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お知らせ

判断は初動がすべて/コーポレート・レピュテーション その31

少し前のニュースですが、ブンデスリーガのドルトムントに所属する香川真司がホームで行われた第3節フライブルク戦で復帰、1ゴールを上げ勝利に貢献しました。

あちらのネットニュースでは

シンジ・カガワのハッピーリターンでフライブルクに楽勝


マンチェスター・ユナイテッドでの悪夢を完全に過去のものとした

などと報じました。

かつてドルトムントでブンデスリーガ2連覇に貢献した香川は、2012年夏にマンチェスター・ユナイテッドのファーガソン氏の誘いを受けて移籍。

同氏のラストシーズンとなった加入1年目には期待を感じさせるプレーを見せましたが、ファーガソン監督が交代した2年目以降は出場機会が減少し、この夏ドルトムントに復帰しました。

人には個性があり、流れがあり、その時々での立ち位置もあります。

ビッククラブで監督に活かされてきた人が監督の交代で活かされないこともあります。

いえ、監督の問題ではなく、本人の実力の問題ではないのかという問いも行われます。

そこに明確な線引きは難しく、本人も環境や指導者のせいにしてはその後が生きられません。

こんなニュースも伝わってきています。

ファーガソンは香川を惜しんでいる
web.gekisaka.jp/news/detail/?147231-147231-fl

ドルトムントのユルゲン・クロップ監督は今月3日と4日にスイスのニヨンで行われたUEFA監督フォーラムでファーガソン氏に会った際、香川についての話をしたとのことだ。

イギリス『サン』がクロップ監督の言葉を伝えた。

「ファーガソンは今でもシンジのことが大好きなんだ。彼はこう言っていたよ。

『彼にとってうまくいくようにさせてやれなかったのは残念だ。我々は1年目には満足していた』」

「2年目には普通なら次のステップを踏むものだが、彼はそれができなかった。だがサー・アレックスは言っていたよ。

『残念だ、我々がうまく成功させるべきだった』とね」

ファーガソンがやめなければ・・・

ファーガソンの後任が6年契約ながら1シーズンももたずに去ることとなったデイビッド・モイーズでなければ・・・

しかし、嘆いても仕方がない。

それが運命というものでしょうから。

この経験はのちに香川が指導者になったときにプラスになると思っていくしかないのでしょう。

日本のスターも世界に出れば「ただの人」ともいえます。

プロの世界っというものは厳しいですね。

コーポレート・レピュテーション その31

今回からは櫻井通晴著『レピュテーション・マネジメント内部統制・管理会計・監査による評判管理』を紹介します。

本書第1部の巻頭に著者櫻井通晴氏はこう書いています。

企業は企業価値の増大を目的として日々の経営活動を行なっている。

価値観が人によって異なるように、企業価値とは何かについても、人、企業、国によってまた使用する局面によっても異なる。

本書では、企業価値が経済価値だけではなく社会価値、組織価値からなるとしている。

これらの価値のなかでも企業は経済価値を最も重視している。

現代の日本企業では、経済価値のほぼ半分前後はインタンジブルズ(無形の資産)によって生み出されていることが明らかにされている。

伝統的な意味での無形資産とは違って、主要なインタンジブルズには、ソフトウエア、知的資産、人的資産・情報資産・組織資産、ブランドおよびコーポレート・レピュテーションなどが含まれるが、本書では、研究対象をコーポレート・レピュテーション(企業の評判)においている。

現代企業において、コーポレート・レピュテーションは企業の持続的発展に役立ち、企業価値の創造に貢献する非常に重要な無形の資産となってきた。

コーポレート・レピュテーションとは、

「経営者および従業員による過去の行為の結果、および現在と将来の予測情報をもとに、企業を取り巻くさまざまなステークホルダーから導かれる持続可能な(sustainable)競争優位」

のことである。

ブランドと同じように超過収益力をもつが、コーポレート・レピュテーションは多様なステークホルダーによって決定づけられ、経営者によってマネジメントすることができる。

レピュテーション・マネジメクトには学際的研究が必要である。

CSR、レピュテーションリスクの管理、レピュテーション監査、レピュテーション指標、内部統制、バランスト・スコアカードなどの適用によってレピュテーションのマネジメントが可能になるが、本書では会計的方法によるレピュテーション・マネジメントを考察する。

「会計的方法によるレピュテーション・マネジメント」については目に見える形で示してほしいという経営層にはうってつけでしょう。

これから少しずつ本書『レピュテーション・マネジメント内部統制・管理会計・監査による評判管理』を紹介していきます。

決して難しく考える必要はないと思うのです。

櫻井氏が定義するように

コーポレート・レピュテーションとは、

「経営者および従業員による過去の行為の結果、および現在と将来の予測情報をもとに、企業を取り巻くさまざまなステークホルダーから導かれる持続可能な(sustainable)競争優位」

のこと、つまり、人にまつわる話なんですから。

どうぞお楽しみに!

