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お知らせ

コーポレートイメージを考える/コーポレート・レピュテーション その36

「水10ドラマ」対決というニュースを見ました。

沢尻ドラマは綾瀬に惨敗
www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/154368

「水10対決」とは水曜日午後10時の沢尻エリカ主演「ファーストクラス」と綾瀬はるか主演「きょうは会社休みます。」のゴールデン帯におけるガチンコ対決だとか。

視聴率では沢尻ドラマは綾瀬ドラマに完敗だそうで、

沢尻ドラマ
初回平均視聴率8.8%→8.3%→5.8%→第4話7.1%。

綾瀬ドラマ
初回平均視聴率14.3%→17.0%→17.1%→第4話17.3%

その差を分析した記事も読みました。

「綾瀬はるか、沢尻エリカに圧勝」の理由を分析
news.livedoor.com/article/detail/9446434/

ただ、ドラマ自体を見ていないのでわかったようなわからないような感じがしています。

ともあれ、フィギュアスケートの浅田選手と金妍児選手の対決が話題を集めたように、分かり易い戦いには注目が集まると言われているように、この2つのドラマの決着も、当面は話題に上りそうですね。

今回の解散総選挙も、郵政民営化の是非を問うた時のような分かり易い対決があれば、投票率も上がるというものでしょうが、はたして・・・。

コーポレート・レピュテーション その36

櫻井通晴著『レピュテーション・マネジメント内部統制・管理会計・監査による評判管理』を紹介しています。

今回は第3章「レピュテーション・マネジメントによる競争優位の確保」から。

著者の櫻井氏は言います。

現時点ではっきりしていることは、 学界では、レピュテーション・マネジメントについては2つのアプローチがあるということである。

1つは・・・レピュテーション・マネジメントが科学ではなくアート(art) だとしてレピュテーション・マネジメントを構築するアプローチである。

いま1つは・・・レピュテーション・マネジメントがコーポレート・レピュテーションを理解、評価、管理、測定するためのツールだとする立場である。

著者は後者のアプローチを取って本書を執筆していることはいうまでもありません。

また、レピュテーション・マネジメントへのアプローチもさまざまですが、その効果についても

現時点において、レピュテーション・マネジメントの内容もその予測できる効果も、論者によって意見が異なり、明確ではない。

としつつ、レピュテーション・マネジメントの9つの効果について解説しています。

ラーキン[Larkin] は、それが効果的に行なわれるならば、レピュテーション・マネジメントからは次の9つの効果が得られるという。

1)企業とそのステークホルダーおよび顧客との間の緊張をほぐす
2)競争と市場開拓の障壁を減少させる
3)投資と資本提供がしやすい環境を創り出す
4)最もすぐれた従業員、サプライヤー、パートナーを誘引する
5)製品とサービスのプレミアム価格を確保する
6)株価と市場の脆弱性を減少させる
7)増加する規制または訴訟の脅威を最小化する
8)危険の潜在性を減少させる
9)ステークホルダーとの信頼関係を確立する

漠然とでもいいですが評判のいい会社を思い浮かべると上記9つの効果について「そうだなあ・・」と感じられることでしょう。

ただこの評判、コーポレート・レピュテーションはコーポレート・イメージとはまた違うと著者は言います。

1990年代以降の大きな特色は・・・経営者がコーポレート・イメージよりも、コーポレート・レピュテーションに大きな関心をもつようになったことであるという。理由は簡単である。

コーポレート・イメージを企業がマネジメントすることは限定的でしかないからである。

コーポレート・レピュテーションにはコーポレート・イメージとは違う次の2つの明確な特徴が見られる。

1、時間をかけて形成される

2、組織体が過去に何を行ない、どんな行為を行なったかを基礎にしている



しかし、この2つの特徴に加えて、コーポレート・イメージよりもコーポレート・レピュテーションの方が、相対的に、

3、経営者と従業員による過去、現在および将来の行動の測定・伝達と管理に結びつきやすい、

4、企業の業績ないしパフォーマンスとの結びつきが強いため、 コーポレート・レピュテーションの向上による企業価値への影響が測定しやすい

といった特徴をもっている。

以上から、マーケティングの領城ではコーポレート・イメージの研究が重要性をもってきたとしても、著者の専門である管理会計の立場からは、困難はあるにしても測定と管理が可能なレピュテーション・マネジメントの方がより重要性をもつと考えるのである。

コーポレート・レピュテーションの測定と管理が難しい。その対象も領域もあいまいで人によって見解が異なる。

ゆえに、レピュテーション・マネジメントの効果は、いかなる方法でレビュテーション・マネジメントが行なわれるかにかかっているといえます。

著者の立場から言えば、

レピュテーションをマネジメントするには、測定できなければならない。

「測定対象になるものだけが、達成の対象になる」からである。

海外ではコーポレート・レピュテーションの測定方法として、

・・・知的資産とレピュテーション資本が市場価値から(物的資本+金融資本)を差し引いて算定できるとした。しかし、それは管理会計からすると、あまりにも単純化しすぎている。

