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お知らせ

時事ネタ探究 その3 「中国崩壊前夜」後編

前回に続き時事ネタ探究として「中国」を集中的に取り上げるメルマガ、後篇です。

なんでこのメルマガで「中国」を取り上げているのとお思いかもしれませんが、ここではできるだけタイムリーな話題やネタを提供したいと思う私として、ここ最近のニュースによってまさに「中国」の問題は今が旬と考えています。

ここで取り上げている問題がタイムリーなその理由1

中国共産党が十字架を撤去 2014/09/27

中国浙江省で、政府の管理下に置かれたキリスト教会の十字架を、当局が撤去しているという。その数は300件を超えるとも言われ、抵抗する信徒と警察の間に衝突も起きている。

当局側は「十字架が道路に落ちたら危険だ」と説明しているという。

しかし、多くの教会関係者は、昨年、浙江省のトップが視察した際に十字架が目立ったため、目障りだとして撤去を命じたと考えている。

10月8日にはTBSの「NEWS23」が警察と信者との衝突の様子を伝えていました。アメリカのニュースではこれに関する中国の広報報道官の

「安心してください。中国では信教の自由が認められています。」

という笑顔のコメントを流していました。

この問題は今回ここでも取り上げる、中央政府と各省との対立、もしくは中央政府の統制が地方には届いていない事例の1つとして挙げられるでしょう。

「中国」問題がタイムリーなその理由2

北朝鮮の黄炳瑞朝鮮人民軍総政治局長ら金正恩体制を支える中核人物の3人が韓国を電撃訪問

この電撃訪問が意味するものは?

前回取り上げた問題のうちの1つ、人民解放軍の七つの軍区の中でも最も「反中央」の姿勢を打ち出していた瀋陽軍区と北朝鮮の関係悪化、北朝鮮はかなり困った状態になっているのではないか。

それについて前号を参照ください。

時事ネタ探究 その2 「中国崩壊前夜」前編

時事ネタ探究 その2 「中国崩壊前夜」前編

「中国」問題がタイムリーなその理由3

北朝鮮、中国に祝電送らず? 国交65周年にぎくしゃく
2014年10月7日 朝日新聞

ラヂオプレス(RP)によると、6日の中国と北朝鮮の国交樹立65周年をめぐって、北朝鮮の公式メディアは7日夜の時点で、北朝鮮指導部が中国側に祝電を送ったことを報じていない。

祝電送付は当日までに公表されるのが通例で、最近の中朝関係の冷え込みが反映しているとの見方が出ている。

中朝首脳は5年ごとの節目に祝電を交換することが慣例になっており、RPが確認できた限りでは1989年の40周年以降、2009年の60周年まで5年ごとに北朝鮮が中国側に祝電を送っている。

節目の年の国交樹立記念日には北朝鮮で各種の展示会などの催しが開かれるが、今年はこうした行事の開催も報じられていないという。

中国は昨年2月の北朝鮮の核実験や、中国とのパイプ役だった張成沢氏が昨年12月に粛清されたことに不快感を示しており、かつて「血盟」と言われた関係がぎくしゃくしている。(ソウル=貝瀬秋彦)

結構タイムリーな話題でしょう。

さて、では今回のメルマガ、参りましょう。

中国の習近平国家主席は先月9月、インドを訪問、中国が5年で200億ドルを投資すると発表しました。

中印首脳会談に先立って同月行われた日本とインドの首脳会談では、日本がインドに今後5年間で350億ドルを投融資するとの目標が共同声明に明記され、日中のインドに対する姿勢があれこれ報道されていました。

中国国家主席が17日からインド訪問、高速鉄道で日本と競争激化へ
2014年09月16日 ロイター

中国の習近平国家主席は17日からインドを訪問し、同国の鉄道網整備に巨額の資金を投じると表明する見通しだ。インドの新たな鉄道網整備に中国が参加する道を開く協定に、両国が署名する見通し。

