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お知らせ

忘れてくれないネットの記憶装置/コーポレート・レピュテーション その23

日本では全英オープンゴルフのニュースや侍ジャパンの小久保監督が11月に行われる日米野球の第1次選考選手として6選手を選出など平和なニュースが大きく取り上げられる中、親ロシア派支配地域のウクライナ東部ドネツク州でマレーシア航空の旅客機が地対空ミサイルで撃墜されたとか。

事故ではなくテロ行為によるものだそうで、マレーシア航空によれば「乗客は283人」は全員死亡。

パレスチナ自治区「ガザ」を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスはロケット弾をイスラエルの主要都市に向けて次々発射、これに対してイスラエルはガザへの空爆、ガザ地区での地上部隊による作戦を開始し軍事作戦を展開しています。

飛行機で出張に出たら撃墜されたとか、買い物に出かけたらロケット弾が飛んできたとかいう経験がないだけに別世界の出来事のように思えてしまいます。

我が日本の平和を喜ぶべきなのか、世界の当たり前の出来事を共有できないことを悲しむべきなのか、なんだか頭が混乱してきます。

ウクライナもイスラエルとパレスチナもいずれも「領土」に関することによる紛争とすれば、日本も中国との尖閣諸島問題、韓国との竹島問題、ロシアとの北方領土問題などの領土問題を抱えていますから、決して他人事ではないはずなのですが・・・。

コーポレート・レピュテーション その23

現在は畑中鐵丸法律事務所著『企業のネットトラブル対策バイブル』を取り上げています。今回が6回目。

※『企業のネットトラブル対策バイブル』は書名が長いのでここからは『ネットトラブル対策』とさせていただきます。

今回も引き続き『ネットトラブル対策』第2章「経営政策・法務戦略構築における課題」について紹介します。

本書『ネットトラブル対策』では

・・・指摘されて初めて「ネット攻撃」を知るようでは、被害の回復もままなりません。

そこで、「ネット攻撃」を迅速に認知し、発見すべく、少なくとも、

1、新規ビジネスの立ち上げ
2、新商品の販売
3、新サービスの開始
4、役員の変更
5、決算等、各種 IR情報の開示
6、業務提携・合併・新株発行等の重要事実の発生
7、就職活動時期等の前後

には、定期的に新商品の名称、企業名、役員名等で、インターネット上のキーワード検索を行う必要があります。

としたうえで、

ただし、かような作業を継続することは企業にとって貴重な人的資源を割かれることにもなりますので、いわゆる「インターネット・パトロール」を専門に行う業者に外注する方法も考えられます。

しかしながら、「インターネット・パトロール」を全て業者に任せきりにするのはあまり関心できません。

前述のとおり、「炎上」は、従業員によるソーシャルメディア利用や、時には内定者の言動に端を発する場合などもありますので、業者がこれら企業の細部・末端・最新の情報まで全てを把握できるはずがありません。・・そこで、一部を業者に外注するにしても、やはり、企業内において、企業の細部・末端・最新の情報まで全てを俯瞰的に見渡すことができる位置からインターネット上の「企業に関係する情報」を探索し、認知・発見できる立場の専門の部署・部員を設置すべきです。

と述べています。

最近では多くの企業がこうした見地から「ネット監視」の作業を進めていますが、これはやはり業績や採用に影響を及ぼすことを組織が実感しているからにほかなりません。

「ブラック企業」というレッテルを張られれば社員でもアルバイトでも人材採用にものすごいコストがかかるのは皆さんもうご存じの通りです。

すでに一部の飲食店では採用難から店舗を閉めざるを得ない企業も出てきて、「ブラック」だと噂されたらいくらお金をかけて募集しても人がこない。

これは人材採用だけの問題にとどまらず、業績でもたとえば、居酒屋チェーンを運営するワタミは2014年3月期の連結最終損益が49億円の赤字(前の期は35億円の黒字)で、1996年の上場以来、初の最終赤字転落となるなど「評判」や「イメージ」が全てと言っていいくらいの影響を受けています。

『ネットトラブル対策』ではこうした現状を踏まえ、

ソーシャルメデイアの普及が進んでいるアメリカ合衆国では、「(オンライン)コミュニティマネージャー」という職種・職分が存在し、ニーズが急速に広がっている

として、

インターネット上で、ブランドや社会問題の動向に長け、これらに関するコミュニテイを構築し、育成し、管理する業務を担う「(オンライン) コミュニティマネージャー」が求められることになるのです。

と指摘しています。

「(オンライン)コミュニティマネージャー」とは具体的にはソーシャルメディアを利用して

1、自社の商品やサービスについて紹介し、コミュニティメンバー(ここでは顧客等)を増やす業務

2、自社の商品やサービスに関する誤解を解消し、ネガティブ情報を減らす業務

3、コミュニティメンバーのニーズを分析して企業に伝達し、また、企業の商品・サービス開発状況をコミュニティメンバーにフィードバックする業務

4、企業とコミュニティメンバー、コミュニティメンバーとコミュニティメンバー間のつながりを増やし、強化する 業務

を担うとあります。

この役割を担える人材が組織内にいるかどうか、あえていえば外部にだってそれだけの任務を確実に遂行できる人材はそうはいないというのが現状でしょう。

「(オンライン)コミュニティマネージャー」は諸刃の刃になりうる職種です。実はこの「(オンライン)コミュニティマネージャー」が「ネット攻撃」の火種になることだってありうる。