★ 今週のテーマ 「判断は初動がすべて」

アメリカでは大きな話題となっています、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のスター選手のレイ・ライス選手が今年の2月に当時婚約者だった女性(現在の妻)にエレベーター内で暴行したとされるビデオが公開され、チームを解雇され、NFLも追放となりました。

オバマ大統領も非難するなど全米ではこの話題で持ちきりのようです。

ランニングバックのレイ・ライス選手はレイブンズと3500万ドル(約37億円)の5年契約を結び、3年目の選手。

エレベーター内で暴行したとされるビデオはこちら

Ray Rice cut by Ravens, indefinitely suspended by NFL
www.myfoxdfw.com/story/26473409/video-shows-ravens-ray-rice-punching-then-fiance

女性は完全に失神しているのがわかりますね。

この問題をここで取り上げるのはNFLを統括しているコミッショナーの対応が批判され、先日45分間にもわたるお詫び会見が開かれたのですが、その対応のお些末さのためです。

少し流れを見てみましょう。

NFLコミッショナー、RBライスの処分について釈明
www.nfljapan.com/headlines/58292.html

2014年08月02日(土)

ボルティモア・レイブンズのランニングバック(RB)レイ・ライスは、今オフに婚約者に暴行を加えたとして逮捕された。

その後、ライスはリーグから2試合の出場停止処分を科されている。

この処分について、ロジャー・グッデル・コミッショナーは、

「我々のポリシーははっきりしている。NFLではドメスティック・バイオレンスを容認せず、断固たる姿勢で問題に取り組んでいる。その信念のもとで処分が下される」

とコメント。

そして、

「我々はその問題に対して評価し、きちんとしたプロセスを経て、どういう処分が妥当であるか決定している。我々が手に入れられる証拠を総合的に見て判断している」

と続けている。

またグッデル・コミッショナーは、「ライスが起こした事件に責任が生じている。リーグにとっても彼自身にとっても許されない、とんでもない過ちを犯してしまったことを彼は理解している。彼は今後、更生するためのプログラムに参加することになっている」と述べている。

これを受けて、NFLでは、8月28日に家庭内暴力に対する処分の厳格化を発表。

初犯の場合最低6試合、2回目で無期限の出場停止処分とするとした。

しかし、先の暴行ビデオが公開されると、事態はさらに動きます。

夫人を殴る映像公開後、レイブンズがRBライスを解雇
2014年9月8日

夫人を殴る映像公開後、レイブンズがRBライスを解雇

レイブンズが現地8日、RBレイ・ライスの解雇を発表した。

ライスは今年2月に当時婚約者だったジャネー夫人に暴力をふるい、2試合の出場停止処分中。

8日にゴシップサイトのTMZがライスがジャネー夫人を殴る映像を公開した結果、即日解雇となった。

また、NFLはライスへ無期限の出場停止処分を科すと発表。無期限の出場停止処分は通常、1年経過後にリーグ復帰申請が認められるケースが多く、永久追放とは別物だ。

ライスがジャネー夫人を殴ったのはアトランティックシティにあるカジノのエレベーター内にて。

これまでは、意識を失ったジャネー夫人をエレベーターの外へ引きずり出す映像のみ公開されていた。

レイブンズは事件が発覚した当初からライスを支持。

加重暴行罪に問われたが、更正プログラムを終了すれば、刑期を回避し、有罪歴も残らずにすむと決まると、NFLは2試合の出場停止処分を科し、処分が軽過ぎると強い批判を受けた。

ライスはロジャー・グデル・コミッショナーとの面会に、ジャネー夫人を同伴。夫人の訴えに心を動かされ、出場停止処分を2試合に留めたと伝えられている。

NFLはライスの処分発表から1ヵ月後に、家庭内暴力に対する処分厳格化を発表。

初犯の場合、最低限6試合、2回目では無期限の出場停止処分が科されることになるが、ライスに対する処分は2試合のままだった。

TMZ Releases Elevator Video of Ray Rice Punching Janay Palmer
tinyurl.com/m3bharw

NFLはゴシップサイトのTMZがライスが夫人を殴った映像を公開すると「この映像を見たのはこれが初めて」と主張、それを元にこれまで2試合だった出場停止処分を無期限の出場停止処分へと引き上げたんですね。

ライスは今回が初犯ながら、いきなり無期限の出場停止処分が適用されたことにもなります。

さらに9月10日になって、今年4月にはNFLがこの映像を入手していたとの報道も出てきた・・・

スポーツジャーナリストの生島淳氏は以下のように伝えています。

NFLが追放処分 婚約者殴打でチーム解雇のライス
2014/09/16

スポーツジャーナリスト 生島淳・・映像に対するNFL側の反応は素早かった。

まず、ライスがプレーしていたボルティモア・レイブンズは即座に解雇を発表。加えて統括団体であるNFLはリーグからの追放を決めた。これに対してライスは法的措置を取る見込みだ。

この処分に至った経緯について、NFL広報のブライアン・マッカーシー氏は電子メールで、こうコメントしている。

「われわれは法執行当局にこの事件に関するエレベーター内の映像を含む全ての情報を求めていたが、このビデオをわれわれは入手することができず、今日まで誰も見ていなかった」