・・・独立以降の67年間にインドが国内の鉄道網を1万1000キロ拡張したのに対し、中国は2011年までのわずか5年間で国内鉄道網を1万4000キロ拡張。

日本よりもコストが安いことを武器にインドで攻勢を強める考えだ。

中国のここ最近の鉄道網の整備はものすごい勢いです。

現在、都市軌道交通の営業キロが世界で最も長い都市は英国・ロンドンで、総延長は408キロ、2位はニューヨークの370キロ、3位は東京の304キロ。

上海の軌道交通の営業キロ数は2011年内には345キロに達し、軌道交通の発達した各都市を追い抜いて、世界3位、アジア1位に躍進することが予想されるくらいの勢いです。日中の新幹線輸出競争はこれから激化しそうです。

ただインドと中国はカシミール地方など両国が領有権を争う領土問題を抱え、その地域に中国人民解放軍の越境行為が続いていることに今回の首脳会談ではインドが懸念を表明するなどし、インドは中国に強い姿勢を示しました。

まさに今回の中印首脳会談のため習近平国家主席がインド入りした9月17日に約1000人の中国軍部隊がインド側に越境したとの報道もあり、海外のメディアではそれらに関する映像も流されていました。

前回のメルマガで「中国共産党と人民解放軍の関係」として長谷川慶太郎氏が指摘する点、

「中国崩壊前夜: 北朝鮮は韓国に統合される」
tinyurl.com/me8f89e

中国では、長らく北京の共産党政府と人民解放軍との間で、熾烈な権力抗争がくり広げられてきた。そして、人民解放軍の七つの軍区の中でも最も「反中央」の姿勢を打ち出していたのが瀋陽軍区だった。

これまで北朝鮮が行ってきた核開発やミサイル実験なども、すべてこの瀋陽軍区が命じて実行させてきたものだ。中央政府が国際協調路線を望み六か国協議を進めようとしても、瀋陽軍区がこれを許さない。

北朝鮮が六か国協議に参加し対話路線に舵を切ったかに思えた矢先に、ミサイル実験を行うといった矛盾した行動をとってきた背景には、このような歪んだ構造があったからである。

を挙げました。

10月3日発行のメルマガ『石平のチャイナウォッチ』にその点についての指摘が出ていました。「中国共産党と人民解放軍の関係」を知るにはとても大切な指摘です。

誰よりも中国を知る男が、日本人のために伝える中国人考
石平(せきへい)のチャイナウォッチ
www.seki-hei.com

目に余る中国軍の「外交権干犯」 習主席の権威をないがしろにする発言も

先月17日から19日、中国の習近平国家主席はインドを訪問した。国際社会でも注目される訪問だったが、中国国内ではなおさら、異様な興奮ぶりで盛り上がっていた。

訪問開始の翌日に人民日報は1面から3面までを関連記事で埋め尽くし、訪問後、政府は国内の専門家やマスコミを総動員して「偉大なる外交的成功」を絶賛するキャンペーンを展開した。

中国政府と習主席自身にとって、それが大変重要な外交イベントであったことがよく分かる。

しかし、この内外注目の外交舞台に立った習主席に冷や水を浴びせたような不穏な動きが中国国内で起きた。

フランスのAFP通信が9月18日に配信した記事によると、習主席がインド入りした当日の17日、中国との国境に接するインド北西部ラダック地方で、約1千人の中国軍部隊が突如インド側に越境してきて、それから数日間、中国軍とインド軍とのにらみ合いが続いたという。

中国軍の行動は当然、インド側の怒りと強い不信感を買った。

18日に行われた習主席との共同記者会見で、インドのモディ首相が厳しい表情で「国境地域で起きていることに懸念を表明する」とメモを読み上げたとき、習氏の表情はいきなり硬くなった。

