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お知らせ

ビットコインはいかがわしい!とだけ思っていませんか?

さて、お盆前の話になりますが、昨年巨額の預り金が消失したとして世間を騒がせた、破産手続き中の仮想通貨ビットコイン取引所「マウントゴックス」周辺で大きな動きがありました。

2015年8月1日、警視庁は、社内口座を管理するシステムを不正に操作したなどとして、仮想通貨ビットコインの取引所マウント・ゴックスの最高経営責任者(CEO)でフランス国籍のマルク・カルプレス容疑者を私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕しました。

このビットコイン、まだ日本ではあまり馴染みがないため、『ビットコイン=マウントゴックス』、というイメージをお持ちの方も多いようですが、アメリカではビットコイン企業が次々と立ち上がっているのだとか。

また、一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏がビットコインについて次のように語っています。
logmi.jp/46300

大変大きな技術変化であると思ってます。そして日本がこの新しい技術を使いこなせるかどうかということは、日本経済の将来にとって大変重要な意味を持っている

とした上で、

あまりに新しいために、なかなか理解されていない面があるわけですけれども、このような新しい技術的側面を持った通貨が登場したということは大変重要です。

と繰り返しその意義を述べている点などを考慮して、今回はそのビットコインについて取り上げてみたいと思います。

ビットコインは所有権の対象とならない

東京地裁では先日「ビットコインは所有権の対象とならない」という判決が下されました。

2015/8/5 産経新聞
「ビットコインは所有権の対象に当たらず」東京地裁

www.sankei.com/affairs/news/150805/afr1508050028-n1.html

仮想通貨「ビットコイン(BTC)」の取引所「マウントゴックス」=破産手続き中=を利用していた京都市内の男性が、同社の破産管財人に対して、預けていたBTCの返還を求めた訴訟の判決が5日、東京地裁であった。

倉地真寿美裁判長は「BTCは所有権の対象とならない」と判断し、請求を棄却した。

判決で、所有権は民法上、液体や気体など空間の一部を占める「有体物」と定義され、排他的に支配できるものを対象としていると指摘。その上で、デジタル通貨であるBTCは有体物に当たらず、BTCを利用者間でやりとりする際には、第三者が関与する仕組みになっており、排他的支配の実態もないと認定した。

判決によると、マウントゴックスの男性の口座には約458BTC(昨年6月時点で約3100万円相当)が残っていた。

新しいものが世の中に出てきたとき、その新しいものに対する法律がありません。

新しいものが世の中に徐々に広まってきて、法律の隙間をついて悪事が発覚するなどして、認識が広まり、法律ができ、安心して使用できる環境が整えられる。

6月には、政府・与党がテロ資金への利用防止策として「ビットコインを法規制する」として、
www.sankei.com/economy/news/150626/ecn1506260046-n1.html

・・・豪州で開かれているテロ資金対策の国際機関である金融活動作業部会(FATF)が、仮想通貨について、口座開設時の本人確認や、資金洗浄の疑いのある取引の報告義務などの指針をまとめる見通し。

これに対応し金融庁や警察庁、自民党の特命委員会などが法規制を検討する。

政府はビットコインを「通貨ではない」と定義。これまでは法規制の域外として監督官庁もないとの立場をとっている。現在は業界団体がガイドラインを作成するなど、取引上は自主規制の対応にとどまっている。

だが、テロ資金対策の国際枠組みに参加するには法的な位置づけの整備が必要となってくる。

FATFは2月にまとめた報告書の中で、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の資金源の一つに「IT技術を使った資金調達」を挙げ、仮想通貨が資金洗浄や送金手段に利用されている可能性を指摘。

すでにカナダや米ニューヨーク州など各地に法規制の整備が広まってきている。

と伝えています。ビットコインは決済スピードが迅速で、決済手数料が安いという利点を一部の人が気づいて利用が始まっている。

最初は理解がしがたいものは、いかがわしいものとして排除されがちなのは致し方がないですが、ビットコインの可能性について、アメリカのベンチャー企業の代表はこう述べています。

26億円を調達したビットコイン企業
米サークルが目指す仮想通貨の「日常ツール化」
田中 深一郎  2014年4月21日

business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140418/263133/?rt=nocnt

サークルの製品は、ビットコインなどの仮想通貨を消費者が日常的に利用できるようにすることを目的としている。

昨年までのビットコインは主にトレーダーのための存在だったため、取引の流動性を高める取引所が重要な役割を担ってきた。

米国では(電子財布=ウォレットを手がける)コインベースのように使い勝手の良いサービスが登場し、個人の投資家にとっても魅力的な存在になってきている。

ただ、今でもビットコイン利用者の95%は日常の支払いに使うお金としてではなく、売買目的でビットコインを使っている。

我々は、ビットコインを消費者にとって分かりやすく、既存の金融サービスとも適合した形で手軽に使えるようにする。

パソコンやスマートフォンで簡単に利用できる、Gメールやスカイプのようにインターネット上の重要なアプリケーションにしたい。

消費者が仮想通貨を(資産として)保存し、個人間の送金や様々なサービスへの支払いに使えるようにするという点で、これまでのビットコイン関連製品とは狙いが異なる。

現在のビットコインは投機を目的に使用されているのがほとんどだけれど、消費者が日常的に「電子財布」としてコインベースで使えるものにしたいと考えているわけですね。

5年前と比べてもわかるように、皆さんも現金を持ち歩く機会というのは日常生活でずいぶん減ったのではないでしょうか?

