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お知らせ

異物混入における風評被害と対応策

国民生活センターでは、毎年、消費者問題として社会的注目を集めたものや消費生活相談が多く寄せられたものなどから、その年の「消費者問題に関する10大項目」を選定し、公表しています。

それによると「2014年は、冷凍食品への農薬混入や事業者が保有する個人情報の大量流出など、社会を騒がせた重大な事件が相次ぎ、消費者の不安が高まりました。また、あたかも公的機関等の職員であるかのように思わせる詐欺的勧誘や、遠隔操作によるプロバイダ変更勧誘トラブルの増加が顕著となっています。」とあります。

1年さかのぼってみると「2013年は、全国的にも高齢者の消費者トラブルがさらに増加したほか、ホテル等のメニュー表示や薬用化粧品による白斑トラブルが大きな社会問題となりました。また、トラブルの国際化(海外のインターネット通販によるトラブル等)の傾向も強まってきています」とあります。

世間を賑わした事件がこれを見るとひと目で思い出されますね。

国民センターの「消費者問題に関する10大項目」のうち、2013年の1つに「ホテルや百貨店でのメニュー表示問題が相次ぐ」があり、2014年の1つには「食の安全と信頼が脅かされる事件が相次ぐ 食品の安全性に関する相談がここ5年で最多」とある。

いずれも「食の安全性」につながっているところです。

国民センターによれば、食品の安全・衛生に関する相談は2014年は9,572件と2013年同期に比べ約1.8倍となっているそうです。

メニューや産地の偽装、また異物混入や不衛生について消費者はすごく敏感に反応します。

食品への異物混入 の関連ニュース一覧
news.yahoo.co.jp/related_newslist/food_with_suspicious_substance/

子供の頃、「ばっちい」「ばばっちい」なんてよくいわれていました。これは方言なんでしょうか、「汚い」っていう意味だと思いますが、道路で落としたものでも平気で拾って食べようとする幼児が「ばばっちい」といわれて手を引っ込めるなんていう経験をした方も多いでしょう。

特に日本人は「ばばっちい」については敏感で、「ばばっちい」ものを平気で出している、隠して出しているメーカーやお店は糾弾の的になりやすい。

その感覚は、昔に比べて「潔癖症」の方が増えたことを見ても、より鋭くなってきているのではないでしょうかね。SNSの社会的な拡散はその後押しをしているように見えますし、正義か悪かで言えば「ばばっちい」は「悪」と共感されやすい土壌がある点も見逃せません。

少し前ですが、食中毒が多い季節にテレビで焼肉を焼く際に、トングを使わず箸で生肉をつまんで焼いたり、ひっくり返したりするのは危険であるとやっていました。食中毒の危険が高まるというわけです。

そうしたテレビ等の影響もあってか、私の周りでも、昔はそれほど気にしなかったはずなのに、焼肉ではトングを使用する方が多くなっている気がします。それはいいとして、その気を遣っている方が、そのトングを使って焼き終えたお肉を自分の皿に焼いた焼肉をのせている。

それって正しい使い方なんでしょうか? だって「そのトングは最初に生肉をつまんだトングですから!」と思うのは私だけ?

生肉をトングでつまんで焼き台にのせる、ひっくり返すまでがトングの役割で、焼けたお肉は箸でつまんで取ってこなきゃならないのではないのか?

いまだに謎なのですが、そうした細かい点はそれほど気にはされないけれど、目に見える「ばばっちい」は糾弾される、そこが「食の安全性」のおもしろいといっちゃ、あれですけれど、微妙で奥が深いところでしょう。

チロルチョコを例に学ぶ対応策

先の焼肉のトングの話もそうですが、何年か前にチロルチョコ芋虫事件というのがありました。

ツイッターで、ある方が写真とともに「チロルチョコの中に芋虫いた。どーゆーこと?ありえない。もう絶対食べない。」ってツイートしたことが発端で、その衝撃的な写真もあって、1万件以上のリツイートを集めるほどに拡散。

「チロルチョコの中に芋虫が!」写真つきツイートにチロルチョコが冷静な対応
getnews.jp/archives/358726

このツイートによって「チロルチョコ、許さん!」という激しい反応が当初示されましたが、途中から「本当にチロルチョコに芋虫が混入してしまうなんてことがあるんだろうか」という冷静な消費者も現れました。