それは、習主席のインド訪問が危うく壊される寸前の際どい場面であったが、中国軍がこの「重要訪問」をぶち壊そうとするような行動に出たのは一体なぜなのか。

実は同じ9月の19日、中国軍高官の口から、習主席と中央指導部の権威をないがしろにするような発言が別の場所でなされた。

アメリカ海軍大学校で開催中の国際シンポジウムに参加した中国海軍司令官の呉勝利司令官が香港フェニックステレビのインタビューに応じ、米中関係のあり方について

「米中間では原則面での意見の相違があり、その解消はまず不可能だ」

と語った。

それは明らかに、習主席や中央指導部の示す対米関係の認識とは大きく異なっている。

習主席や中国政府も米中間の「意見の相違」を認めてはいるが、これに関する指導部の発言はむしろ「努力して相違の解消に努めよう」とのニュアンスに重点を置くものだ。

「相違の解消は不可能だ」という突き放したような断言が中国側高官の口から出たのは呉氏が初めてである。

しかしそれはどう考えても、外交方針を定める中央指導部の権限に対する軍人の「干犯」以外の何ものでもない。

米中関係がどういう性格のものか、中国がアメリカとどう付き合うべきか、中央指導部によってではなく、呉氏という一軍人が勝手に決めようとしたのである。

呉氏はインタビューの中でさらに「一部の人々は(米中間の)意見の相違は双方の努力によって縮小することができる、あるいは解消することができると考えているようだが、それは甘すぎる」と発言した。

それは読みようによっては、習主席自身に対するあからさまな批判ともなるのである。



このようにして、今の中国では、中央指導部の外交権や政策の遂行に対する軍人たちの干犯や妨害がますます増幅しているように見えるし、名目上の最高指導者である習主席の「権威」は彼らの眼目にはなきもの同然のようだ。

あるいは、習主席という「みこし」を担いで軍人が専権するような時代が知らずしらずのうちに始まっているのではないか、という可能性も考えられるのである。( 石 平 )

長谷川氏は著書で現在問題になっている中国国内のシャドーバンキング問題の解決の過程で人民解放軍が中央政府に屈したと述べておられます。

中国のあちこちでこうした中国共産党と人民解放軍のさや当てがあり、勝ったり負けたりしながら最終的に決着がついていくことになるのでしょうか。

今回も前回のメルマガの続き、時事ネタ探究「中国崩壊前夜」をお届けします。カントリーリスクという面からもぜひお読みいただきたいと思います。

 ★ 時事ネタ探究 その3 「中国崩壊前夜」後編

前回から時事ネタ探究として中国を扱い、その題材として長谷川慶太郎氏の「中国崩壊前夜: 北朝鮮は韓国に統合される」を紹介してきました。

今回はその後編ということで新聞で中国の国内経済を扱ったニュースを見てもピンとくるように最も大事なシャドーバンキング問題を紹介していきましょう。

この問題は組織の目標設定などを決めてその目標を達成していく際の手法として考えても御社の役に経つと思われます。

前回の復習として、中国はいまや

「中国崩壊前夜: 北朝鮮は韓国に統合される」
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・・・ひとたびバブル崩壊が進行すれば、それは単に経済問題では済まなくなる。必ずや政治問題へと転化し、社会が大混乱に陥るのは目に見えてているのだ。

「改革開放路線」をとってからの中国は、高成長を保証するのが共産党政権の責務となってしまった感がある。高成長で経済的な豊かさを与えることが、一党独裁体制の正当性を納得させる唯一の政策と言っても過言ではない。

その政策が破綻することは、結果的には、経済的混乱、各地での暴動、内乱等を経て、一気に政府批判、党の否定、体制崩壊ヘと結びつく。習近平政権はその不安に戦々恐々としているのが実情であろう。

今後、経済の舵取りをすこしでも誤れば、この体制崩壊のプロセスはいつ発現してもおかしくない。

そして、中国の体制崩壊が現実となれば、その影響は中国一国にとどまるものではなく、日本を含めた東アジア全般に波及することは避けられない。

国際秩序の変動が生じるような大激変がもたらされることになる。

ということでした。

中国共産党は高度経済成長による経済的な豊かさの保証という危うい綱の上を渡りながら、独立気質が強く中央政府の言うことなんか聞かない人民解放軍を手なづけつつ、不満が高ぶる民族問題を強引に押さえながら、曲芸を行っているとも。

しかし、そのうまくいってた曲芸も「なまもの」の経済という化物を相手には思い通りにはいかず・・・

ただなんとかしてコントロールしていきたい、経済もできるだけソフトランディングをさせたいという強烈な意志は中国共産党にはある。

その強烈な意志とは?

