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お知らせ

決断が5年遅れれば/コーポレート・レピュテーション その2

オリンピックの浅田真央ちゃんの不死鳥劇場によりその前に大きな話題となっていた「偽ベートーベン」の話題が吹き飛びました。

結果論になってしまいますが、耳が聞こえていた「偽ベートーベン」佐村河内氏は自らの記者会見を先週までにやっておくべきでした。

結果論でなくても、オリンピック開催中にやればよかったのに・・・。

「偽ベートーベン」事件については、以下の2つのブログが面白かったので紹介しておきます。

伊東乾「偽ベートーベン事件の論評は間違いだらけ」
jbpress.ismedia.jp/articles/-/39905

隠響堂日記 作曲家:吉松隆の21世紀音楽界諦観記 
yoshim.cocolog-nifty.com/tapio/2014/02/s-cf5e.html

コーポレート・レピュテーション その2

前回から
『コーポレート・レピュテーション 測定と管理』
tinyurl.com/kg2ttgs
テリー・ハニングトン著 監訳:櫻井通晴・伊藤和憲・大柳康司
を紹介しています。

第2回目の今回も監訳者のまえがきから

レピュテーション・マネジメントには、古いタイプのPRの決まり文句や伝統的な広告活動とは区別される新しいタイプの戦略的な方向づけが必要となる。

それは企業風土に根づいたものでなければならない。・・レピュテーション・マネジメントは、伝統的な意味でのPRやIR、あるいは広報担当者が専門家としてがんばればすべて事足りるといったものではない。

会社には、与件としてCI(コーポレート・アイデンティ)、企業の歴史、および個々の企業で培われてきた文化がある。

組織構造、ビジョン・戦略、リーダーシップ、職場環境をもとに経営幹部による行為、従業員の日々の活動が行われ、それがステークホルダーに影響を及ぼす。

それが経済価値、組織価値、社会価値に影響を及ぼし、企業価値を高め(あるいは低下させ)ていくことになる。

前回、コーポレート・レピュテーションでは

経営者と従業員の行為によって高められる

と書きましたが本書の監訳者のもっとも言いたいことは、一貫して

レピュテーション・マネジメントにおいて最も大切なことは、組織構成員の日々の誠実な活動の積み重ねにある

この点です。

その上で、企業価値は

経済価値・組織価値・社会価値

を上部概念として構成され、下部概念として以下のものがあると本書では戦略マップが掲載されています。

自社のコーポレート・レピュテーションを考えるキーワードとして見てください。

「財務」では

原価低減・売上増大・ROI向上・EVA増大・資産効率

「顧客と社会」では

サプライヤー共生・顧客獲得・顧客定着・クレーム対応戦略提携

「内部プロセス」では

原価引き下げ・新製品の数・不良品低減・クレーム削減廃棄物処理・寄付

「人的資源」では

IT教育・成果主義・組織学習・コンプライアンス教育・福祉制度の充実

これらが複合的に組み合わさってコーポレート・レピュテーションを通じて最終的に企業価値を高める。

こうした点に加えて現在では時代を読み、時代に乗るというなかなか定型・定量でないものも組織の価値の増減に大きな影響を与えていると思います。

それらについては今週のテーマで取り上げてみたいと思います。

★ 今週のテーマ 「決断が5年遅れれば」

ソニーの凋落が言われて久しいですが、今年2月ソニーは続くパソコン事業の売却とテレビ事業の分社化とリストラを発表しました。

ソニーの平井社長は2月6日の記者会見で「選択と集中を進め、モバイル(スマートフォンなど)やゲーム、画像センサーなどを軸に電機部門の再生をはかる」と強調しました。

これより5年ほど前の2009年9月当時塀の中からにホリエモンは

「ソニーは、ブランドと技術力だけで『買い』だよな。2005年のライブドアであれば買えていた額だ」と、買収計画を頭の中で描いておりました。

そして、買ったあとの展開についてこう述べています。

「もし買ったら、それが今であっても、消費者向けテレビなど今後絶対に利益が出ない部門を中国企業にバルクセールし、コンテンツ、ファイナンス、モバイル機器に特化して商品点数を劇的に減らすだろう。ニッチ部門はMBOを促すのもイイね」

テレビは台湾や韓国のメーカーに敵わないから売ってしまう。利益が出る部門だけを残して、ほかはバッサリと切るということのようです。

「これだけの資産を新社長はどうするのか。今のところ、方向性は間違ってないけど大胆さが足りない気がする。ノンビリしていると、シャープみたくなっちまうぞ」と塀の中から檄を飛ばしております。

と言っていました。

ホリエモン 塀の中からソニー買収計画と大胆改革案を提言
www.news-postseven.com/archives/20120926_145072.html

決断が5年遅れれば「瀕死の重体」になるということですよね。

前回も書きましたが、

評判が良くてもビジネスモデルがダメなら会社寿命は7年ビジネスモデルが良くても評判がダメなら会社寿命は7年

評判だけでも、ビジネスモデルだけでも生き残っていけない厳しい時代。

そういう意味でも、レピュテーション・マネジメントに加えて、先の戦略マップのキーワードも重々検討すべき余地があります。

ことわざに分類されるんでしょうか、「人は一代、名は末代」という言葉があります。

人の肉体は一代で滅びるが、その名はよいにつけ悪いにつけ後世まで残るというような意味で使われます。

たしかに名は残るけれど、現代は、

人は一代、名も一代

となってきているのではないでしょうか。

「名だけ」が残る。かつての良き時代の思い出としてでしか語られなくなっていくのではないか。

この記事を読むと、その感も一層強くなる。

東洋経済オンライン
ひっそりと財団を解散、盛田家の凋落止まらず
toyokeizai.net/articles/-/31130

盛田一族の御曹司で将来の社長候補とも目された盛田英夫氏に対して、世襲を良しとせず、長男を会社に入れなかったホンダの創業者・本田宗一郎の長男は脱税で服役中。

ホンダ創業者本田宗一郎の長男が刑務所に入るまで
gendai.ismedia.jp/articles/-/11968

組織を維持する難しさ、評判を維持する厳しさを思わずにはいられません。

『貞観政要】にある「創業と守成いずれが難きや」。

太宗曰く「今、草創の難きは既已に往けり。守成の難きは、当に公等と 与にこれを慎まんことを思うべし」。

今や、創業の困難は過去のものとなった。今後は汝等と共に守成の困難を心して乗り越えて行かなければならない。・・太宗は、「守成が大事」 と締めくくっているのではない。

「どちらも困難であるが、創業の困難は 過去のものとなったのであるから、守成の困難を乗り切ろう」と締めくくっている。

創業の気ばかり強くても、経営を危うくするし、守成にばかり走っていては、将来を危うくする。

守成の状態であっても、常に『ミニ創業』は必要な事であるし、進取の気性がなくしては守成は成り立たない。

《貞観政要・その一》 君道第一/創業と守成いずれが難きや
xpp.sakura.ne.jp/sub/jougan/jou003.php

言うは易く、行うは難しですが、ソニーを見て私たちはそれを題材として自社や組織の見直しの材料とすべきでしょう。

なぜなら、「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」からです。

自らの狭い範囲の経験だけではおのずと限界がある。

目の前の事象を如何に我が事として引き寄せて考えられるか。

このメルマガがその一助となれば、幸いです。

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