よって、まずはネット監視の遂行できる体制の発足、一部を外部を利用することで社内に情報が取り込め、人材の育成にも役立つでしょう。

これからの組織はこうした人材を入社時から育成していく必要が企業に求められていくと思います。

★ 今週のテーマ 「忘れてくれないネットの記憶装置」

他人に知られたくない過去の個人情報について、検索エンジンによるリンクの削除を最大手・米グーグルに求めた欧州連合(EU)司法裁判所の「忘れられる権利」判決についてはここで幾度か取り上げました。

その「忘れられる権利」判決で、すでにグーグルに7万件の削除要請がきているそうです。

CNET Japan 2014/7/14
japan.cnet.com/news/business/35050781/

欧州の新しい法律に伴い、ユーザーの要請があった場合に検索結果へのリンクを削除することを求められているGoogleは、その対応に苦戦している。

Googleの最高法務責任者(CLO)を務めるDavid Drummond氏は米国時間7月10日に掲載されたコラムで、5月に「忘れられる権利」を認める判決が下されて以来、

25万もの個別のウェブページにわたる7万件を超える削除要請

が同社に寄せられていることを明かした。

ほとんどの場合、ユーザーからの情報が乏しく事情があまり示されていない中で、Googleのチームはそれらの要請を確認しているという。

Drummond氏は、Googleは今でも判決には異論があるが、それに従うためにできる限りのことをしていると述べた。

どの検索結果を削除するべきかという判断に用いられる審査基準は「非常にあいまいで主観的」であるため、容易な作業ではないと同氏は付け加えた。

Drummond氏によると、どの要請に応じるべきかを判断するために、Googleのチームはいくつかの項目を考慮に入れているという。

情報は、有名人などの公的な人物に関するものか。信頼できる情報源からのものか。発信された時期はいつか。政治的意見に関連するか。政府が発信した情報か、

などの項目だ。

しかし、どれだけ多くの基準を取り入れても、

「判断は常に困難で、議論の余地が残る」

という結果になることをDrummond氏は認めた。

Googleはこの作業の緩和を目的に、専門家で構成される諮問委員会とDrummond氏が呼ぶものを設置した。

目的は、報道機関、学術機関、技術業界、データ保護などの分野の人物から独立したアドバイスを得ることで、Googleはそのアドバイスによって、明らかに気に入らないが従わなければならない法律に対処するつもりだ。

マイクロソフトも追随したようです。

Microsoftも削除依頼ツールを設置2
014/07/17 鈴木 英子ttp://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/14/071700103/

米Microsoftは同社の検索エンジン「Bing」において、「忘れられる権利(right to be forgotten)」に基づくリンク削除を申し込むためのツールを設置した。

ユーザーはBingの検索結果から不適切あるいは不当な個人情報を削除するよう求めることができる。

同ツールは欧州在住のユーザーに向けたもので、複数の海外メディア(米Wall Street Journalや英Reuters)によれば現地時間2014年7月16日に提供が開始された。

欧州連合(EU)の欧州司法裁判所(ECJ)が米Googleに対して下した、忘れられる権利を支持する判決を考慮した行動だという。・・・Microsoftが設置したツールではGoogleのそれと同様に、リンク削除を求めるユーザーは国名、氏名、電子メールアドレス、対象記事のURL、理由など必要事項を入力し、身分証明書類のコピーなどを添付する。

Microsoftは申請の内容や他のソースの情報をもとに、個人のプライバシーの権利と、公共の表現の自由および情報入手の自由の保障とのバランスを考慮し、欧州の法律に従って削除するかどうか判断するとしている。

なおMicrosoftは、「ECJの裁定への対応方法については多くの疑問が持ち上がっていることから、当ツールおよび関連するプロセスは今後変更する可能性がある」と述べている。

議論の余地はあるけれども、少しずつ削除要請に応える動きになっていくようです。

ただこれらの動きは欧州方面が主のようですから、この動きがこれから日本に及ぶのはもう少し時間を待たなくてはならないでしょう。

これからない時間をかけての進捗になると予想されます。

日本の現在の状況はまだこの段階でしょう。

クローズアップ現代 2012年6月26日(火)放送
“忘れられる権利”はネット社会を変えるか?
www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3219_all.html

こうしたなかなか「忘れられない」ネットの現状からもすでに述べた

◆「(オンライン)コミュニティマネージャー」の設置

◆「インターネット・パトロール」を専門に行う業者に外注

◆一部を業者に外注するにしても、企業内において、企業の細部・末端・最新の情報まで全てを俯瞰的に見渡すことができる位置からインターネット上の「企業に関係する情報」を探索し、認知・発見できる立場の専門の部署・部員を設置

