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お知らせ

生々流転の法則/コーポレート・レピュテーション その16

ついこの前までは「小保方騒動」で大賑わいでしたが、すぐに「シャブ&ASKA」に話題は移り、ノコギリ男に、遺体を宅配便輸送など、各ワイドショーも呆れるほど話題に事欠きませんね。

それはさておきイメージってすごく大事ですが、それって私たちが持っているのではなく、視覚的に与えられているものとだと「シャブ&ASKA」事件では思わずにはいられません。

ASKAの「SAY YES」はイメージがぴったりでしっくりくるし、覚せい剤取締法違反ならばASKAではなく、本名の宮崎重明容疑者56歳がしっくりくる。

視覚的に与えられつつ、自分がしっくりくるものに勝手に固定するのがイメージなのかもしれませんね。

もしかしたら評判もそうかも・・・

相手に抱いてもらうイメージを意識した言葉遣いや振る舞いが求められるのかもしれませんね。

外見って意外と大切なんじゃないでしょうかね。

コーポレート・レピュテーション その16

このコーナーではこれまでディアマイアー著『評判はマネジメントせよ』やオルソップ著『レピュテーションマネジメント』を読んできました。

現在は3冊目となる『コーポレート・レピュテーション』
tinyurl.com/kg2ttgs
テリー・ハニングトン著 監訳:櫻井通晴・伊藤和憲・大柳康司
を紹介しています。

今回も前回に引き続き第8章からしめくくりの文章を紹介したいと思います。

著者は言います。

企業変革プロジェクトについては、バランスの取れた実践的なアプローチを取るべきである。

最初から変革を行おうと考えてはならない。

特にヨーロッパにおいては従業員のコンセンサスが求められており、理解と合意のためには時間がかかるものと人々が考えられているからである。

支配的な経営者のいる企業では、スタッフは当面の問題に合わせて動こうとする傾向にあり、新しい信条に対して同僚と比べていかにより多くをコミットメントしているかをアピールするかで競争している。

そのような兆候は、正しい結果を達成することよりも、正しい内容を発信することに対して褒賞が与えられてきた人々に見られる。

その者たちは、人をだますようなことを、いともたやすく信じられないほど多く口にするので、真の変革は行われそうにないのは確かである。

この種の小集団組織を抱えているのであれば、この時点で、過度の意気込みを確実に抑え込む必要がある。

同様に、意気の上がらない組織を抱えているのであれば、元気を出すように言ってもうまくいきそうにない。

正規の承認を受けたうえで行われる首尾一貫した持続的で、辛抱強い変革プロセスが成果をもたらすであろう。

「ヨーロッパにおいては従業員」はそのまま「日本においては従業員」と置き換えて差し支えないでしょう。

「支配的な経営者のいる企業」では「新しい信条に対して同僚と比べていかにより多くをコミットメントしているかをアピールするかで競争」し、「その者たちは、人をだますようなことを、いともたやすく信じられないほど多く口にする」ので「真の変革は行われそうにない」というのは重要な指摘です。

昨年2013年、インターネット上のショッピングモール「楽天市場」で起こった不当表示問題では、大幅に割引したように見せかけようと、「通常価格」を本来より高くする二重価格の表示に対して楽天の社員が関わっていたことが社内調査で分かったと発表されました。

朝日新聞の報道では、
www.asahi.com/articles/ASG4T63M7G4TULFA02T.html

楽天では、大型セールを企画する際にどのくらいの半額商品を出すかなどの目標を設定している。

社員の評価は担当店舗の売り上げに連動しているため、「自分の成績を上げたい気持ちがあった」と社員らが不当表示を持ちかけた理由を説明した。

今後、成果主義に偏重した人事評価の改革を検討する。

18人は「この程度なら許されると思った」と話しているため、監査体制の強化とともに社員教育も改める。

と報じています。

永江一石氏はこのことをブログで取り上げ、以下のように述べておられます。

永江一石「リクルートと楽天の決定的な違いを語るよ」

ビジネスモデルが似てるリクルートと楽天の決定的な違いを語るよ

かたや楽天。個人的に商売の仕方が好きではないのでいつもつついているが、いまだに偽ブランドとかも出ているし、ヤラセの評価は満載だし、景表法や薬事法でかなりヤバイ表現満載だし、誇大広告もたくさんある。

リクルートなら審査担当が巡回確認して即座にIDを停止するレベルである。

一番違うのが、リクルートは「トップダウンではなかった」という点です。上に対しては自由に物が言えたし、新規事業の大半は平社員が考えた。・・自分の仕事に誇りを持っている人間は、顧客に「人を騙して儲けましょうよ」なんて絶対に言わないですよ。