著者は、この種の「1、残差アプローチ」に加えて、

2、コーポレート・レピュテーションを積み上げて算定する方法
3、レピュテーション負債の算定
4、バランスト・スコアカードを応用した無形資産の測定方法

を提唱した。

欧米のCFO(財務担当役員)は、市場価格と純資産簿価の差がレピュテーション資産であることには賛同しているものの、最近では・・・残差方式ではレピュテーションを過大評価するという理由から反対する経営者が多いという。

コーポレート・レピュテーションを科学ではなくアート(art) だとすれば測定は難しくなります。測定が難しくなれば、トップや経営層によって蓄積が難しくなる。

カリスマが出てくれば評価されるアートが成り、平凡な経営層になれば平凡なアートが繰り出され評価は下がる。出てくる人によって評価が乱高下するのは組織として望ましくはない。

評判は「時間をかけて形成され」、かつ「組織体が過去に何を行ない、どんな行為を行なったかを基礎」し、「経営者と従業員による過去、現在および将来の行動」が評価される。

なんとかレピュテーションを測定できるものにしてマネジメントしなければならない。なぜなら「測定対象になるものだけが達成の対象になる」から。

コーポレート・レピュテーションは測定できるものとアートのちょうど境にあるものかもしれないですね。それゆえに扱いが難しいけれど取り組む価値があるものと言えるのかもしれません。

★ 今週のテーマ 「コーポレートイメージを考える」

コーポレート・レピュテーションはコーポレート・イメージとは違うというのが櫻井氏の主張でした。

コーポレート・イメージが消費者・取引先・社員などが企業に対して抱くイメージとすれば、コーポレート・レピュテーションは「組織体が過去に何を行ない、どんな行為を行なったかを基礎」に「経営者と従業員による過去、現在および将来の行動」の評価。

すでに前回「コーポレート・レピュテーションの向上は財務業績を高める」としてここで取り上げましたが、コーポレート・レピュテーションとはいかなるものかをより明確にするためにコーポレート・イメージについて触れてみたいと思います。

ネットで「コーポレート・イメージ」というキーワードで検索をかけて出てくるものを少し見てみましょう。

「コーポレート・イメージ」というものがどういう捉え方をされているものかを知るためにここで取り上げる組織がいかなる組織かは特に問わずに検索の上位にきているものから順に取り上げることをお断りしておきます。

株式会社CEホールディングス コーポレートイメージ
www.ce-hd.co.jp/coimage.html

2013年4月1日、CEホールディングスのシンボルマーク・ロゴタイプが誕生しました。

CEホールディングスの社名は、人々(Consumer)のために医療の分野で社会に貢献していくことを使命とする企業(Enterprise)グループの総称です。


大同油脂 会社案内(コーポレートイメージ)
www.dydo.jp/company/image.html

当社は、2012年に新ロゴマークとコーポレート・カラーを制定致しました。

「Dynamic:力強く!」「Youthful:若々しく!」「Challenging:やりがいのある!」

従業員一同「DYC」に込めた思いで、より一層の飛躍を目指してまいります。


ニッソーファイン株式会社 コーポレートイメージ
www.nissofine.co.jp/CI.html

地球を見立てた円形に、羽をイメージした線で会社のイニシャルである「NF」を表しました。これは、ニッソーファインが世界中に羽ばたき、活躍することをイメージしています。

社章の青色は、ニッソーファイン株式会社のコーポレートカラーであると共に、誠実さと信頼感を与える色でもあることから、社会に対し誠実であることを表しています。

また、それぞれの文字は3つの羽から成り立っていますが、これは営業・技術・製造の3部門が一体となって会社をつくりあげている意味も含んでいます。

ページを見てもらえばわかる通り、いずれも会社のロゴが表示し、そこに込めた思いを吐露しているという感じですよね。

まさにこれこそがアート(art)ではないでしょうか。

上記各ページを見ただけでは「組織体が過去に何を行ない、どんな行為を行なったか」はわからないし、「経営者と従業員による過去、現在および将来の行動」も読めません。

まさにイメージ、アート(art)、組織の感性がそこにあります。

もう1つだけ見てほしいのですが、今度はイメージビデオです。この1分30秒ほどの映像を見てなにを想像するか。

クリックすると音が出ますのでご注意ください。

novero Japan コーポレート・イメージビデオ
www.facebook.com/video.php?v=1358341976370

novero Japanという会社を知らないでこのビデオを見てなにを感じるか。よくわからないと思う方も多数いるのではないでしょうか。

日本の企業が抱く「コーポレートイメージ」はここで挙げたものでよく理解できるでしょう。

誤解しないでほしいのは、組織が自らの思いを込めた「コーポレートイメージ」を否定しているわけではないということです。

みなさんがよくご存じのナイキのロゴマーク「スウッシュ」はもはや世界中の人々に認知され、ロゴを見るだけで見る人にさまざまな想像をさせるロゴになっていますよね。

ナイキの「スウッシュ」は「勝利の女神ニーケーの彫像の翼をモチーフにデザイン」されたとか。

ただそれだけを聞かされてもロゴを見ても何の感情も浮かばないでしょう。スポーツブランドでいえば、そこにロゴをまとった選手の活躍が必須です。

ここでも取り上げましたが、アジア人で初めてテニスの4大大会決勝に進んだ錦織圭選手の試合を放映した有料BS放送のWOWOWは、2014年9月の新規加入件数が1991年の開局以来最高を記録。