「Chikirinの日記」の人気ブロガーのちきりんさんが先日こんなことをつぶやいていました。

ちきりん InsideCHIKIRIN
twitter.com/InsideCHIKIRIN

コンビニの人に言わせると、現金と電子マネーでは決済(レジにかかる)時間が大きく違うので、人件費を考えると、割引してでもできるだけ多くの人に非現金決済に移行してほしいとのこと。

現金決済が完全にカード&電子マネー決済になると、営業時間後の現金のカウント作業、売上げ集計との突き合わせ作業、(必ず起こる)現金とレシートが合わない時の再確認作業、などの時間もすべて不要になる。

加えて、現金回収時の警備員コストや保険料も不要に。店側のメリットはかなり大きい。

現金決済から電子マネー決済へ移行することでメリットを享受できる人が世の中にはいっぱいいるので、電子マネーを使う人は割引するなどの流れが加速すれば、ますます電子マネーへに移行も進むでしょう。

ただビットコインに魅力を感じるのは日本人ではないでしょう。

たとえば自国通貨に信頼が置けない国の国民は、住んでいる国に関係なく、価値を持ち、安いコストで瞬時に資産をまたいで移動できるビットコインが魅力的に映る。

自国通貨ではなく米ドルのほうが価値があるといわれる国なんかではなおさらそうでしょう。基軸通貨の米ドルさえ危ういのではないかって噂されているわけですから。

通貨と違うビットコインの新しさと最大の魅力を野口悠紀雄氏が解説しています。

「ビットコイン」は誤解だけが独り歩きしている 
仮想通貨の真価

logmi.jp/46300

なぜこの技術、ビットコインが新しいのかと言いますと、それは運営の方法にあるわけですね。

つまり従来の通貨―銀行の預金も含めてですけれども―それらは管理主体がいて、それを運営していたわけです。ところがビットコインには管理主体がないんですね。

そのようなシステムが動くというのは、コンピュータサイエンス上の非常に大きなブレークスルーであったわけで、この点が大変重要な点です。これはブロックチェーンテクノロジーという全く新しい技術です。

一言でいうとこうなります。

ビットコインも知らない人もここだけは押さえておいてほしい「ビットコインには管理主体がない」と。

これについて詳しく紹介するのは骨が折れるので、とてもわかりやすく説明してくれているサイトを紹介しておきます。

誰も教えてくれないけれど、これを読めば分かるビットコインの仕組みと可能性
誰も教えてくれないけれど、これを読めば分かるビットコインの仕組みと可能性

ビットコインは単なる電子マネーではなく決済システムだ

日本で2014年10月にビットコイン取引のサービスを開始した大手取引所Kraken(クラケン)の日本の代表を務める宮口礼子氏は日経コンピューターのインタビューでこう答えています。

Mt.Gox破綻は必然、ビットコイン取引所運営には覚悟を
Kraken日本代表の宮口礼子氏 2014/11/06

itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/14/262522/110600063/

・・・マウントゴックスの日本人の利用者はせいぜい1000人程度だった。ほかの数多くの利用者は外国人だ。たまたま日本にあったため、社会問題となってしまった。

マウントゴックスのシステム、セキュリティのレベルは低く、もともと破綻していなくても時間とともに抜けると考えていた。

ビットコインの取引所はよほどの覚悟がなければやらないほうがいい。ハッカーの対象にもなるし、厳しいコンプライアンス体制も必要になる。

我々は5億円ほどの投資を受けているが、そのほとんどはコンプライアンスに費やしている。

エンジニアのレベルも必要だ。この業界に通じていて、金融システムを担えるエンジニアはそもそも人材市場にあまりいない。

ようやく見つけたとしてもコストはかかるし、システムを構築するまでには時間がかかる。費用を投じただけでは簡単に取り組めない。軽い気持ちでやるとマウントゴックスの二の舞になる。


2年も前からマウントゴックスは危なかった。業界の中でも誰しもが知っていたことだ。本当に防げることが防げず、最低限の対策が何も取られていなかった。

ビットコインのポテンシャルには目を向けず、ゲーム感覚で取引所をやった結末だ。消費者保護の観点が彼らには欠落していた。

破綻すべくして破綻したのがマウントゴックスであると宮口氏。

そのいい加減だったマウント・ゴックスや奇妙な風体のフランス国籍のマルク・カルプレス容疑者をもってビットコインの可能性を判断してはならない。

日本では国民の通貨に対する信頼度が厚いので世界に比べるとその導入具合は遅れるのかもしれない。しかし、それはビットコインの可能性が低いというわけではありません。

世の中はカード&電子マネー決済にますます移行していきます。現金はなくならないけれど、ビジネスをする上では現金決済だけではもう立ち行かないでしょう。

最初に最も巧みに導入するのは、「イスラム国」などのテロ組織やマフィアなどの地下組織、銀行口座が作れなくなっている暴力団員などなのかもしれない。

しかし、徐々に厳しいコンプライアンス体制をもち、優れたエンジニアを抱えるビットコイン取引をする企業が出てきます。

今はその可能性について、考えておくべき良い時期なのではないでしょうかね。

新しいものを利用するかどうかは別にして知っておかねばならないことものが世の中にはあります。

その中の1つが現在はビットコインではないのか? そんなふうに考えております。

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