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アリさん騒動から学ぶ炎上、拡散のメカニズム

懲戒解雇処分を受け、訴訟を起こした社員が東京都内のオフィス前で抗議活動をしていたところ、「アリさんマークの引越社」の幹部が「オラ、コラ」と怒鳴っている動画がyoutubeにアップされ、再生回数も爆発的に増え、話題になりました。

【動画】アリさんマークの引越社の「オラコラ問答」動画

記憶に新しい「オラコラ」問答といえば、2015年4月にさまざまな疑惑が浮上した上西小百合衆院議員のFNN(フジニュースネットワーク)による直撃取材の際に、 執拗な記者に対して上西議員の男性秘書による「オラァ!」「コラァ!ええかげんにせえよ」という怒声が響く映像がテレビで流されてこれもちょっとした話題になりました。こちらの動画はすでに見たことがあると思いますので各自調査でお願いします。

こうした「オラコラ問題」は定期的に起こって話題になるのですが、私自身が思う本家本元の元祖「オラコラ問題」はご存じの通り、プロレスラー長州力と今は亡き橋本真也による「コラコラ問答」だと認識しています。

【動画】長州VS橋本 コラコラ問答

この「長州VS橋本」による「コラコラ問答」がこの種問題の本質を表していると私は考えていて、それについてと「コラコラ問題」の拡散メカニズムについて今回は書いてみたいと思います。

炎上の理由を考える

今回のアリさん騒動の発端は、「アリさんマークの引越社」で知られる「引越社関東」社員の男性が労働組合への加入をきっかけに不当な異動や「罪状」と題した懲戒解雇処分を伝える文書を全支店に掲示され名誉を傷つけられたとして、会社を相手に東京地裁で訴えたことが問題が表に出てきたキッカケでした。

ここでは訴えの内容は本題でないので詳しくは触れませんが、訴えた側の記者会見の様子の動画はアップされているので興味がある方はご覧ください。

【動画】アリさんマークの引越社裁判 記者会見 2015年9月30日

もちろんこれは訴えた側の主張であり、会社側が行った異動の措置は「労働組合への加入が営業職からシュレッダー係への不当異動につながった」のではなく「お客さんがいる営業職なのに8カ月で7回も遅刻。交通事故を起こし、人身事故だったがおわびにも行かなかった」からであり、「彼が勤務可能な7支店長全員が受け入れを拒否したため本部に戻さざるを得なかった」と主張しています。

また、会社を提訴したことが原因で「懲戒解雇処分が下った」と主張する男性に対し、会社側は「理由は機密事項の漏えい。社員の住所や電話番号、彼が担当していた取引先の情報もあった」と反論している状況ですから、これらについては今後裁判等で争われるでしょう。

ここで皆さんに提起したいのは、問題の種別ではありません。組織内においてはさまざまな問題が発生するでしょうし、社員にできの悪い人もいれば、経営層にできの悪い人もいる。

そこで感情の行き違いなどから事件は起こるわけですが、カッとなって考えもなく対処してしまうと、最終的には「長州VS橋本コラコラ問答」に行き着いてしまうということなのです。

「長州VS橋本コラコラ問答」を見るとよくわかるように、ハッキリ言って、なにを言っているのかは全然わかりません。お互いが怒っているのはよくわかるし、嫌いあっているのもよくわかるんだけど、お互いの主張は見えない。

そんな者たちが顔を合わせて言い合えば、「コラコラ問答」になります。

問題なのは、この「コラコラ問答」が関係のない第三者には実におもしろく見えて映ることなんですよね。

お互いに主張していることはなんとなくしかわからないけれど、大の大人が真顔で「なにコラ」「だれがなにコラじゃ」なんて言ってたら、野次馬根性はいかんなく発揮されて「やれやれ!もっとやれ」なんて気分で見られてしまう。

プロレスラーなら、こうした「コラコラ問答」は特にお互いの人格も傷つくことなく、次回の興行に結びついていいこと尽くめですが、組織でこの「コラコラ問答」を行う意味も意義もない、マイナスのことしかないということなんです。