これまでの調査が完全なものではなかったことを認めつつ、今回の事態を重視して判断を下したことをうかがわせた。

アメリカでは、スポーツ選手には好むと好まざるとにかかわらず、社会の規範となるよう「ロールモデル」になることが求められる。

その意味で、21世紀のプロ統括団体の大きな「宿題」には、次のようなものが挙げられる。

1、ドメスティック・バイオレンス(DV)など暴力行為の追放

2、選手の賭博行為に対する監視

3、禁止薬物に対する断固たる態度、処置

行政組織と同じで、リーグ側には「ガバナンス」の能力が問われる時代になった。

プロバスケットボールのNBAではコミッショナーが交代、初夏には人種差別発言をしたロサンゼルス・クリッパーズのオーナーに対して厳しい態度で臨み、高い評価を得た。

そしてメジャーリーグも次のコミッショナーが発表され、どんな方針を打ち出してくるのかが楽しみでもある。

NFLのロジャー・グッデル・コミッショナーはこれまで財政的に豊かな組織を作り、繁栄に導いてきたが、レイ・ライスの騒動によるダメージコントロールを、どのような形で行うのか、その手腕に注目が集まる。

アメリカのテレビではライス選手のユニホームを返品交換を希望するファンの行列を写すとともに、コミッショナーの映像公開後の初めての記者会見では謝罪を連発するだけで中身はなかったと酷評していました。

コミッショナー、ライス問題で非を認めるも詳細明かさず
2014年9月19日

コミッショナー、ライス問題で非を認めるも詳細明かさず

今月8日に元レイブンズのRBレイ・ライスが当時婚約者のジャネー夫人を殴る映像が公開され、ライスに無期限の出場停止処分を科して以来初めて、ロジャー・グデル・コミッショナーが記者会見の場に立った。

「私は様々な過ちを犯した」「個人行動規定を改正する」「オフリミットはなし」

といった言葉が繰り返されるも、具体的にどこで何を誤ったのか、規定をどう改正するのかについての説明はなかった。

予め用意されたスピーチを読み終えた後、質疑応答が始まると、更に明確な答えは得られなくなった。

コミッショナーはCBSニュースとのインタビューで、

「ライスの説明には曖昧な部分があった」

と説明していたが、

「実際映像を目にして、ライスの説明とはどの部分が矛盾していたのか?」

と問われると明答せず。

あれこれと喋りはしたが、質問に対する答えにはなっていなかった。

問題はどうしたって発生します。

その問題が発生したときの初動ですよね。

その初動にこそもっとも組織の理念や発想や考えが凝縮されます。

今回の件でいえば、

レイブンズは事件が発覚した当初からライスを支持。

加重暴行罪に問われたが、更正プログラムを終了すれば、刑期を回避し、有罪歴も残らずにすむと決まると、NFLは2試合の出場停止処分を科し、処分が軽過ぎると強い批判を受けた。

ライスはロジャー・グデル・コミッショナーとの面会に、ジャネー夫人を同伴。夫人の訴えに心を動かされ、出場停止処分を2試合に留めたと伝えられている。

このあたりの初動に問題点が指摘されそうです。

ロジャー・グッデル・コミッショナーは8月にこう言っていました。

「我々のポリシーははっきりしている。NFLではドメスティック・バイオレンスを容認せず、断固たる姿勢で問題に取り組んでいる。その信念のもとで処分が下される」


「我々はその問題に対して評価し、きちんとしたプロセスを経て、どういう処分が妥当であるか決定している。我々が手に入れられる証拠を総合的に見て判断している」

この判断はいかなるスター選手でも無名選手でも同じでなければなりません。

しかし、そこにチームの大きな財産であるスタープレーヤーが絡んできたときに初動や判断に誤りが入り込むすきができる。

先に紹介したスポーツジャーナリストの生島淳氏は、

行政組織と同じで、リーグ側には「ガバナンス」の能力が問われる時代になった。

と書いていましたが、世の中のすべての組織に「ガバナンス」が求めらる時代になりました。

監視カメラがあちらこちらに設置され、情報の拡散がネットで世界中に瞬時に広まる現代は「ガバナンス」の概念をなしに組織は存続しえません。

もはや当事者の妻になったその人が訴えたとしても、映像が公開され、その行状を目にしたときには世間は許さない。

ある種の公人足りうるコミッショナーも政治家も経営者も、情状酌量の余地があっても初動の判断は厳格に求められる。

逆に言えば、初動における厳格な判断によって、その厳しさからファンや消費者から「そこまでやらなくてもいいんじゃないか」「当事者もこう言っていることだし・・」というような流れになっていかないと収まらないと思いますね。

櫻井氏が定義するコーポレート・レピュテーションとは、

経営者および従業員による過去の行為の結果、および現在と将来の予測情報をもとに、企業を取り巻くさまざまなステークホルダーから導かれる持続可能な(sustainable)競争優位

がまさに当てはまる今回の事例です。

稀有なスター選手を失ったとしても、初動は厳しく理念通り厳格に。

改めて思い知らされた事例でした。

皆さんはいかがお考えですか?

皆さんからの率直なご意見をお待ちしております。

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