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お知らせ

コーポレート・レピュテーション その44

節柄、トップの交代のニュースが目立ちますね。

イオンは2015年1月5日、主要子会社であるイオンリテール、ダイエー、イオンモール3社の社長を2月1日付で交代させる人事を発表しました。

収益力低下に悩むイオンが社長の交代、そして純粋持ち株会社であるイオンの執行役、従業員を半減して臨む策が果たして起死回生の策となるのか。

また、通販で今やおなじみになったジャパネットたかたも、名物社長の高田明社長が退き、長男の高田旭人副社長が後任に就く人事を決めて発表しました。以前再来年のトップ交代を表明していましたが、1年前倒ししての今回の発表となったようです。息子さんはご自身は出演はしないそうですが、これが吉と出るのか凶と出るのか。

話は変わりますが、組織というのは、慣性の法則に従って今までの路線通りに動こうとすものです。その組織の慣性の法則が正しいかどうかは別として、その働きに無理に抗えば反発や反乱も起きますよね。

皆さんもご存じの「茹でガエル」の話では、カエルは温度変化に気付かず茹で上がってしまいますが、実際にやってみると、カエルは温度が上がれば上がるほど激しく逃げようとするのだそうです。

つまり、ヤバいなってなったら社員だって逃げてしまいます。惰性に従って生きていこうとする動きに抗って改革を断行しつつ、一方では社員は逃がさない。その矛盾する動きをやってのけた者だけが名経営者として名を遺すと言えるのではないでしょうか。

コーポレート・レピュテーション その44

櫻井通晴著『レピュテーション・マネジメント内部統制・管理会計・監査による評判管理』から第5章「レピュテーション・マネジメントの方法」を紹介します。

ここでは「コーポレート・レピュテーションの18の普遍の法則ー最も貴重な資産の創造、保護、修復」の著書があるオールソップ氏の「18の普遍の法則」についての著者の櫻井氏の記述があります。

なお、著者の櫻井氏が引用するオールソップ氏の「18の普遍の法則」について、

彼はレピュテーション・マネジメントについて、科学というよりはアート(art) であると特徴づけている。

要するに、同書は科学的な立場からではなく、雑誌『ウォールストリート・ジャーナル』誌の記者としての経験から、アートとして書かれている。

と指摘していることを踏まえて読み進めていただければと思います。

第1部 すぐれたコーポレート・レピュテーションの構築

第1法則 貴社の最も強力な資産であるコーポレート・レピュテーションを最大化せよ
第2法則 自らを知り貴社のコーポレート・レピュテーションを測定せよ
第3法則 会社の多くの利害関係者に訴えるすべを学習せよ
第4法則 貴社の価値観と倫理観を経営活動のなかで生かせ
第5法則 模範となる市民たれ
第6法則 魅力的な会社のビジョンをステークホルダーに伝達せよ
第7法則 情感へのアピールの文言を創造せよ

第2部 すぐれたコーポレート・レビュテーションの維持

第 8法則 貴社の足らぎるところ(欠点)を認識せよ
第 9法則 常に存在する危険(リスク)を察知し警戒せよ
第10法則 貴社の従業員にレピュテーションを高める中心的な役割を与えよ
第11法則 インターネットに支配されるのではなく、逆に、支配せよ
第12法則 戦略にブレがあってはならない第13法則 レピュテーションの負の影響に用心せよ

第3部 毀損したコーポレート・レピュテーションの修復

第14法則 適切な対処法で危機を乗り切れ
第15法則 最初に正しく対処せよ
第16法則 一般の人々の批判を過小評価することなかれ
第17法則 防御は最大の攻撃であることを知るべきである
第18法則 すべてのことが失敗すれば、社名を変えよ

一番最後の【第18法則 すべてのことが失敗すれば、社名を変えよ】などはアメリカらしいというか、最初に書いたように「レピュテーション・マネジメントについて科学というよりはアート(art) である」という特徴がよく出ている法則と言えましょうか。

読んでみれば、最後の第18法則以外は多くの方に納得いただけると思います。

著者の櫻井氏もこの点は指摘していて、

たとえば、事業に失敗しても名前を変えることもできると述べている。アメリカであればある程度は妥当するであろう。

しかし、国土が狭く単一民族からなる日本では名前を変えることはできないし、日本では一度失敗すると、敗者復活戦に参加することは極めて難しい。

2007年に訪問介護最大手のコムスンが介護報酬を不正請求していた事実が発覚して社会の糾弾を浴びた。

6月11日の株価は制限値幅(ストップ安)の5千円安(8.8%)の51,800円で、4営業日連続のストップ安になった。

そこで、グッドウィル・グループが最初に打ち出した計画は、名前を変えて形の上では別会社に運営させて再出発するという方策であった。これに対して世論は猛反発して、最終的には介護事業からの全面撤退を余儀なくされたのである。