アリさんマークの引越社の幹部による「コラコラ問答」では会社側の言い分がなんだか「ブラック」に聞こえる印象を与えてしまった。

訴訟を起こした方にはもちろん言い分があるわけですが、起こされた方にも当然言い分があるでしょう。マスコミの取材にはすでに会社側も反論しています。

であれば、裁判で正当に争えばいい。

しかし、裁判で成否を争う前になんだか「オラコラ」言う人が幹部なんだ~と印象付けられたのは、仮に裁判で勝訴しても、組織にとっては大きな痛手になるでしょう。

正当な理由があって、当然されるべき措置をしたと考えている会社側にとって、会社の前で街宣活動のようなことをされたら、いかなる理由であれ腹が立つし、文句を言いに出て行きたくなる。それが人情ってもんです。

ただ出て行ったら、もう「橋本VS長州」にしかなりえない。そこなのです。

どんなに正しくても、間違っていなくても、組織側が「コラコラ問答」の土俵に乗ってしまったら、評判という観点から言えば「負け」が確定になります。

裁判に勝訴しても、評判で敗訴すれば、組織にとっては痛恨でしょう。

そういう意味で、組織側は「コラコラ問答」の土俵に乗らず、裁判や取材およびプレスリリースで対処するのが賢いでしょう。

黙っておくのではないですよ。反論をしたらいいし、1つ1つ証拠を挙げてプレスリリースもしたらいい。しかし「コラコラ問答」を行ってはならない。

マスコミも含めて第三者は野次馬根性丸出しでいつのまにか「正義の裁判官」になっています。そうした者に対して感情で対処すると話はこじれる。情報公開で対処しなければ。

感情の行き違いのまま、感情をむき出しでそのまま対処してしまうと、第三者から見ると「おもしろい」し、他人に「見て見て」といいたくなるし、そんも内容や実情がよくわからなくても「これはダメだよね」って言わせてしまう。

まさにこれが炎上の理由であり、拡散する条件だといえるでしょう。

拡散のメカニズム

少し時系列で今回の騒動の動きを見て見ると・・・

アリさん騒動は、9月30日に訴えた側が記者会見、アリさんマークの引越社のオフィス前での「オラコラ問答」動画は10月1日にYoutubeにアップ。

10月1日には各社が新聞記事に、翌2日には会社側も反論した記事が配信されました。

「オラコラ問答」が大好きなJ-CASTニュースが【「何をぬかしとるんや、コラァ!」アリさん引越社幹部の「恫喝」が物議】と面白おかしく題名をつけて記事をアップしたのが10月5日です。

秀逸なお題をつけたため、Yahooニュースにも紹介されました。

Youtubeの再生回数は、

10/5 21:24 再生回数60万回
10/6 09:00 再生回数90万回
10/6 16:00 再生回数112万回

ネズミ算ってご存知ですよね。

正月に雌雄2匹のネズミが12匹の子を産み、2月にはその親子のネズミ七つがいがそれぞれ12匹の子を産み、毎月このようにネズミが増えていくと12月には何匹になるかという問題で、2×7の12乗すなわち276億8257万4402匹になる。

デジタル大辞泉の解説

今やメールで何かを送るよりもSNSなどでつながっている時代に「自分に関わりがない」そして、なんだかもめていておもしろく、「それはダメだよね」って言いやすい事象について、人は誰かに言いたくなる。

SNSの情報発信にはコストはかからないし、手間はいらずにクリックすれば瞬時に届く。自分で記事を書いてという手間はなく、どこかの誰かが書いた記事や動画を転送するだけ。これすなわち本当の意味でのネズミ算ですね。

人間界のSNS界隈では1年もかからず、1ヶ月で「2×7の12乗」が達成されます。

自分が怒らるのは嫌だけど、だれかが少し離れたところで怒られているのを見るのは人は何ともないのです。もし怒られている理由が「もっともだ」と感じるなら「そりゃ怒られるよ」って激しくうなづいてしまうでしょう。

仮に不当な理由で怒られていても、その場で反論すれば「コラコラ問答」になりうる。個人のことなら、個人の感情で反応し、その場で「コラコラ問答」を行ってもかまわない。自由です。

しかし、会社の看板を背負って感情が、悪感情が渦巻く場に出て行って「コラコラ問答」を行ってはならない。いかなる形であっても評判は地に堕ちるから。

人は誰でもカッとなるし、怒る者ですが、カッとなったり、感情的になったりする人を見ると「大人げない」「もっと言い方があるよね」と反応します。他人のことはそう見える。

だから、あなたは、あなたの組織は「コラコラ問答」の土俵にはお金をもらっても上がってはなりません。それが鉄則です。

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