一人のスター選手の登場が本人はもとより放映するテレビ局やウエアなどに波及しました。ウエアを提供しているユニクロからは錦織選手にボーナスが1億円提供されたというニュースもありましたよね。

ナイキのロゴマーク「スウッシュ」が世界中で認知された理由
news.ameba.jp/20130226-807/

書籍『スニーカー文化論』の中で、ナイキのロゴマーク「Swoosh(スウッシュ)」についての秘密が明かされています。

ナイキといえば、スウッシュ。世界中に知れ渡っているあのマークは、勝利の女神ニーケーの彫像の翼をモチーフにデザインしたとされています。

そして、文字がまったくないデザインになったのは、テニスのウィンブルドン選手権大会で、アンドレ・アガシが優勝してからだとか。

ナイキは、海外で知名度・売上をのばすためには、文字や言葉を超えるロゴのみが適切だと判断。

アガシがウィンブルドンで優勝していた時にかぶっていた帽子は、ストライプにナイキのスウッシュだけが入ったものでした。

この帽子をかぶった姿がニューヨーク・タイムズの一面を飾ったことでブレイク。この帽子の人気を察したナイキは、”ロゴのみ”に注目したのです。

1995年には、ナイキのデザイナーらが、「正式に文字をなくしてロゴデザインだけにしよう」と経営陣を説得。タグをはじめ、箱、便せん、名刺などナイキに関するすべてに適用することを提案したのです。

ナイキの「スウッシュ」の名を世間に轟かせたのはゴルフのタイガー・ウッズ選手でした。

2005年のマスターズでのあのシーンですよね。

≪動画≫タイガーウッズの奇跡のパッティング

カップのそばで止まったかに見えたボールがスローモーションでカップに落ちるまでの2秒間、ナイキの「スウォッシュ」が全世界に生中継され、広告費換算で約100万ドル(約1億600万円)の価値になったとか。

もはや「スウォッシュ」のロゴに「NIKE」という文字がなくてもそのロゴを見ただけであらゆる想像を掻きたてる、ロゴが「文字や言葉を超える」ものになった瞬間でもありました。

そのナイキの「スウッシュ」の名を世間に知らしめたタイガー・ウッズ選手も有名な不倫騒動で、タイガー・ウッズの主要スポンサー企業の株主価値が最大120億ドル(約2.3%)損なわれた可能性があるとの調査結果が発表されました。

ウッズ不倫騒動、スポンサー株主価値に最大120億ドルの損失=調査
jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-13151720091230?rpc=122

この報告書で書かれている通り

われわれの分析は、スポンサー企業として有名人タイガー・ウッズの名声を活用できることは、紛れもない利点である一方、ネガティブなリスクも大きいことを明確にしている

コーポレート・イメージの象徴の1つであるロゴも、前回ここで取り上げたスポーツビジネスへの参入でも、スター選手が、もしくは組織の伝説となるエピソードが必要です。それはすなわち物語ですよね。

ロゴがその物語とともに認知されたとき、コーポレート・イメージの象徴であるロゴにも意味が出てくる。

すばらしいロゴを製作するとともにそこにそのロゴを見てイメージできる伝説やエピソードがあるか、それが大きく問われることになるでしょう。

伝説というとすごく大変なことのように思えるかもしれません。しかし、いかなる組織であっても創業時にはおもしろいエピソードや伝説があります。

それがまさにコーポレート・レピュテーションで大事な要素になる「組織体が過去に何を行ない、どんな行為を行なったか」です。また伝説やエピソードのいわゆる物語は創業時もそしてそれ以後も「経営者と従業員による過去、現在および将来の行動」によっ

て紡がれていっています。

もっといえば、それらの紡がれた断片的なエピソードをいかに組織が「物語」に集約できるかが問題となるでしょう。

組織の物語はないのではなく、断片をつなげて物語にしていないのです。

そういう意味でコーポレート・イメージの代表選手である会社のロゴは組織のイメージを考えて製作するというよりは「組織体が過去に何を行ない、どんな行為を行なったか」によって決めたほうがより体現しやすくなるともいえるでしょう。

組織のイメージの源泉は「組織体が過去に何を行ない、どんな行為を行なったか」です。

そして、そのイメージの拡散は「経営者と従業員による過去、現在および将来の行動」によって行われます。

あなたの組織のロゴには確かに意味があるかと思いますが、それが共有されるためにはスター選手や組織の伝説が必要です。

企業の平均寿命が10年といわれる時代です。10年を越えられる企業にはささやかでもおもしろいエピソードや伝説があるはずです。それを掘り起こすこと、そこが大事だと思います。

コーポレート・イメージもレピュテーションも外からは発生しないのですから。

皆さんの考えはいかがでしょうか?

皆さんからの率直なご意見をお待ちしております。

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