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お知らせ

ダメージは最小限に抑えられる好事例/レピュテーション・マネジメント その19

今日2月4日は立春。暦の上では春ですね。その立春の日に今季最強レベルの寒気がドッと流れ込み寒さが厳しくなるとか。

暖かかったこの冬ですから、最後にビシッと寒さを示してくれると締まりますし、春のありがたさも感じやすいのではないでしょうかね。

これから春へ季節が移り変わる時季に暖かくなって初めて吹く南よりの風速8m/s以上の強い風が「春一番」。

気象庁によれば、昨年2013年の「春一番」は3月1で、東京では最大瞬間風速16.8メートル、気温も4月上旬並に上昇しました。

さて、今年はいつ吹くか?

私たちも皆さんに「春一番」を吹かせられるように頑張ってまいります。

コーポレート・マネージメント その19

ロナルド・オルソップ著『レピュテーション マネジメント』
tinyurl.com/mlaf8ln

オルソップ氏による法則も残りあと2つ。

今回は「法則17 保身は攻撃とおなじである」

を取りあげてみたいと思います。

オルソップ氏は言います。

保身は攻撃とまったくおなじである。それなのに、自社のプライドと法的な防御策を第一に考える企業があまりにも多い。

自己の保身を図ることは、企業にとってほぼ間違いなくマイナスになる。それよりも謝罪して責任を取るほうがずっと効果的だ。

問題が発生したら、企業はできるかぎり迅速に解決しようとしていることを世間に示さなかればならない。


問題を起こした企業に世間が求めるのは、行為にたいして全責任を負い、反省の意を表明することである。

事実を率直に認めることが何よりも重要だ。問題を矮小化しようとしたり、責任を逃れようとしたりするのではなく、

「私たちは間違いを犯しました。申し訳ございません。今後の対応策は次の通りです」

と言ったほうがずっと賢明である。そうすれば、最後には好感を勝ちとり、会社の評判がいっそう高まるかもしれないのだから。

オルソップ氏以外の方の著書を見ても、リスクマネジメントの基本は上記のとおりだと思います。

しかし、このありきたりのことがうまく機能している組織が意外と少ないことは皆さんご承知の通りです。

最近ではホテルやレストランでの食品偽装問題の際の謝罪会見を開くたびに不信が高まる感覚を多くの方が持ったことでそれがわかりました。

「率直に謝罪」することが何よりも重要なのに、そこに至った理由を説明しようとすると、あれこれ世間から見れば屁理屈にしか聞こえないことを言ってしまったり、質問者側のマスコミの正義を振りかざした横柄な態度に反発して余計なことを言ってみたり・・・

一番不信が高まるのはやはり政治家でいえば「遺憾に思います」とか「トップは知らなかった」と発言した時でしょう。

実際にトップがすべてを知っているはずはないので、それは事実かもしれませんが、それを言うのか言わないのか、どう言うのかなどは十分検討した上で言わないといけません。

ただ謝罪する側の立場からいえば、オルソップ氏が言う

「私たちは間違いを犯しました。申し訳ございません。今後の対応策は次の通りです」

と言ったほうがずっと賢明である。そうすれば、最後には好感を勝ちとり、会社の評判がいっそう高まるかもしれないのだから。

は、本当にそうなのかと疑問に思うものです。記者会見で相当な攻撃を受け、ある面では問題となっている以外のことでも執拗な攻撃を受ける中で、

最後には好感を勝ちとり、会社の評判がいっそう高まるかもしれないのだから

と信じることができるかどうか。耐えられるかどうか。

ポイントは我が組織に対する信頼があるかどうか。これに尽きるのではないでしょうか。

「今後の対応策は次の通りです」と上がってくる組織内部からの対策が今後はきちんと行われるのか、それは失敗の根本的な部分を修正するものになっているのか。そうしたものが下からきちんと上がってくる組織なのかどうか。

それが謝罪会見では出るのではないでしょうか。

オルソップ氏は言います。

謝罪は企業のイメージや評判にプラスになる。問題や危機を打開するのにこれ以上有効な手段はない。

問題が起こると多少なりとも評判に傷がつくが、適切に対応して謝罪すればダメージは最小限に抑えられるし、場合によっては企業イメージを高めることが可能だ。

これは世間や消費者からの批判に真摯に対応できる組織だけに当てはまる。そうした組織は失敗を糧に脱皮して新しい組織に生まれ変わる。

そういう意味では「率直に謝罪する」べき問題なのかどうか、それは我々の問題なのかをどう捉えるかが最重要でしょう。

問題は謝罪の仕方というより、起こった問題を組織がどのように認識しているかではないか。そんなふうにも思います。

★ 今週のテーマ 「ダメージは最小限に抑えられる好事例」

ここ最近世間を賑わしている問題の1つにノロウイルスがありますよね。

浜松市の小学校で相次いだ集団食中毒では、業者が異物混入を調べるための検品時、焦げ目や油かすの付着がないか調べる際にノロウイルスが付着した可能性が高いとか。

学校に納品するパンは検品担当者が焼き上がったパンの裏表を1枚ずつ確認するそうです。

スーパーなどに卸すパンではこうした作業は通常行われておらず、パンのノロウイルス汚染の背景には学校給食特有の事情もありそうだと産経新聞が報じています。

産経新聞 2014年1月28日
給食パンで集団食中毒 1枚ずつ検品時に汚染、問われる異物対策
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140128-00000524-san-soci

