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お知らせ

知っておいてほしい潮流/レピュテーション・マネジメント その18

もうひと踏ん張りで春が来ます。

季節っていいですよね。だって待ってさえすれば、確実に春がやって来るんですから。

でも、私たち人間界では、待ち人のあの人も組織の業績も、待っても一向に来ないことのほうが多い。

こちらから出向いてチャレンジして、かつそれが市場でマッチして初めて「春」が来る。ときには「冬」のまま1年過ごすことだってありますから。

夜が明けない朝はない

と励ましの言葉でよく使われますが、企業では夜が明けないままのところも実際にはあります。

私たちの仕事は「夜が明けない」と思っている方々に「朝が来る」方法を提示すること。そう信じてやらせていただいています。

コーポレート・マネージメント その18

ロナルド・オルソップ著
『レピュテーション マネジメント』
tinyurl.com/mlaf8ln

今回は「法則16 世間の冷ややかな視線を甘くみない」

オルソップ氏は言います。

・・・どれだけ軽蔑していようと、たいていは時が経てば気持ちが和らぐものだ。

ただし、皮肉屋全員の意見を変えることはできないということは肝に銘じておくべきである。それでも、辛抱強く取り組めば状況はよくなるだろう。

世間の冷ややかな視線にたいして何も手を打たずに事態を悪化させるよりも、批判的な人たちときちんと話し合うほうがいい。

なぜなら仲よくなることはできなくても、嫌悪感を和らげ、誤解を解くことに成功する可能性があるからだ。

敵対関係を改善するにはコミュニケーションを深めなければならない。

うまくいけば、批判していた人がこちらの意見に耳を傾けてくれるようになり、過去の過ちにそれほどこだわらなくなるかもしれない。

とはいえ、状況が悪化する可能性も常にあることを心得ておくべきである。皮肉な見方を和らげるために何もしないでいると、そうした見方が深まったり広まったりしかねない。

なにより悪いのは、どうせ負けるとはじめから決めつけて批判者と話し合わないことだ。

う~ん、なんとも煮え切らないコンサルタントのような表現になっています。

もう一度読んでもらうとご理解いただけると思いますが、こういうのを「何も言っていないのに等しい」と言う。

「あらゆることができる」とは「何一つ取り柄がない」のと同義語。

「皮肉屋全員の意見を変えることはできない」が「コミュニケーションを深めなければならない」はこれと同じではないでしょうか。

皆さんはどう解釈されるでしょうか?

『80:20の法則』とよく耳にしますよね。

世界の富の80%は20%の人たちが所有しているとか、会社の利益の8割は2割の社員が生み出しているとかって使われます。

これを適用すると、評判の管理においても、20%の人とは分かり合えないと理解することが大事なのではないかと私は考えています。

その20%の人には、いかなるコミュニケーションも通用しないと考えておくべきだし、この20%の冷ややかな視線を送ってよこす人たちとは取引もしないし、支持されなくても良い。

そんなふうに考えることで評判管理の視点はずいぶん変わってきます。

先日、ツイッターだったかで、大ブレーク中のタレントの有吉弘行さんがテレビで

ブレイクするってのはバカに見つかるってことなんですよ。

と言ったというのをみました。

これはすなわち、あなたを嫌いな人も同時に引き寄せるということでしょう。

バカに見つかれば、ツイッターで必要以上に絡まれたり、むやみに写真を撮られたり、街中で出会えば面倒くさいことにもなる。

有名税といいましょうか、痛し痒しなんですが、それがブレークするってことです。

組織でいえば、ブレークが大ヒットに言い換えられるのかもしれません。

世間に届けば、アンチも出てくるってわけですね。

出所したホリエモンに対しても少なからずのアンチな人々がいて、あちこちでホリエモンを批判したり、罵倒したりしていますが、これはブレークして世間に届いていることの証左でもあります。

私がなにか言ったりしたりしても、反響はないですもの。

そういう観点からも評判管理においては20%の人々のアンチな人々へのコミュニケーションの強化は必要としない。

そういう20%の人々が「こちらの意見に耳を傾けてくれるようになり、過去の過ちにそれほどこだわらなくなるかもしれない」という幻想を持たないことが真の評判管理には求められます。

特にネットではアンチな20%はさておき、その20%の人々が撒き散らす誹謗中傷や罵倒には対抗する必要がある。

なぜなら、20%のアンチな人々の意見が放っておけば、ネットの世界の中で多数派を形成する勢いになっては組織にとってためにならないからです。

私たちはアンチな人々への対処ではなく、アンチな人々への影響を受ける環境の排除に力を入れるべきであるというのが私たちの考え方です。

★ 今週のテーマ 「知っておいてほしい潮流」

先に書いた『レピュテーション マネジメント』における「法則16 世間の冷ややかな視線を甘くみない」の項の一番最初で著者のオルソップ氏が採り上げている事例はクアーズ社です。