「中国崩壊前夜: 北朝鮮は韓国に統合される」
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現在の中国経済において、中国国内に限らず世界から注目されているのが「シャドーバンキング問題」である。

「シャドーバンキング」というのは、銀行法規に従わない、銀行法規とは関係なく設立された一種の「闇金融」である。中国ではこれが膨れ上がり、序章で述べたように、その規模は、日本円で350兆円規模にまで拡大しているのだ。

ちなみに日本のバブル崩壊で生じた不良債権は約100兆円でしたので、中国のその規模がいかに大きいものかわかるでしょう。

日本でさえその処理に時間がかかり、失われた10年とか20年とか言われました。

その3.5倍規模の闇金融市場。この闇金融市場はもう少し大きいという見方もあるようです。

中国版シャドーバンキングの規模は31兆元
diamond.jp/articles/-/49719

銀行の理財商品は、2010年末に3兆元だったものが2013年6月末において9兆元まで急拡大している。

その他のものも含めて、中国版シャドーバンキングの規模を合計すると、2010年末に11兆元だったものが、2013年6月末では31兆元(496兆円)と約3倍に拡大し、対GDP比では6割になっている。

この数字は、JPモルガンの推計であるGDPの7割よりは少なめだが、上海証券研究所、IMF(国際通貨基金)のGDPの5?6割とかなり似通っている。

この数字の大きさ、それが弾けたときのインパクトは皆さんも想像できるでしょう。

問題は、このいわば闇金融に中国共産党と強く対立する人民解放軍の幹部が深くかかわっていることから問題はさらにややこしくなります。

長谷川氏は言います。

「中国崩壊前夜: 北朝鮮は韓国に統合される」
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解放軍の幹部は、毎年一月一日に、自らが指揮している部隊全員の一年分の食費などすべての経費を「軍事費」という名目で支給されることになっている。

したがって、毎年一月になると、軍隊の金庫にはカネがあふれ返っている状態になる。軍幹部らは、すぐ必要でない「軍事費」を転用してひと儲けしてやろうということで、「シャドーバンキング」に手を染めてしまっているのだ。

彼らが最初に始めたのは、質草をとって金を貸す、いわゆる「質屋」である。解放軍幹部の営んでいる「質屋」は中国全土至るところに存在している。ここは質草となる商品を持ち込みさえすれば、即座に金を貸してくれるのである。

例えば、大型のベンツを持ち込めば、即座に100万元を借りることができるという。ただし質草のベンツは、解放軍の兵営の営庭に置いておかねばならない。

したがって、元利ともども耳をそろえて返済しないと、この質草を返してもらうことはできない。このような厳しい制約があるとしても、とにかくいつでもカネを貸してくれるシステムが「シャドーバンキング」によって生み出されたのだ。

そして、この「シャドーバンキング」、つまりは正規のものではない金融業は、貸出金利が時に年20%という高利にもかかわらず、中国においては急速な発展を遂げることとなったのである。

中国の金融についてはあまり知られていないが、中国の、いわゆる金融業務を行う主体には2種類あり、一つは、中央銀行である人民銀行と取引関係を持ち、人民銀行から短期資金の供給を受けることができる正規の銀行である。

正規の銀行の場合、どこの国も同様であるが、免許制で国や自治体など行政からの厳しいチェック体制の下に置かれることになる。

もう一つが、行政の厳しいチェック下に置かれていない主体が行う金融で、具体的には、貸金業務だけではなく、先に紹介した質屋のほかに、信託会社、投資ファンドなどが存在している。これが、いわゆる「シャドーバンキング」である。

正規の銀行は、基本的には国有企業を優遇し、民間企業、とりわけ中小企業などは相手にしない。

したがって、中国の民間企業が急速に事業を拡大させ、それに必要な資金を調達できたのは、この「シャドーバンキング」のお陰と言っても過言ではない面もある。いついかなる時にも、即座に現金を貸してくれるというのが「シャドーバンキング」である。

