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お知らせ

デジタルネイティブ世代の採用について

デジタルネイティブって言葉をご存じでしょうか。

その定義はいまだ議論の最中ですが「学生時代からインターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた世代」がデジタルネイティブとされます。

Wikipediaによれば、心理学者の橋本良明氏は「インターネット黎明期より積極的に関わった1976年前後生まれの世代と、携帯電話での利用が目立つ1986年前後生まれの世代、更に1996年前後生まれのネオ・デジタルネイティブ世代と区分しているそうです。

それでいうと現在20歳以下の人たちは生まれながらのデジタルネイティブといえ、ネットなしでの生活は想像しえない世代ともいえます。

この生粋のデジタルネイティブ世代はその特性からネットからの影響がダイレクトで、経験が少ない分、ネットがすべてとなっても致し方ない。それくらいネットと生活が切っても切れない結びつきを持っているとも言えます。

そうした社会の変化によって、「情弱」いわゆる「情報弱者」という言葉も生まれ、デジタルネイティブ世代ゆえに情報技術を活用できる層「情報強者」とそうでない層「情報弱者」の間に格差が拡大していくデジタルデバイド現象が生じます。

いかなる時代においても、最先端の技術を駆使できる層とできない層が生まれるというわけです。

「情報弱者」は情報・通信技術の利用に困難を抱える人が陥りがちですが、情報・通信技術が安価で普及してきた今、技術的および環境的な問題よりも情報そのものをどう扱えるかによって「強者と弱者」に分類される傾向も出てきました。

「情報弱者」はネットの情報に騙されるだけでなく、振り回される、ウソやデマの拡散に加担してしまう、SNSを誤った方向で使用してしまうなどさまざまな問題が噴出しています。

そこで言われるようになったのが「情報リテラシー」です。

「情報リテラシー」とは情報が必要なときに、それを認識し、必要な情報を効果的に見つけ出し、評価し、利用することができる能力と言っていいと思いますが、氾濫するネット情報をどう評価してうまく利用できるかが問われています。

現在、大学等でのデジタルネイティブ世代に懸命に「情報リテラシー」の教育を行っているようですが、数々の炎上事件を振り返ると、まだまだその教育は浸透しているとは言えないのでしょう。

受験生はPCよりスマホで検索

現在の大学生前後の年代、デジタルネイティブ世代はネットと切っても切れない生活を送るゆえ、大学選びにもネット検索が盛んです。

かつてはそれもパソコンであったものがスマホの普及でここ最近は一気にスマホ検索の比重が高まりました。

少子化により大学全入が言われるようになって久しいですが、日本私立学校振興・共済事業団による「平成27(2015)年度私立大学・短期大学等入学志願動向」によれば、調査した大学579校、短期大学315校のうち、平成27年度に定員割れとなった私立大学は、全体の43.2%となる250校という結果が出ています。

平成27(2015)年度私立大学・短期大学等入学志願動向

約半分の私立大学が定員割れという恐るべき結果なんですよね。大学全入時代になって、勝ち組と負け組が明確に二極化してしまったということでしょう。

先の調査集計校579校の平成27年度の入学者数は約49万人ですが、このうち入学した大学を中退してしまう学生が約6万人近くにのぼり、退学はしないものの大学生になりながら翌年以降別の大学を再受験をする「仮面浪人」が約4万人もいるという試算もあります。

つまり、入学者数49万人対して、約10万人、20%の学生が入学した大学に不満をもって別の大学に通いたいという意向を持っているということです。

そして、この20%、約10万人の学生の多くは定員割れしている大学の中に多く含まれると予測され、負け組の大学からさらに勝ち組の大学に学生が流れていく傾向になっています。

こうした入学したのに不満を持つ学生はいかようにして大学を選んだのか?

というより、こうした流動化は学生だけでなく、社会人にも起こっていて、厚生労働省の平均退職率では、3年以内に離職する割合は大卒新卒者が3割、高卒新卒者は5割となっており、大学入学者の中退および仮面浪人の比率と大差がないことを見ると、とりあえず大学へ、とりあえず社会人にという流れが一般的なのかもしれません。

それは批判されるべきものではなく、そういう時代になったのだと考えるほうが自然なような気もします。

かつての一度入れば最後まで勤め上げるスタイルは崩壊し、サラリーマンの平均転職回数は生涯で2回とも3回とも言われる時代です。それは社会人でも大学生でも同じなのでしょう。

より良い場所を求めて移動していくことが悪ではないという社会の風潮もありましょう。

その流動化を是とするなら、よりよりキャリアアップのためにも一度目に入学する大学や会社の重要性は増すのではないか。逆説的ですがそんな気もします。

そこで今回取り上げている大学入学に関して言えば、入学したのに不満を持つ学生はいかようにして大学を選んだのかが問われてくるのではないか。

ここに情報リテラシーが求められ、情報格差「デジタルデバイド」の結果が出てきているのではないかと思えるのです。

大学の炎上騒動は大きなリスク

ネットエイジアリサーチによる「大学選びに関する調査2014」の結果が公表されています。

大学選びに関する調査2014

この調査によれば、情報収集の対象となる大学は「興味のあるキーワードで検索してヒットした大学」が4割で、「よく広告を見る大学」に関心を持つ受験生は1割強しかいません。

