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お知らせ

ありがたくない「ブラック企業大賞」の発表

毎年恒例になってきた「ブラック企業大賞」のノミネート企業が発表されました。

ブラック企業大賞
blackcorpaward.blogspot.jp/

このありがたくないリストにノミネートされた6社は以下の通りです。

株式会社セブン-イレブン・ジャパン
暁産業株式会社
株式会社フジオフードシステム
株式会社エービーシー・マート
株式会社明光ネットワークジャパン(明光義塾)
株式会社引越社関東

いずれも法令違反の疑い報道や裁判で争っている問題を抱えている企業です。

ブラック企業大賞のサイトによれば、

ブラック企業には幅広い定義と解釈がありますが、「ブラック企業大賞」では次のようにブラック企業を定義し、その上でいくつかの観点から具体的な企業をノミネートしていきます。

ブラック企業とは・・・・

1、労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業

2、パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)

としています。

これらを見て皆さんはどんなふうに感じるのでしょうか。「やっぱりな」なのか「そうなのか?」なのか。

明確にしておきたいのは、ブラック企業大賞のサイトにもあるように、「ブラック企業」はいまだ定義が定まっていません。

定まっておらず「幅広い定義と解釈」がある中で、主催者が自らの「定義と解釈」でもって「裁判」するのがブラック企業大賞ってことです。

法令違反や過労死などを起こす企業を擁護するつもりはありません。しかし、自らの「定義と解釈」でもって「裁判」する、そしてそれを記者会見で発表するのは正当なんだろうか?

そうする権利はあるでしょう。自由に発言もでき、法律に反しない限り、なにを言ってもいい。ただノミネートされた側の企業にもそれなりの反論や言い分もあるのではなかろうか。そんなふうにも思います。

労基の関係でニュースになった会社ばかり

すでにここでは紹介したことがありますが、厚生労働省が平成25年に発表している若者の「使い捨て」が疑われる企業等に対して集中的に実施した「過重労働重点監督」の結果に関する資料があります。

若者の「使い捨て」が疑われる企業等への重点監督の実施状況
www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000032425.html

これによれば「重点監督を実施した約8割の事業場に法令違反」があったと指摘しています。

少し紹介すると、重点監督の実施事業場:5,111事業場

違反状況:4,189事業場(全体の82.0%)に何らかの労働基準関係法令違反

  • 違法な時間外労働があったもの:2,241事業場(43.8%)
  • 賃金不払残業があったもの:1,221事業場(23.9%)
  • 過重労働による健康障害防止措置が実施されていなかったもの:71事業場(1.4%)

健康障害防止に係る指導状況〔(1)のうち、健康障害防止のため、指導票を交付した事業場〕

  • 過重労働による健康障害防止措置が不十分なもの:1,120事業場(21.9%)
  • 労働時間の把握方法が不適正なもの:1,208事業場(23.6%)

重点監督において把握した実態

  • 重点監督時に把握した、1か月の時間外
  • 休日労働時間が最長の者の実績
    80時間超:1,230事業場(24.1%)うち100時間超:730事業場(14.3%)

つまり相当数の法令違反が全国の数々の事業所であるということですよね。これらの企業はブラック企業大賞にはノミネートはされません。

でも、厚生労働省が指摘している「違反・問題等の主な事例」を見ると、ブラック企業対象にノミネートされている企業とそれほど大差のない事例も見られます。

違反・問題等の主な事例

  • 長時間労働等により精神障害を発症したとする労災請求があった事業場で、その後も、月80時間を超える時間外労働が認められた事例
  • 社員の7割に及ぶ係長職以上の者を管理監督者として取り扱い、割増賃金を支払っていなかった事例
  • 営業成績等により、基本給を減額していた事例
  • 月100時間を超える時間外労働が行われていたにもかかわらず、健康確保措置が講じられていなかった事例
  • 無料電話相談を契機とする監督指導時に、36協定で定めた上限時間を超え、月100時間を超える時間外労働が行われていた事例
  • 労働時間が適正に把握できておらず、また、算入すべき手当を算入せずに割増賃金の単価を低く設定していた事例
  • 賃金が、約1年にわたる長期間支払われていなかったことについて指導したが、是正されない事例

しかし一方はノミネートされて糾弾され、他方は監督署からの是正処置で終わる。

ノミネートされていない企業以外にもいっぱいこうした事例はあるけれど、それらはブラック企業大賞ほど好奇の目では見られない。

ブラック企業大賞を発表することで世間の耳目を浴び、「悪い企業」をさらして血祭りにあげることで、ある種の問題に大衆の目を向けさせる意味はあると思います。

ただそれは誹謗中傷も加わる、もしくは加わる可能性が高くなるってことなのです。批判されるべき事項以外もむやみに非難される。あることないこと言われる。悪いイメージが増幅され拡散して企業にダメージを与えます。

「脱税して100億円追徴されました」因果が明確です。それなら企業も納得できる。

「ブラック企業対象にノミネートされた」ノミネート理由に関する非難をされた。それは因果が明確です。しかし、それ以外のさまざまに加わった事項については余計な「支払い」をさせられることになる。

それらを含めて企業経営であり、それが評判を守るってことであるとはいえるでしょう。としても、そこには釈然としない気持ちが伴うのも事実ではないでしょうか。

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