この金融システムを利用することによって中国の民間企業は、事業機会を逃さず、驚くほど急速な成長を実現することに成功したのである。

しかしながら、このような正規でない金融によって、経済成長を支え続けてきたという歪んだシステムが、一転、多くの弊害を生むこととなった。

マクロの面での弊害が、企業の過剰生産と地方政府の債務急増を生んでしまったことである。中国では、いま過剰生産の問題が深刻となっている。

本来であれば、競争によって淘汰されるはずの企業が、シャドーバンキングの資金で救済される格好となり、結果、供給力過剰の状態が是正されないという事態に至っている。

鉄鋼が典型と言えるが、過剰生産が是正されない中国では、建設用鋼材などの値崩れが止まらない。倒産しない限りは生産を続けるのは、経営者としては当然である。

問題の根源は、潰れるべきはずの企業をいたずらに延命させている「金融」なのである。

この中国の過剰生産の問題は、中国一国の問題にとどまらず、各国の産業にも影響を及ぼしている。中国から余った製品が海外へとダンピングされるからである。

さらには、シャドーバンキングによる弊害は、地方政府の債務急増という結果ももたらしている。

これは、中央から高い成長目標を押しつけられた地方政府が、いたずらに採算の取れない公共工事や不動産開発などに資金を投じた結果である。

中央政府は数字だけを与えておいて、資金面では何ら手当をすることはなかった。そこで、シャドーバンキングが使われることになったのである。

なぜ地方政府は、採算の取れない工事や不動産開発を止めることができなかったのか。

それは、中央から与えられた数字を達成することで、地方の責任者は自分の「出世」「昇進」につながるからである。

自分がいる時代さえ良ければ、後はどうなっても構わないという無責任体質が、債務の拡大を生んでしまったのである。

シャドーバンキングの仕組みを図で簡単に示してくれているのが以下のサイトです。

シャドーバンキングの仕組み
shadowbank.nobisiro.com/page/sikumi.html

こうしたシャドーバンキングが利用されて不動産市場はバブルとなった。

しかし、長谷川氏が主張するように中央から高い成長目標を押しつけられた地方政府が採算度外視で自分の「出世」「昇進」につながると無責任に債務を拡大した結果・・・

需要と供給のバランスが取れず誰も住んでいないマンションが増加、「鬼城」といわれる呼ばれる巨大ゴーストタウンができてしまう。

中国の投資バブルで「ゴーストタウン」が中国全土に出現
matome.naver.jp/odai/2138185016961135901

国バブルに曲がり角 地方で「鬼城」続出、欧米金融機関”中国離れ”
2013.07.13
www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130713/frn1307131007000-n1.htm

橘玲の世界投資見聞録
diamond.jp/articles/-/58997?page=2

石炭の売上だけで毎年3兆円も収入が入ってくるようになって、オルドス市政府は大規模な不動産開発に着手する。


オルドス市は当初、石炭バブルによる人口の急増を理由に100万人が住む新市街を計画した。しかし実際には見栄えのいい上物ができただけで、生活に必須のスーパーマーケットやショッピングセンターなどはなく、市政府の役人の多くは毎日、約30キロ離れた旧市街から車で通っている。

だったら地道に生活インフラを整えていけばよかったのだが、そこが面子を重んじる中国型社会主義の限界で、市政府は当初の計画を修正できずに大規模な高層アパートを建設しつづけた。

その結果、新市街の住民は3万人程度(建設労働者などを除けば実数はその半分ともいう)しかいないのに、100万人分の住宅ができてしまった。これでは大半が空き家になるのも当然だ。

これが一党独裁の共産主義の体制でありながら市場経済を変則的に導入する「改革開放路線」の結末か。その矛盾は今や火山の噴火のごとく胎動している。

長谷川氏の話を続けます。

「中国崩壊前夜: 北朝鮮は韓国に統合される」
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最近では、銀行や信託会社の販売する「理財商品」を通じて、シャドーバンキングが大量の資金供給源となっていることが重大な弊害としてクローズアップされている。

「理財商品」というのは、中国全土で広く販売されている金融商品であるが、これが中国全土において富裕層だけではなく、一般の市民たちにも広く買われているのだ。

したがって、ひとたび信用不安が起これば、至る所で社会的混乱が生じる恐れがある。

なぜ、一般の市民にまで「理財商品」が買われたのだろうか。

中国の銀行業務では、金利の規制があって、中央銀行の指示に従って貸出金利も預金金利も必ず上と下が決められている。したがって、市民からすれば、預金金利はどの銀行に預けてもほとんど同じで魅力がない。

日本でも貯金に魅力がなければ、数々の金融商品に流れていくのは同じ。なかには高い金利に騙されてしまう人も出てくる。

「中国崩壊前夜: 北朝鮮は韓国に統合される」
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一方、こうした規制を受けないシャドーバンキングでは、高い利息を約束した金融商品を販売することができる。