は早急に対応すべき事態と言えましょう。

また、こうした体制が組織内で構築されなければ、または構築されても機能していなければ、以下のような問題も多発します。

朝日新聞 2014年7月5日 八木拓郎
有名企業の広告料、違法サイトに流入 警察庁、対策強化
www.asahi.com/articles/ASG754STQG75UTIL00K.html?ref=nmail

ポルノ画像や規制薬物の取引情報を載せたインターネットの違法サイトに有名企業の広告費が流れ込んでいる。

そんな構図が警察庁の調べでわかった。

有名企業から広告配信を請け負った会社が、配信先サイトの内容を十分に把握していないためだ。年数億円の広告収入を得た違法サイトもあり、警察庁は資金流入を断つ取り組みを始めた。

男女の裸を写した無修整のポルノ画像の下に出てくるのは、証券会社と航空会社の広告だ。

サイトを見るたびに現れる広告は変わるが、半数は日用品大手や大手共済といった国内の有名企業や団体のものだ。

警察庁によると、こうした企業・団体は広告会社、配信会社を通じて広告を載せている。

広告料は定額制のほか、アクセス数やPR商品の販売実績に対応する場合もある。広告掲載サイトは企業が決めるのが原則だが、配信会社が数百のサイトを一つにまとめたパッケージ型の契約も多い。

配信会社の大半は、サイト管理者と配信契約を結ぶときにサイトの内容を審査している。だが、契約後、配信会社や広告主が気づかないうちに、ポルノ画像や禁制品の取引情報を載せ、違法サイトに内容を一変させる管理者が後を絶たない。

一定のアクセス数が見込め、相応する広告料収入が得られるからだという。

警察はこうしたサイトに対する捜査を進めているが、数が膨大なうえ、海外サーバーを利用するものもあり、全てを取り締まるのは難しい。・・・「ポルノサイトへの広告掲載は医院のイメージダウンにつながる。だが、手の打ちようがない」。

4月末まで、違法なポルノサイトに広告を載せられていた大手医療法人の担当者は言う。

2005年ごろから広告会社を通じて、複数の配信会社にネット広告を依頼。配信先サイトのカテゴリーを「旅行」「ビジネス」などと指定し、有害サイトを除くよう希望した。

だが、これまでにも気づいただけで、数回、違法サイトに広告を掲載された。

今回は広告会社に苦情を伝えると、数日後にサイトが閉鎖された。

ただ、こうしたサイトを自ら発見するのは難しい。

広告会社を通じて広告配信するサイトの数が膨大だからだ。

「サイバーパトロール(ネット上の監視活動)をしていると言う広告会社や配信会社を信じるしかない」

同様の被害に遭った航空会社の担当者も「配信会社を信用するのが当然で、自ら対策をとるのは難しい。気づいたときに、広告の削除依頼をするしかない」とあきらめ顔だ。

朝日新聞によれば、大手広告会社の調査では、2013年のネット広告費は総額9381億円(前年比8・1%増)で、この額はテレビの広告費(1兆7913億円)に次ぐ額。

アメリカで商用インターネットが始まったのが1988年ですからすでに26年。

ネット広告は10年前(1183億円)からすでに8倍の規模にまで大きくなり、新聞の広告費(6170億円)さえしのぐようになっています。

しかし、組織の新聞やマスコミに対する対応の規模に比べてネット対策費の規模はネット広告の増加の仕方ほどには広がっていない。

そこに大きな認識のギャップと落とし穴が待っているようにも思えます。

もはやネット対策、ネット監視の体制は人事よりも大規模な体制で臨むべきものになっているのかもしれません。

広報に対する認識を時代に合わせて大きく改めない限り、この手の問題はしばらく続いていくことでしょう。

問題は、ネットに残ったさまざまな誹謗中傷が風評被害を及ぼし、長い間ネットに残って「忘れられない」ものになっていくということ。

ネット社会の出現によって、これらネットでの評判は組織の規模の大小を問わなくなった。

逆に言えば中小企業ほどネット対策による組織の評判を監視することで大きく飛躍できる可能性も高まったということです。

しかし、それゆえに対策が軽視されがちな中小企業がネットによる小さな傷が原因で大きくなれない障害にもなりうることをこれらの事例は示しています。

◆「(オンライン)コミュニティマネージャー」の設置

◆「インターネット・パトロール」を専門に行う業者に外注

◆一部を業者に外注するにしても、企業内において、企業の細部・末端・最新の情報まで全てを俯瞰的に見渡すことができる位置からインターネット上の「企業に関係する情報」を探索し、認知・発見できる立場の専門の部署・部員を設置

なにをすべきかは貴社の経営層と幹部の考え方にかかっています。

私たちはネットでの小さな傷があなたの組織の成長を阻害しないようにお手伝いします。

ご相談ください。

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