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デマ拡散により立ちはだかる悪魔の証明とは?

「悪魔の証明」という言葉があります。ある事柄について「あること」の証明よりも「無いこと」の証明のほうがはるかに難しい、ということですが、ある日突然、何もしていないのに急に犯罪者呼ばわりされてしまい、必死に「そんなことは嘘だ」と言っても「証拠を出せ」と誰も聞き入れてくれない。そんな恐ろしい、まさに悪魔の証明な事態に発展してしまった、デマ拡散事件について今回はお伝えしたいと思います。

発端となった事件は今年の6月に起きました。高速道路上で、追い越し車線で停止していたワゴン車に大型トラックが突っ込み、夫婦が二人共死亡してしまったというものです。このショッキングなニュースは、ネット上でも話題になり、次第に関心は容疑者の個人情報へと向いていきました。

そんな中、容疑者が自身の父親が経営している建築会社に勤めているといったデマが掲示板に書き込まれました。瞬く間に無関係な会社の情報が晒され、その会社に対する嫌がらせが起きてしまう事態となったのです。

デマの原因は、会社名が容疑者と同じ名前で、さらに容疑者の住んでいるところと近い場所にあったから、というだけでした。誰かが根拠の無い憶測で、容疑者の勤めている会社はここだということを匿名掲示板に書き込み、さらに書き込み内容を「まとめサイト」が記事にして公開してしまったため、さらに拡散する事態となりました。

書き込みやまとめサイトの記事を見た人たちから、無関係の会社へは無言電話や脅しの電話が1日100件以上あったそうです。さらにこの会社社長の名前や住所までもがネット上に晒されてしまい、会社の業務に支障が出るだけでなく、身の危険を感じる事態へと被害は広がりました。

ここまでデマが拡散してしまうと、匿名掲示板に事実無根だと訴える書き込みをしても「証拠を示せ」という批判がされ、むしろ火に油を注ぐ状況になります。

今回の場合は、テレビの情報番組により、無関係な会社がデマによって嫌がらせを受けているというといった報道がされた結果、まとめサイトの記事が削除されるなどして騒ぎが収束していきました。

テレビ報道の影響力

ネット炎上ではSNSによる拡散も問題ですが、今回デマを拡散させた一因は、「まとめサイト」でした。まとめサイトが記事にしたことで、匿名掲示板の書き込みだけでは信用しなかった人も、まとめサイトで書かれていると信じてしまう人も多く、より被害が拡大しました。

嫌がらせを受けている当事者としては、一刻も早く間違った記事を削除してほしいところですが、まとめサイトは運営者の情報を載せていないところも多く、削除依頼のしようが無い場合もあります。また、原因となった匿名掲示板への書き込みも、いくら「この書き込みは嘘だ」といっても、嘘であることの証明をするということは現実的に難しいものです。

今回の騒ぎでは、被害の状況を多くのメディアで取り上げられることで収束に向かいました。できるだけ早く、できるだけ多くのメディアに取り上げてもらうことが、有効な対策であることが証明されました。いつ、誰が、どこで同じような被害に遭ってしまうかは分かりません。ぜひ今回のデマ拡散事件から有効な対処の仕方を学んでいただきたいと思います。

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