正規の銀行において、定期預金の金利は3%程度であるが、これに満足できない市民には、シャドーバンキングが販売する5~10%も金利が付く金融商品のほうが魅力的に見えても仕方がない。

その結果、シャドーバンキングは理財商品を販売することで、市民からお金を集め、それを企業への貸出やもっとリスクのある投資を行うことで利益を上げるようになってきたのである。

ところが、2013年6月、このシャドーバンキングに対して、警鐘を鳴らすような出来事が生じた。

上海の金融市場において、銀行間で短期資金を貸し借りする際の基準となる「上海銀行間貸借レート」が急上昇する事態となったのだ。

具体的には、6月25日、それまで5%台だったこの金利が、翌26日には一挙に13.4%にまで跳ね上がったのである。短期金利が上昇すると、一番怖いのがシャドーバンキングによって売り出されている「理財商品」への影響である。

シャドーバンキングが必要なときに資金が調達できずに、「理財商品」という一種の闇金融商品の償還が一時的に困難になりうるという事態が起こってしまうからである。

この時は結果的に人民銀行が資金を供給することで金利が戻り、事なきを得た。

しかし、こうした動きを受けていよいよ中国共産党もこの問題を放置しておけなくなった。中国の金融市場への不安が拡大するからです。

ここから中国共産とはこのシャドーバンキングを選り分けて選別する作業に入り、「良いシャドーバンキング」は公的な銀行法規に従って営業する「正規の銀行」へ改組。

一方「悪いシャドーバンキング」は取り潰す方針だとか。

3万社あると言われるシャドーバンキング。

「中国崩壊前夜: 北朝鮮は韓国に統合される」
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中央政府の言うこと、具体的には習近平ら執行部の言うことに無条件に服従し、それを忠実に実行すると誓うことのできた「シャドーバンキング」はそれこそ「シャドー」から免除されて、公式の銀行の経営陣として登場することが可能になる。

その数は3000社にのぼると見られている。

習近平が打ち出したこの方針は、解放軍の幹部へのすさまじいに力となったことは言うまでもない。

これまで腐敗した幹部はいるにしても、その腐敗堕落を糾弾してきた共産党の中央の路線に対して、公然と反抗してきた解放軍幹部たちの振る舞いに強いブレーキをかけることとなった。

このブレーキの力によって解放軍幹部は次々に習近平政権に忠実に服従する路線を選択せざるを得なくなったし、また、現に服従しつつある。

とした上で、前回紹介した「北朝鮮の張成沢の粛清はその端的な現れであり、瀋陽軍区が習近平政権へ屈服したことを象徴する出来事なのである」と長谷川氏は指摘しています。

もはや中国共産党はバブル崩壊を止められないという意見もあるようです。

「中国バブル崩壊」はいつ起きるのか
中村 繁夫 :アドバンストマテリアルジャパン代表取締役社長
toyokeizai.net/articles/-/44810

今年の3月7日、銅の価格が一気に10%も下落、世界の取引関係者を震撼させたのはまだ記憶に新しい。すなわち、世界の中心であるLME(ロンドン金属取引所)で、銅価格が1トン7200ドルのレベルから10%も暴落した事件だ。

ここから、「中国のバブル崩壊がついに始まった」という不安が、世界の一部に広がった。

経緯は「上海超日太陽能科技」という企業が、中国初のデフォルト(債務不履行)を起こしたことだ。これで一部の市場関係者は「中国のバブルが弾ける」とパニックになり、LME市場が反応したのだ。

中国当局がどう動くかが大きな注目を集めたが、3月13日の全国人民代表大会(全人代、日本の国会に相当)閉幕後、李克強首相はこの事件に関連して

「今後は国家として破産企業を救済しない」

とも取れるコメントを残した。

要は、当局がこのときの「銅の暴落」を容認することで、市場は中国経済が岐路に立っていることを認識して、市場に織り込み始めたとみるべきだ。

つまり、いくら「一党独裁の強大な国家権力でも、バブルの崩壊を止めることはできない」とのサインを、世界が認識したのだ。

果たしてどうなるのか。

もう1つ、中国のバブルをけん引した要因として中国の人民元とドルを連動させることで引っ張ってきたが、それも限界に来たという報道もありました。

この記事については掲載されている図を見ていただくと一層理解が深まると思います。

中国人の「銀座の宴」は今がピーク ドル連動の人民元増に限界
ZAKZAK 2014.10.03
www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20141003/ecn1410030830005-n1.htm