また、受験生のハートを掴むためには「広告」よりも「知名度」「オーガニック検索」「口コミ」「話題性」が重要とされているという結果も出ています。

具体的には

どんな大学に好感を持つか(持ったか)を尋ねたところ、

「知名度の高い大学」34.4%
「自分の偏差値・学力に合った大学」34.3%
「興味のあるキーワードで検索してヒットした大学」32.3%
「人(親・先生・友人など)から勧められた大学」24.1%
「よく話題にあがる大学」23.4%
「よく広告を見る大学」12.7%

となっており、

普段からインターネットを主な情報源とし、多量の情報に接している若年層の好感度を高めるには、広告による接触量を増やすのみでは充分でなく、SEO対策などの、彼・彼女らが能動的に情報収集をする際に目につきやすくする施策や、親や教師の世代も対象に含めたバズマーケティングなど、口コミで話題になるような施策がより重要になってきているのではないだろうか。

加えて「学生が不祥事・炎上を起こした大学は志望意欲減退」は5割弱が反応し、炎上騒動は大学の大きなリスクになるとして、

第一志望校として絞り込んだ大学について、悪い噂や不祥事など、マイナスの情報を見聞きした場合、志望意欲にどの程度変化があるのだろうか。

第一志望校で悪い噂や不祥事などが起きた場合の志望意欲の変化を尋ねたところ、

「絶対に行かない(志望校から外す)」割合は
【アカデミックハラスメントがあると噂を聞いた】25.9%
【アルコールハラスメントがあると噂を聞いた】12.8%
【大学教授や教員が、不祥事・炎上を起こした】10.9%
【学生が不祥事・炎上を起こした】5.1%

学生が不祥事・炎上を起こした学校を志望校から除外するのは20人に1人の割合と、一見影響が強くないようにも思えるが、「行きたくない気持ちになる」42.0%を合わせると、半数近く(47.1%)は、その学校に対する志望意欲が減退すると回答している。

SNSに悪ふざけや犯罪行為が投稿されて起こった炎上騒動が、昨今世間を騒がせていたが、これらは学生が起こしたものも多かった。

また、こうした炎上騒動は、一旦起きてしまうとインターネット上にいつまでも残り続けるので、受験生が志望大学の情報収集をする際に、目にする機会も多いだろう。炎上騒動や不祥事などによるインターネット上の悪評は、大学の運営や広報において大きなリスクとなり得るだろうことが窺えた。

と結論付けています。

学生の悪ふざけや犯罪行為以外でも、ちょっと挙げるだけでも、名誉教授の暴力団組長からの借金問題、大学教授による入試問題漏えい問題、世紀の大発見から博士号剥奪に至った学位取り消し問題、腹腔鏡を受けた患者の死亡事故が続いた大学等々、不祥事が起こった大学はその評判を傷つけ、の翌年以降の志願者数に影響を与えるでしょう。ネット上でもこれから長い間語られる問題となるでしょう。

そういう意味で、評判は大事だし、維持されなければなりません。

『コーポレート・レピュテーション』を書いたディアマイアー氏が言っているように

本当の課題は、間違いを犯すことではない。人は間違いを犯すものである。しかし、訓練を積み、すぐに間違いを認め、解決するという対応をすることが大切なのである。

最も重要な目標は、間違いの主体であるステークホルダーがその会社をプラスの印象に変えることである。

ステークホルダーが会社についてプラスの印象に持っていないと、10人くらいの関係のない人まで問題が詳細に知れわたり、その結果、悪い印象が蔓延する。うまく管理できないという問題は、傲慢か無知によって起こる。

「小さな問題などはたいしたことではないし、顧客がなんでわれわれを訴えることができるというのか」という傲慢や潜在的リスクヘの無知は効果を台無しにする。

われわれはみな間違いを犯すように、だれも完全な人はいません。「われわれはすべての人を喜ばせることはできないのですが、そのことを数日で忘れてしまいます」

顧客から潜在顧客へと貴社のパフォーマンスの悪さが繰り返し伝えられ、さらに訴えられることは、確かに管理ミスとして警鐘が鳴らされなければならない。

悪いパフォーマンスが及ぼすレピュテーションへの累積的な影響を無視すると、ほとんど確実に、将来の財務業績が伸びなくなってしまう。

評判は維持されなければ将来の財務業績に影響を及ぼすのは間違いない。

ただし、「人は間違いを犯すものである」し、組織は間違いを犯します。

間違っても良いとは言いませんが、間違ったら「訓練を積み、すぐに間違いを認め、解決するという対応をすることが大切」なのであった未来永劫間違いを犯さないようにするのとは違う。

また、消費者、今回のテーマで言えば大学における入学者ですが、彼ら彼女らが「広告」に比重を置いていないのは良き判断だとは言えますが、「知名度」「オーガニック検索」「口コミ」「話題性」で将来にかかわる大学や学部を決めていると、入学しても思っていたのとは違うという不満はこれからますます大きくなって、中退や仮面浪人は20%よりもさらに増えるでしょう。

「知名度」「オーガニック検索」「口コミ」「話題性」よりも、もっと「入学を決める」ために必要な項目があるのではないか。

供給側の組織はこうした消費者側のそれほど努力を必要としない「知名度」「オーガニック検索」「口コミ」「話題性」によって選ばれる道のみを良しとせず、本質的な働く者が良いと思える組織を創造していかないといけないでしょう。

なぜなら「知名度」も「口コミ」も「話題性」も一過性のものであって、組織の継続を保証するものではないのだから。

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