうというわけです。

ただ私自身もこれまでそう提案してきましたが、実際は顧客からこれまたコカ・コーラ社の上級幹部と同様に

大多数の人がうわさがあることさえ知らないのに、なぜわざわざ大勢の人の目にさらすのか

と反論されて、結局ボツになった案件もあります。

そっとしておきたいというわけですね。

皆さんはどうお考えでしょうか?

引き続き、今週のテーマでも取りあげて考えていきましょう。

★ 今週のテーマ 「なぜわざわざ大勢の人の目にさらすのか」

今週のテーマに入る前にニュースを少し、

2013年12月3日 読売新聞
中傷記事のネット転載は名誉毀損 東京高裁判決

インターネット掲示板などに書き込まれた中傷記事を「2ちゃんねる」に転載した匿名の投稿について、東京高裁が、転載でも名誉毀損に当たると判断し、海外在住の日本人男性の訴えを認めて、投稿者の氏名などの情報開示を契約プロバイダー(接続業者)に命じる判決を言い渡していたことが分かった。

投稿者の特定を受け、男性は先月、名誉毀損容疑で警視庁に告訴状を出した。

インターネットでは、匿名人物による真偽不明の書き込みや、安易な転載が横行しており、警鐘を鳴らす判決と言えそうだ。

判決によると、問題の転載は昨年3~5月頃、ネット掲示板「2ちゃんねる」で匿名の投稿者によって行われた。

他のネット掲示板や雑誌の記載内容を引用し、男性が国際間の違法送金や資金洗浄に関与しているかのように書かれていた。

男性は昨年10月、投稿者を特定するため、投稿者がネットを利用するために契約しているプロバイダーを相手取り、情報開示を求めて提訴したが、東京地裁は「公開されている内容を転載したものに過ぎず、それ以上に社会的評価を低下させるものとは言えない」として請求を棄却した。

しかし、今年9月の控訴審判決は、書き込みの内容を「真実ではない」としたうえで、「2ちゃんねるを見た多くの人が、転載元の記事や雑誌を読んだとは考えられず、情報を広範囲に広め、社会的評価をより低下させた」と認定。

匿名で具体的根拠も示さない一方的な転載は公益性もないとして、逆転勝訴を言い渡した。

プロバイダー側は上告せず、控訴審判決が確定した。投稿者の氏名や住所などは同月、開示された。

氏名などの特定を受け、男性は名誉毀損容疑で投稿者を告訴。元になった書き込みを行った人物についても特定を進め、損害賠償請求を検討するという。

今回の訴訟と告訴で代理人を務めた最所義一弁護士(横浜弁護士会)は

「『転載しただけ』という弁解を許せば、悪意を持って拡散させることも許されてしまう。転載だけでも名誉毀損になると認めた判決は画期的ではないか」

と話す。

以前ここでも書きましたようにだんだんと法律が現実に追いついてくるという事例の1つですよね。

こうした判決を受けて、すでにネットでは

「まとめ人」を資格制にして、無責任な発信を禁止すべきか
blogos.com/article/73253/?axis=b:55960

のような記事もアップされ、面白い情報が集められ便利な一方で、不正確な情報の拡散や「炎上」を助長するまとめサイトについてもいろいろな意見が出ているようです。

また、2011年には民事訴訟法が改正され、外国法人であっても、日本において事業を行っていると認められれば、日本国内で裁判を起こすことが可能になりました。

2013年2月には、米国法人で日本国内のユーザー向けにブログや動画などのウェブサービスを展開する「FC2」に対する裁判で「FC2」ブログで名誉毀損行為を行ったとみられるユーザーの「発信者情報」を開示するように命ずる仮処分決定が下されました。

米国法人のブログサービス「FC2」への発信者情報開示請求はいかにして実現したか
www.bengo4.com/topics/213/

ブログでの名誉毀損が問題となった場合、記事の「削除」については、表現の自由との兼ね合いがあり判断は分かれますが、少なくとも名誉毀損が明らかな場合、運営会社は「発信者情報の開示」には応じざるをえなくなっているということでしょう。

