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サンクコスト(埋没費用)について考えてみよう

2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場の新国立競技場についての総工費が想定を大きく上回り建設計画が白紙撤回されたのがつい先日。

「風が吹けば桶屋が儲かる」じゃないですが、これを発端にどんどん連鎖していく流れの最初は、建設計画の見直しにより2019年のラグビーワールドカッが他の会場で開催されることが決定。次の連鎖は東京五輪・パラリンピックのエンブレムがベルギーの劇場のロゴマークと似ているとされてついに訴訟に発展。

東京五輪・パラリンピック組織委員会は劇場ロゴのデザイナー側が国際オリンピック委員会(IOC)を提訴したことを確認した上で「このような劇場側の態度は、公共団体としての振る舞いとしては受け入れがたい」との声明を発表しました。

そして、今度はそのエンブレムを手掛けた佐野研二郎氏によるサントリービールのノンアルコールのビール風飲料「オールフリー」の景品のトートバッグ30種類のデザインのうち、8種類が第三者のデザインを写して使ったことが明らかになり、佐野氏が代表を務める事務所がホームページで謝罪の声明を出し、一部景品の発送を中止すると発表しました。これでだいたい出尽くしたかと思いきや、ここにきて新たな模倣疑惑が浮上。

佐野氏がデザインした名古屋市の東山動植物園のシンボルマークが、中米コスタリカの国立博物館のマークに似ているとの指摘を受け、東山動植物園が調査を開始したとのこと。

デザインに関してはずぶの素人の私が見ると、「なんか似てるわ」と思えてくるから不思議です。東京五輪・パラリンピックのエンブレムもなんだか同じように見えましたが・・・

強烈な見出しをつけて読者の興味を引くスポーツ新聞のうち「スポーツ報知」は「疑惑ゴロゴロ またロゴ酷似」とちゃかし、「いいもの、ゴロゴロ、WOWOW」のキャッチフレーズと微妙にかぶっているのがおかしい。

加えて、群馬県太田市に再来年完成予定の「おおたBITO 太田市美術館・図書館」のロゴのデザインを佐野氏が担当していたことから、念のため模倣がないかどうかの調査を実施することを決定するなど、次々に浮かび上がってくる疑惑の連鎖「疑惑ゴロゴロ またロゴ酷似」が続いています。

今後この問題がどう展開していくのかはわかりませんが、社内のプロジェクトでも新規事業でもこうして最初にケチがついた事案はたいていゴタゴタが続いてうまく運ばないというのが私の率直な見解ですが、皆さんのお考えはいかがでしょうか。

ここでみなさんに改めて考えてほしいのが「埋没費用」についてなのです。

サンクコスト(埋没費用)について

Wikipediaによれば、「埋没費用」とは【事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止によっても戻って来ない投下資金または投下した労力をいう。サンク・コスト (sunk cost) ともいう。】とあります。

サンク・コストを最もわかりやすく理解するためにはWikipediaに出ている事例の1つを考えてみればすぐわかります。

埋没費用
ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%8B%E6%B2%A1%E8%B2%BB%E7%94%A8

例1:つまらない映画を見続けるべきか2時間の映画のチケットを1800円で購入したとする。映画館に入場し、映画を見始めた。10分後に映画が余りにもつまらないことが判明した場合に、映画を見続けるべきか、それとも途中で映画館を退出して、残りの時間を有効に使うべきかが問題となる。

◆映画を見続けた場合:チケット代1800円と上映時間の2時間を失う。
◆映画を見るのを途中で止めた場合:チケット代1800円と退出までの上映時間の10分間は失うが、残った時間の1時間50分を有効に使うことができる。

この場合、チケット代1800円とつまらないと感じるまでの10分が埋没費用である。この埋没費用は、上記のどちらの選択肢を選んだとしても回収できない費用である。したがって、時間を浪費してまで、つまらないと感じる映画を見続けることは経済学的に合理的な選択ではない。途中で退出して残りの時間を有効に使うことが経済学的に合理的な選択である。しかし、多くの人は「払った1800円がもったいない。元を取らなければ」などと考え、つまらない映画を見続けることによって時間を浪費してしまいがちである。

池田信夫さんはサンクコスト(埋没費用)について「取り返しのつかないコストを考えてはいけない」「コストを計算するとき考えるのは、これからの行動で変えられるコストだけだということ」と指摘しています。

詳しくはこちらで。

サンクコストって何? 池田 信夫

サンクコストって何?

白紙撤回になった新国立競技場問題では、当初の総工費は1300億円でしたが、デザイン通りに建設するとしたら試算では3000億円になることがわかり、批判が出て、いろいろと議論して規模を縮小したりして1600億円程度に収めらるかもというところまできていた。それでも当初予定よりも高いじゃないかとかなんとか。

結局白紙撤回してもう1回初めからやり直しになってからわかったのは、すでに契約済みで設計事務所やゼネコンに対して昨年末までに契約期間を終えたものは支払いが確定していて、概算で約59億円は戻らないことがわかった。

もう59億円払ったし、すでにしている工事分についても払うことになるからたとえば100億円は支払うことになったとして、どうするってことですが、ここにサンクコスト(埋没費用)「取り返しのつかないコストを考えてはいけない」「コストを計算するとき考えるのは、これからの行動で変えられるコストだけだということ」の考えが適用されるってことですね。

Wikipediaの事例は「つまらない映画を見続けるべきか」でした。

◆映画を見続けた場合:チケット代1800円と上映時間の2時間を失う。
◆映画を見るのを途中で止めた場合:チケット代1800円と退出までの上映時間の10分間は失うが、残った時間の1時間50分を有効に使うことができる。

これを新国立競技場に適用してみて考えてみると、コストについて私たちのヒントになることもあるのではないでしょうかね。

ケチがついたり、当初の計画と実際が違ってきたら、ドンドン撤退すべきではないでしょうか。

また計算しなおして計画を立て直して、やり直したらいいだけなんですから。

でもね、ラクビーのワールドカップに間に合わせなくちゃいけないとかやり直していたらオリンピックまでに間に合わないだとか大々的に発表したロゴを引っ込めるのはメンツにかかわるだとかコストとは別の要因で物事は決まってしまうものです。

コストコストと言いながら、コストとはまるで違うことで物事を決めて、あとからコストが・・・っていうのが我が日本の決まり文句です。

新国立競技場問題もロゴ問題もどうなってもかまわないけれど、これを機会に改めてサンクコスト(埋没費用)について自社に当てはめて考えてみることができれば、十分元は取れるんじゃないでしょうかね。

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