クアーズ社はアメリカのビールのブランドで飲んでいる方もいらっしゃるかもしれませんね。

オルソップ氏はここでクアーズ社は4半世紀以上にわたって同性愛者からクアーズ社の商品がボイコットされていると書いています。もちろん評判管理の事例としてです。

詳細は省きますが、事の発端は概略こんな感じだったようです。

全米の同性愛者の間でクアーズのボイコットが広がる
www.sukotan.com/archives/news_backnumber/2004/new853.html

同性愛者に対しての雇用差別と創業家出身の社長の政治家への転身に際しての「同性婚禁止のための憲法改正を支持」が主な原因だったようです。

クアーズ社に対する

ボイコットは、全米に広がって、会社に数百万ドルの損失を与えた。

それ以来、クアーズは、同性愛者のコミュニティとうまくやっていく努力を続けてきた。それは、クアーズで働く、パートナーがいる同性愛者の権利まで認めるところまで広がり、5年前には、同性愛者の市場拡大のために、レズビアンであることをカミングアウトしているメアリー・チェイニーを雇った。

彼女は、2000年の大統領選挙では、副大統領候補の彼女の父親ディック・チェイニーの運動を会社に手伝わさせている。

皮肉なことに、こうした変化を推進し、会社をゲイバーまで出向いて行って営業をするほどにまでしたのは、ピーター・クアーズだった。

オルソップ氏の『レピュテーション マネジメント』ではこれらの話に加えて、

クアーズの創業者アドルフ・クアーズのひ孫にあたるスコット・クアーズが、同性愛者擁護の社内での旗振り役となっている。彼はみずからゲイであることを公表している。

と書いています。

こうした問題をあえてここで取り上げたのは、ぜひ皆さんにこれからの組織活動においてこうした情勢をきちんと頭に入れて活動してほしいからです。

特に日本では欧米よりもこの手の問題が論じられる頻度が少ないだけに・・・

近年の欧米での同性婚に対する趨勢をぜひ見ておいてほしいと思います。

同性婚[2011-2014]
eharagen.sun.macserver.jp/homosexual_marriage4.html

同性愛者の平等と保護の支持拡大
tinyurl.com/mb59gve

こうした全体の動きを踏まえて組織の活動は行われないといけないでしょう。これは評判管理以前の問題ですね。

その上で、間近に迫ったロシアのソチオリンピックにおいて日本ではあまり報じられていない問題があります。

事の起こりは、昨年2013年6月、ロシアがソチ冬季五輪で世界各国からのスポーツ選手と観客を迎えるにあたり、同姓愛者の権利を訴える活動を取り締まる新たな法律を施行したことでした。

この法律の下では、「非伝統的な性的関係のプロパガンダ(宣伝)」を未成年者に広める行為に罰金が科されるほか、ネットやニュースメディアで自らの意見を表明した場合でさえも制裁が科されるというもので、同性愛者による集会も禁じられるという法律なのだとか。

法律を作成したロシア側は

この法律は同性愛者であることを罰することを意図したものではない


法律は非伝統的指向を禁じるものではない。しかし、未成年者や若者を対象としたプロパガンダを禁じるものである

と繰り返しアナウンスしています。

が、同性愛者の権利を支持する活動家や団体は、ウォッカをはじめとするロシア産品の北米一帯のバーでの取り扱い中止を呼びかけているそうです。

クアーズ社に起こったようなことがこれからロシアに対して起こるのかもしれません。

つい先日、導入した同性愛宣伝禁止法が各方面から批判されているロシアのプーチン大統領は

2月7日から開催されるソチ五輪では、アスリートが同性愛で差別されることはないと約束

したと報じられました。

【関連ニュース】


オバマ大統領、ソチ五輪米代表団に同性愛の選手任命
jp.wsj.com/article/SB10001424052702304273404579267472896053240.html?dsk=y


「ソチ五輪の開催撤回を」 ロシアの反同性愛法に反発
www.asahi.com/international/update/0819/TKY201308190046.html


皆さん自身が「伝統的な性的関係」を支持するのか、「非伝統的な性的関係」をも含めて支持するのかなど、個人の信条を問うているのではありません。

アメリカの流れは10年もしないうちに日本に定着するでしょう。

それを知った上でそれぞれが考え、情報や信条を発信しなければなりません。

日本国憲法第14条の第1項は、中学生の社会の時間に暗記させられたこの一文です。

すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

組織活動においては「私はそう思う」が通用しない分野があります。そのことを頭に入れて活動しないといけません。

そのことがわかっていなかったロシアのプーチン大統領はソチオリンピックにおいて、直接的な行為であるテロ活動以外にも敵を抱えることになりました。

強気で知られるプーチン大統領はいかに対処してくのでしょうか?

他山の石としましょう。

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