考えてみれば確かにそうで、チョコレートの詳しい作り方は知りませんが、製造の工程で原料をミキシングして、ある一定の温度で保ちつつ、型に流し込んで冷却する、くらいは想像できます。

もし製造過程で芋虫が混入したとすれば、ミキシングの過程で芋虫は粉砕され、跡形もなくなって練り込まれて「芋虫味のチョコレート」はできるけれど、できあがった製品に芋虫がその形のままいるなんてことはありえない。

この事件ではチロルチョコ側の冷静な対応が賞賛されましたが、実はすばらしい「神対応」の前に、ある種の常識で消費者側が「チロルチョコの中に芋虫がいることはない」と大勢が判断したことが大きな問題につながらなかった要因でしょう。

また、チロルチョコ側も写真を見て、製品に「30日~40日以内の状態の幼虫」が入っていることは「絶対にない」と即断したと思われます。

加えて写真の商品の最終出荷が約半年前だったこともあって、製品出荷後のどこかの時点で芋虫が入り込み、チョコレートを食べながら密かに成長していたことも明らかになった。

それら事実ではあっても、慎重に気を遣いながら、チロルチョコ側は情報発信したことがうかがえます。

賞賛と炎上を分けるもの
japan.cnet.com/marketers/sp_orgtransparency/35034620/

間違っているのが消費者側であるとはわかっていても、慎重な、誰かを非難するような口調にならずに冷静に対応する。結果としては間違った情報をアップした消費者側が糾弾される形で決着がつきました。

炎上対策のポイント

今回取り上げた「チロルチョコ芋虫事件」は写真の判断で明確な事実を公表することができましたが、そうでない製品や商品もあります。

たとえば、先月、「ケーキやパンに髪の毛が入っていた」などと電話でうそのクレームをつけ、現金や商品をだまし取ったとして逮捕された兵庫県の女性がいました。

このクレーマーは5か月間の間に、ケーキ店やパン店など30都道府県の約1200店に約7千回の電話をかけた記録があったとかの確信犯ですが、警察によれば「自宅には現金書留の空袋もあり、お金を直接持って来られない遠方の店からは送らせていたとみられる」そうです。

そう、「ケーキやパンに髪の毛が入っていた」は常に気をつけていても可能性があり、入っていれば「ばばっちい」と即断される代物ですよね。

この手の問題は完璧に対応しても「0」にはならない問題でしょう。

そう考えると、やはり初期対応はいかに処置するか。これにつきます。

そのためには、自社の製品にいかなるものであれ、不備や混入の可能性があるのかないのかをまず明確にしておかないといけないでしょう。

チロルチョコ芋虫事件では、初期対応でチロルチョコ側からチョコレートに関する「よくある質問」のリンクが提示されました。

チョコレート・ココア大辞典 よくある質問
www.chocolate-cocoa.com/dictionary/word/faq.html

ここにはチョコレートに関する「よくある質問」ならぬ「よくあるクレーム」に対する答えがあるわけですよね。

それら想定される問題は最初に明らかにし、あらかじめ公表しておくというのはすぐにできる対処になるでしょう。「ばばっちい」と感じる感覚のものについては、なくてはならないともいえるでしょう。

それはクレーム対応についてもあらかじめ対処を決めておくことにもつながるでしょう。

「ケーキやパンに髪の毛が入っていた」ら、代金をお返ししたうえで、新しい商品を進呈する。それをあらかじめ公表しておくわけです。

「ケーキやパンに髪の毛が入っていたら・・・」なんてはなから公表もしたくもないでしょうが、そうであれば「過去5年間そうしたクレームは起こっていません」と明記したらいい。

目の前で起こったものや提示されたものの慎重な対処とともに事前に準備して公表できるものは公表しておくことがチロルチョコ芋虫事件では功を奏したといえるのではないでしょうか。

間違いはどこでも誰でも起こり得ます。これまで2度以上起こったものについてはその組織の対処方法をあらかじめ明記してみる、難しいでしょうがぜひ一度検討してみてください。

すでに成功事例はあるのですから。

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