「お金も大事だけど、お金よりも信用が大事だ」ということがわかってないんだと思います。

一時的に売り上げ落ちても「どこよりも安心して買える」というブランディングが大事だってことがわかってないのが一番の問題です。

『コーポレート・レピュテーション』の著者ハニングトン氏が指摘するように

この種の小集団組織を抱えているのであれば、この時点で、過度の意気込みを確実に抑え込む必要がある。

楽天がこの「過度の意気込みを抑え込めるか」は「楽天市場」がどうなっていくかを見たらおのずとわかってくるでしょう。

さて、あなたの組織では

人をだますようなことを、いともたやすく信じられないほど多く口にする

ようなことが頻繁に起こって問題になっていないでしょうか?

★ 今週のテーマ 「生々流転の法則」

『コーポレート・レピュテーション』の第9章で著者のハニングトン氏は「業界アナリストを管理する」という項を執筆しています。

ここではその第9章に関してアナリストを取り上げてみたいと思います。

著書第9章の冒頭で

業界アナリストは、専門としている業界のデータ、ニュースおよび情報を集めて業界を観察し、プログラムや報告書を作成して企業に販売する。・・アナリストが収集し、公表している市場データの多くは非常に尊重すべきデータ源である。

しかし、サービス業の領域では企業間の業務委託の量が多すぎて正確な市場データの収集が困難であり、必ずしも正しいとは限らないので注意が必要である。

とアナリストの取り扱いは慎重にすべきだとに注意を喚起しています。

業界アナリストは、専門としている業界のデータ、ニュースおよび情報を集めて業界を観察し、プログラムや報告書を作成して企業に販売する。

が、この隙間に入り込んで企業やその従業員のスキャンダルをネタに金品を要求する会社ゴロ、企業ゴロの類もいまだに跋扈しています。違う意味での「アナリスト」ですが。

業界アナリストでいえば、「日経ヴェリタス」掲載の「人気アナリストランキング」が有名なのはご存じの通りです。

その便覧も発売されています。

アナリスト便覧<2013─2014年版>
www.nikkei-r.co.jp/domestic/industry/analyst/index.html

具体的には以下のブログで主な業界の上位5位までの人気アナリストランキングが紹介されています。

日経ヴェリタス 人気アナリストランキング2013
ameblo.jp/ir-man/entry-11729727100.html

皆さんが属する業界については皆さん自身がよくご存じでしょうから個別の案件は置いておいて、個人的に長い間注目していた人気アナリストをここでは紹介します。

佐々木英信さん、ご存知ですか?

今から20年ほど前でしょうか、初めてこの方を知ったのは。

それからしばらくして会議室みたいな小さい会場でお話を拝聴しました。

残念ながら2008年に若くして亡くなられました。

2008年9月30日 Bloomberg.com
テクニカル分析の第1人者、佐々木英信氏が死去
www.bloomberg.co.jp/news/123-K802D10D9L3501.html

日本の株式市場でテクニカル分析の第1人者とされる日興コーディアル証券・国際市場分析部の佐々木英信チーフアナリストが死去した。

1989年のバブル崩壊や95年のドル・円相場の1ドル=80円を予測するなど、独自のチャート分析に機関投資家からの評価も高かった。

日興コーデ証・国際市場分析部の大西史一投資情報課長によると、佐々木氏は6月13日に高血圧性内出血で突然倒れ、3カ月強の意識不明の状態で25日午前10時21分に死去した。享年58歳。

佐々木氏は1950年長崎生まれ。69年に日興証券に入社し、市場部や株式部、情報部へと移り、テクニカル分析を専門とするテクニカルアナリストになった。

旧日興リサーチセンターや日興シティグループ証券を経て、2006年10月から日興コーディアル証券へと転籍。日本経済新聞が実施するアナリスト人気ランキングのテクニカルアナリスト部門で、95年から03年まで9年連続で1位だった。

佐々木氏の業績でよく知られることの1つは、89年のバブル相場崩壊を予測した点だ。当時は「売り推奨」がしにくい証券会社にあって、投資家のために自らの信念で売りを奨め、「弱気の佐々木」と呼ばれた。

このほか、03年4月の株式市場の底打ちも事前に予測していた。

みずほ投信投資顧問の荒野浩理事は、「日本はテクニカルアナリストが人材不足。その中で佐々木氏の分析は的中率が高く、唯一頼れる存在だった」と語る。

チャート分析の中でも佐々木氏は、時間に重きを置いて分析する「一目均衡表」を得意としていた。佐々木氏の下で長年チャート分析に携わった日興シティグループ証券の吉野豊テクニカルアナリストは、「投資家からの人気が高かったのは単に分析力の高さだけでなく、大きな歴史観に基づいて今のマーケットを捉えることに優れていたためではないか」と話す。