まだまだ十分とはいえませんが、こうした法律が現実に追いつく流れが加速するなかで、私たちは先のコカ・コーラ社がやっているような自社に関する「伝説とうわさ話」について積極的に広報していくことがより重要になるのではないかと考えます。

コカ・コーラ社がやっていた試みは1990年代後半です。

もしこの時期ならば、

大多数の人がうわさがあることさえ知らないのに、なぜわざわざ大勢の人の目にさらすのか

という疑問も大いに議論の余地があったでしょう。

しかし、現実的には名誉基礎が明らかな場合は、少なくとも「発信者情報の開示」が当然の流れになりつつあります。

「中傷記事のネット転載は名誉毀損」の東京高裁の控訴審判決で

書き込みの内容を「真実ではない」としたうえで、「2ちゃんねるを見た多くの人が、転載元の記事や雑誌を読んだとは考えられず、情報を広範囲に広め、社会的評価をより低下させた」

とありました。

こうしたことが裁判で認められるようになった時代だからこそ、それに連動して組織は自ら情報を発信、かつまことしやかに広まっている「伝説とうわさ話」、都市伝説などに向けても自らの回答と真実の情報を自ら開示していくべきだと私は考えます。

たとえば、賃貸の【レオパレス21】という会社があります。

レオパレスには都市伝説っぽい話があって、そのうちの1つが部屋の「壁」の都市伝説です。

ここに挙げられているものの1つは聞いたことがあるかもしれません。
twitter.com/Mameyan3752/status/397322592169631744/photo/1

「レオパレス 壁」と検索すれば売るほど出てきます。

で、そのレオパレスが「新株式発行及び株式の売出しに関するお知らせ」を出すと、こんなふうにまでおもしろおかしく書かれちゃう。

レオパレスが壁だけでなく株まで薄くなるらしい
kabumatome.doorblog.jp/archives/65772768.html

ただレオパレス側から「壁」に関する情報はネットの検索上位であまり見当たらない。

1つあったのはこのページ。
www.leopalace21.jp/lineup/hybrid/structure.html

ネットに広まっているうわさ話の数に対しては弱いですよね。

もしかしたらレオパレスはちゃんとした資料を出し、回答を出しているのかもしれなけれど、探そうと思っても見つけられなければ、ないも同じでしょう。

また、通販型の自動車保険が今花盛りですが、通販型ですから顧客やネットでの評判は命綱なんじゃないかと思います。

実際、自動車の通販保険の会社名と評判のキーワードで検索をかけると、もうメチャクチャな記載が散乱しています。

そんななか、ソニー損保は、「ソニー損保 評判」で検索をかけるとトップに自社のサイトが出て、

ソニー損保の評価・評判|満足・不満の声|
from.sonysonpo.co.jp/auto/review/

お客様の満足・不満の声

自動車保険は、実際に事故にあった際にその商品の価値が分かるものです。

契約前にその価値を判断することが難しい商品だからこそ、ソニー損保の実際の事故対応を経験されたお客様の声を「ご不満」の声を含め、ありのまま公開します。

と出てきます。

実際のところ、ソニー損保がどうなのかはわかりません。

しかし、消費者が一番気になる情報をまさにドンピシャリの言葉で説明している点は大いに評価されていいし、実際にこの記事を見て安心して契約に至る方も多いのではないでしょうかね。

試しに1つ「チューリッヒ自動車保険 評判」で検索をかけてみましたがソニー損保のページに該当するページは出てこず、ブロガーやアフィリエイターが書き散らしたサイトがヒットするだけでした。

個人的な意見で申せば、私なら2つで選ぶならソニー損保を選ぶでしょう。

ズバリ「誠実」そう、ですよね。

ソニー損保が「誠実」といっているのではなく、「誠実そう」と言っているのです。そう見えると。

ソニー損保のほうが「商売人」だと感じます。

評判の管理には良い評判だけでなく、悪い評判、うわさ話、顧客の不満も含まれる。

ぜひこれを機会にあなたの組織にあった顧客の声、不満な声も含めてコントロールする方向で考えてみてはいかがでしょうか。

皆さんの率直な意見をお聞かせください。

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