グラフは「リーマン・ショック」が勃発した2008年9月以降の、米国と中国の中央銀行による通貨の発行量(マネタリーベース、人民元はドル換算値)増加額の推移を追っている。

米連邦準備制度理事会(FRB)は3次にわたる量的緩和によって現在までにドル発行残高を4・5倍増やしたが、中国人民銀行はそのドルの増加規模にほぼ、ぴったりと合わせて人民元を増発してきた。


中国に流入するドルなど外貨をことごとく人民銀行が買い上げて、人民元を発行する。このシステムのもとでは、ドルが大量発行される限り、人民元をふんだんに発行しても、人民元の通貨価値を高めに維持することが可能である。

大量に増発される人民元は人民銀行から国有商業銀行などの金融機関に供給され、それが原資となって不動産開発投資が盛んになり、リーマン後の投資主導型高度成長を実現した。

不動産投資で資産を運用する中間層以上の階層が豊かになり、党幹部など特権層は権力をテコに巨額の不正利得をかせいできた。

こうしたことを背景にバブルで発生した成金が

10月1日は中国恒例の国慶節で、週末まで仕事は休み、一部は東京・銀座に来る。デパートのルイ・ヴィトン売り場にはブランドものを着た中年の男たちが出たり入ったり。

今の日本人には絶えて久しい、ギラギラした精力を発散している。もちろん、中国からのお客さんだ。


何しろ、人民元は円に対して昨年初め以来、二十数%高くなったし、しかも、モノを買っても消費税率8%は免税。おまけに中国の高利回り信託商品に預けていると年10%前後の金利が入る。
増税と実質収入の目減りにげんなりしているわれわれと違って、かれらにとって「日本はとにかく安い」のだ。

として10月初旬にも大挙して日本に押し寄せ、「銀座の宴」を満喫したようです。

しかし、です。これまでアメリカが行ってきた量的緩和により一貫して増えてきたドル発行残高もここまでという予測もあります。

ZAKZAK 2014.10.03
www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20141003/ecn1410030830005-n1.htm

米国の量的緩和政策はこの10月中に終了し、ドルの供給は今後増えなくなる。

ドルと無関係に人民元を増発すれば、中国が高インフレに見舞われる恐れも生じる。

銀座での中国人客の宴は今がピークだろう。(産経新聞特別記者・田村秀男)

こうしたことも含めてどうなっていくのか。決して日本は無関係というわけにはいかないでしょう。

「中国共産党と人民解放軍の力関係」「アメリカの量的緩和の終了」「中国のバブル崩壊」「シャドーバンキング問題」を踏まえて香港のデモや今後の中国の新聞記事を読んで考えておくと、今後生じるかもしれない国際秩序の変動などの大激変にもいくばくかの対処が可能ではないかと思います。

交通事故で相手が来るぞ!と思ってぶつかるのと来るとは思わずにぶつけられたときの違いを思い出したらいいでしょう。

人も組織も準備なく叩かれると思ったより重い事態や状況を迎えやすい。そのためには1にも2にも準備です。

広島の土石流も御嶽山の噴火でも「まさか」から起こった災害ゆえにその被害は甚大なものになりました。今回のいずれの自然災害も準備のしようもなかったわけで被害に遭われた方の心よりのご冥福をお祈り申し上げます。

しかし、組織は世の中のあらゆる情勢を我が事として考え対処する準備が求められている。「まさか」や「想定外」は許されず経営層は責任を追及される。

そうしたことから今回も、時事ネタ探求として前回と今回でもしかしたらあまり関係がないかもしれないお隣の大国中国について取り上げてみました。

興味がわいた方は長谷川慶太郎氏の「中国崩壊前夜: 北朝鮮は韓国に統合される」、ぜひご一読ください。
tinyurl.com/me8f89e

皆さんからの率直なご意見をお待ちしております。

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