テクニカルアナリスト部門で9年連続で1位ですから、多くの方に支持されていたのがわかります。

佐々木英信さんといえば、著書では

一目均衡表の研究
tinyurl.com/lsl4q77

が有名ですが、その本の前に「経済大動乱」を著わし、この本にテクニカルアナリスト人気No1であった佐々木さんの相場観が示されています。

佐々木さんはその後「相場と精神」を発刊し、最も新しいのは2006年に出した「史上最強の経済大国 日本は買いだ」。

佐々木さんの根っこの部分の考え方が出ているのが「相場と精神」で、その考え方を具体的な事象に当てはめて述べたのが「史上最強の経済大国 日本は買いだ」と言えるでしょう。

相場と精神
tinyurl.com/mtxpw5y

史上最強の経済大国 日本は買いだ
tinyurl.com/pedw77g

佐々木さんは「相場と精神」の冒頭で著作で一貫して述べている自身の考え方を述べています。

生々流転の法則

存在と時間についてこの世に在るありとあらゆるものについて普通の法則がある。この法則を、生々流転の法則という。この世に存作するものすべてが、この生流々転の法則の支配下にある。

われわれ人間であれ、動物であれ、物あれ、植物であれ、鉱物であれ、微生物であれ、すべてこの生々流転の法則下にある。

この生々流転の法則とは、この地上のものには「誕生」の時があり、「成長」の時があり、「衰退」の時があり、「消滅」の時がある、ということである。

これに続いて「人生の流転」「物質の流転」「自然界の流転」「文明の流転」を記し、「存在するとは流転すること」と題して、以下のように述べています。

この三次元世界の存在は、すべて変転の時間を内包していると言えよう。

すなわち、静止した存在はあり得ない。すべての存在は、変転を前提として在ることを許されている。

つまり、存在とは、その中に「流転する」という性質・時間を内包しているのである。

分かりやすく言うならば、この世のものはすべて時々刻々変化しており、まったく同じ状態であることは不可能である。

静止していれば、一魔の写真と同じく、ある時間から次の時間への時の流れは生じない。

変転、あるいは流転を条件としてこの世の存在は、時間という映写機によって投影を繰り広げられているフィルムと言える。

と。

その「時間」について、佐々木さんは

相場の主体は時間にあり。相場の主人公は時間である。

価格はそれに準じる立場。時間ほどの力はないが価格は時間に次いで相場の流れを制する二番目に重要な要素である。

といい、「時間の作用はマーケットでは1対1の間隔で動く」として、

一度上げ相場に入ったら天井を打ちやすいいくつかの時間帯で実際に天井を打つことになる。

この際、天井を打つ時間帯が後にずれればずれるほどそれだけ価格は高めになる。

逆に底を打つ時間帯がずれるほど価格は低くなる。これがマーケットの摂理である。

この摂理により、「上げ幅、下げ幅に関係なく一度出た重要な値幅は将来にわたって規定する」、「一度出た値幅が繰り返す」と述べ、これは平均株価、個別銘柄も同じであらゆるマーケットに適用されると言い切ります。

日経平均株価が底だった第一次オイルショックから1982年の底まで「2001日」、そこから株価が天井となった1989年の12月まで「2003日」、こうしたことから1987年のブラックマンデーの際はいくら株価が下がっても、本当の大転換点ではないなどとし、実際そうなりました。

また、100万ドルのGDPを生み出すために必要な原油換算のエネルギー量は

    1976年  2000年
米国  433  255
ドイツ 184  146
日本  126   92

とし、2000年当時原油が50ドルになってもオイルショックにならないとし、100ドルになった今でもオイルショックは起こってっていません。

さらに、佐々木さんは、

外国人投資家は選挙の結果ではなく、投票率を見ている

とし、投票率が株価に影響を与えるなど独自の見解を述べてきました。

佐々木さんが長年研究してきた成果としての相場観、歴史観を知りたいなら、

相場と精神
tinyurl.com/mtxpw5y

を、その根本的な考えを具体的に示したものが知りたいなら

史上最強の経済大国 日本は買いだ
tinyurl.com/pedw77g

をお読みください。

佐々木さんが亡くなる前に著わした著作の副題は

「黄金の40年」が始まった

でした。果たしてその予測は当たるか。

少なくとも佐々木さんが命を懸けて研究してきたその成果を私たちは受け継いでいかないといけないでしょう。

佐々木さんのように発言を貪り読むようなアナリストを佐々木さん逝去以後、見つけられていませんが、そのうち出てくるでしょう。

もし皆さんのご推薦のアナリストがいらっしゃったら教えてください。

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