・・製造した製パン会社は「学校給食のパンの場合、髪の毛1本はもちろん、焦げ目や油かすの小さい黒い粒が付着しているだけでクレームがくることがある。これらをチェックするには担当者がパンに触って見るしかない。時間も手間も掛かるが、学校からの要望なのでやらざるを得ない」と説明。

一方、静岡県学校給食会は「子供が食べるパンなので異物混入がないように気を使ってください、とお願いしている。

異物混入だけでなく、枚数の確認や製品に異常がないかを調べるためにも検品は必要。今回は検品のやり方に問題があったもので、正しくやってもらうことが大事だ」とする。・・日本パン工業会(中央区)によると、スーパーやコンビニに卸すパンの場合、焼き上がったパンを1つずつ検品することはしないという。

「手で触ると汚染される可能性があるので、基本は手で触らないこと。大量生産のパンの場合、通常は製造から包装まで人の手を介さないシステムになっている」(同工業会)

人の手は1番の「汚染源」。食の安全を考えれば、食品の汚染を防ぐためにはなるべく人が触らないのが大原則だ。

浜松市生活衛生課の担当者は「給食には保護者からいろいろな意見が寄せられることもあり、異物混入に神経質になるのは仕方ない面もある。ただ、食の安全のためには食中毒を出さないための対策を優先させることが大事だ。個人的な考えだが、パン1枚ずつの検品は過剰な対応で、やめてもらいたい」と話している。・・

ノロウイルスによる集団食中毒が出たことはお気の毒としか申し上げようがありません。

今回の特に学校給食にまつわる問題を見ると、実は業者はかなり神経質にこうした問題が起こらないように対策をしていたんだなあ、と個人的には感じました。

ゆえに上記で紹介したような教育委員会の学校給食に対する異常な要望とか、保護者の過剰なクレーム等が背景に感じられたのですが、皆さんはいかがでしょうか?

要望する側の静岡県学校給食会は

「子供が食べるパンなので異物混入がないように気を使ってください、とお願いしている。

異物混入だけでなく、枚数の確認や製品に異常がないかを調べるためにも検品は必要。今回は検品のやり方に問題があったもので、正しくやってもらうことが大事だ」とする。

と言いますが、日本パン工業会は、スーパーやコンビニに卸すパンの場合、「手で触ると汚染される可能性があるので、基本は手で触らないこと。大量生産のパンの場合、通常は製造から包装まで人の手を介さないシステムになっている」と言う。

対策としてより説得力があると思うのは、検品を「正しくやってもらう」ことではなく、手で触らないってことのように思います。

この問題では、当事者の業者よりも学校給食会や教育委員会の対応にも焦点があたったのは、みんなが思っているよりも業者が検査されても恥ずかしくない態勢をちゃんととっていたからのように思えます。

事件が起こってそれが一般の人にはよく見えたのではないでしょうか。

もちろん集団食中毒を出したことは残念なことですが、失敗が「0」ということはこの世の中ではありません。

学校給食でもいずれシステムとして「手で触らない」形での工場運営になっていくのではないでしょうか。

もう1つ、同じ集団食中毒を起こした業者がありました。広島市の業者でしたが、この会社の記者会見を少し見たのですが、謝罪はしつつも社内の検査体制はかなりに自信を持っている様子が伺えました。

たいていはこうした会見をしたあとで、マニュアル通りに行なっていなかったという事実が発覚して再び会見、マスコミが罵声を浴びせて正義の味方を気取るというのがパターンです。

しかし、この業者に対する保健所の検査でわかったことは、業者のある意味では主張通り工場内でノロウイルスが出たのではなく、施設内で給食の運搬などに携わっていた従業員からのウイルス感染が確認されました。

従業員は食品そのものに直接触れておらず、コンテナに入れられた給食の数を確認したり、コンテナにふたをして運搬したりする作業を担当するほか、自分の作業場に移動するため、素手のまま、調理室などにも出入りしていたと。

ただし、従業員は仕事柄、手袋をして作業を行うべしという規則はなかったそうで、通常通り仕事をしていたということでした。

業者からすれば、工場内は完璧という思いだったのでしょうが、想定外のところからウイルスが感染したということなのでしょう。

繰り返しますが集団食中毒を出したことは残念なことですし、腹痛やおう吐に苦しんだ子供たちはかわいそうでお気の毒なんですが、学校給食の安全性に対する姿勢はかなり頑張っていたんじゃないかと個人的には思います。

率直な謝罪も好印象でした。

オルソップ氏が言う

謝罪は企業のイメージや評判にプラスになる。問題や危機を打開するのにこれ以上有効な手段はない。

問題が起こると多少なりとも評判に傷がつくが、適切に対応して謝罪すればダメージは最小限に抑えられるし、場合によっては企業イメージを高めることが可能だ。

の好例の組織に先の学校給食の業者はなりうる可能性を感じました。

あとは今回の失敗を糧に産経新聞でも触れられている

検品は商品の品質保持のためもあり、汚染対策をしっかりやれば問題ないともいえる。

加工・流通時の食品衛生管理に詳しい日本HACCPトレーニングセンター(東京都新宿区)の杉浦嘉彦専務理事は

「食品を加熱後、包装するまでの間は細菌やウイルスの汚染リスクが最も高く、細心の注意が必要。原因とされる手袋は実際には汚染されていることが多いが、『手袋をしているから大丈夫』と思い込んでいる事業者は少なくない」

と指摘する。

の「手袋をしていれば大丈夫」や「食材に手を触れない」などが整ってくれば、ダメージは最小限に抑えられるし、場合によっては企業イメージを高めることが可能なのではないでしょうか。

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