要するに、オールソップのレピュテーション・マネジメントはわれわれに貴重な情報を提供するものではあるが、

1、マネジメント(管理)の問題を物語で終わらせている
2、企業経営者が具体的に取り組むべき課題が論及されていない
3、日本は欧米とは異なる文化、歴史、制度をもつため、欧米の事例が必ずしも日本にそのまま妥当しないという難点があるということである。

18の法則を見て、あまりにも当たり前すぎると思った人もいるかもしれません。

しかし、法則というのは「当たり前」のことなんです。原理原則だって同じ。ごくごく普通のことばかり。

ただその当たり前のことが組織のなにかによって阻害される。たった1つの阻害要因があると、それを原因として組織全体に歪みが波及します。阻害要因は歪みを生み、その歪みは新たな歪みを生む。こうして組織はゆっくりと徐々に衰えていく。

ですから、「当たり前」の法則だと考えずに、その当たり前はできているのかをもう1回自らの組織に問う必要があります。改めて厳しく問うのです。

先日、三井物産が経営トップの若返りを図るため、54歳の執行役員を社長に昇格させる人事を発表しました。32人を飛び越える異例の抜てきだとか。

たぶんつぶれることがないと思われている三井物産だって、あれこれ手を打っています。若返りも1つでしょうが、得意分野の資源・エネルギー事業で吹いている逆風を跳ね返して成長を遂げるために何かを変えなければならないという決意の表れでしょう。

ワタミも、ご存じようなことがあれこれあって2014年3月期49億円の最終赤字、2015年3月期も30億円の赤字となる見通しで、社長は引責辞任。

経営の効率化を進めるため、三つの子会社を3月1日付で合併し、同社のアルバイト出身の清水邦晃常務が社長に昇格する人事を発表しました。

落ちた評判や業績を組織は早急に回復しなければなりません。落ち込みがひどければひどいほど、周りが「オッ」という声を上げるようなものでなければ、「変わるな」とまず思ってもらえない。

32人を飛び越える異例の抜てきやアルバイト出身の社長の登場はどうであれ「変化します」を世間にアピールする材料でしょう。

もちろんこれから就任してなにをするのかで評価は分かれますが第一歩の周囲を「アッ」言わせるところはみらなうべき価値があるのではないでしょうか。

もうしばらく前になりますが、時給600円のパート主婦から「ブックオフ」社長になった橋本真由美さん(取締役相談役)の時を思い出しても、風が吹く現象はその決意によって吹くものです。

短大卒・専業主婦が1部上場企業社長になったわけ長田 美穂 2006年11月22日
business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20061120/114056/

あなたの組織はどうかと問わねばなりません。

そう言うと「私にはトップを変える権限も力もありません」と言うのかもしれませんね。

しかし、トップを変えるだけが変革でも改革でも自問自答でもないでしょう。

少なくとも以下の8つの法則は誰にだって考えることができる要素です。

第2法則 自らを知り貴社のコーポレート・レピュテーションを測定せよ
第3法則 会社の多くの利害関係者に訴えるすべを学習せよ
第5法則 模範となる市民たれ第7法則 情感へのアピールの文言を創造せよ
第8法則 貴社の足らぎるところ(欠点)を認識せよ
第9法則 常に存在する危険(リスク)を察知し警戒せよ
第13法則 レピュテーションの負の影響に用心せよ
第16法則 一般の人々の批判を過小評価することなかれ

考えたことが即座に組織に反映されなくてもいい。そういう考えを持って自分の仕事に取り組むことが大切ではないでしょうか。

自分の仕事での決断や行為がいつだってレピュテーションと結びついていると周りから思われている社員がこれからは人のうえにも立つようになるでしょう。

レピュテーション・マネジメントはある日突然こうしようと思ってもできません。準備と訓練とポリシーがないと成就しないのです。一番下の平社員の時から考えていた人が人の上に立った時に速やかに実行に移せる。

変わればいいのはトップだけではありません。一人一人の社員が変わらないと時代の波にすぐ飲みこまれてしまいます。

自分に何ができるのか。どんな行動がとれるのか。今日から何を変えるのか。そして何が変わったのか。

それらの問いの答えられない人はこれから大変苦しい時代になっていくことでしょう。

「当たり前」の法則を前にもう1回自分に問うてほしいと思います。

「自分は何ができるだろうか」と。

皆さんからの率直なご意見をお待ちしております。

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