SNSにおける誹謗中傷への対策3選!プラットフォームごとの傾向も解説

現代のビジネスにおいてSNSは顧客との貴重な接点であり、ブランド価値を高める強力なツールです。しかしSNS上では企業や個人に対する誹謗中傷が拡散されやすく、対応を誤ればブランドイメージの低下や法的トラブルに発展するリスクがあります。

そこで今回の記事では、SNSにおいて企業が取れる誹謗中傷への対策を解説します。SNSで誹謗中傷が発生しやすい要因やプラットフォームごとの傾向も理解できる内容になっているので、悪意のある投稿でお悩みの企業さまは、ぜひ参考にしてみてください。

SNSと誹謗中傷の現状

SNSは現代社会に深く浸透し、情報の共有やコミュニケーションの手段として欠かせない存在となっています。しかし、誹謗中傷や炎上など深刻な問題も生じているのも事実です。この章では、SNSがもたらす企業活動への影響や誹謗中傷の特徴を解説します。

SNSがもたらす企業活動への影響

SNSは企業や個人が情報を発信し、双方向のコミュニケーションを図るための強力なツールとして広く利用されています。情報発信の即時性と拡散力を活かせば、ブランド認知の向上や顧客とのエンゲージメント強化など、企業経営において多くのメリットを享受できるでしょう。しかしSNSが世間に及ぼす影響力は大きく、誹謗中傷や不正確な情報の拡散などの問題も深刻化しているのも事実です。

顧客の不満が一瞬で拡散され、誤情報や誹謗中傷が企業イメージに打撃を与えるリスクがあります。社員の投稿が炎上するケースも後を絶たず、企業の信頼回復に多大なコストがかかる事例も見られます。不十分なリスク管理でSNSを利用してしまうと、悪評が企業の評判や信頼性に長期的なダメージを及ぼしかねません。そのため戦略的な運用とともに、危機管理の視点を持った対応体制の整備が求められています。

SNS上での誹謗中傷の特徴

SNSは、ユーザーが匿名で投稿できるプラットフォームがあります。匿名性により発信者が自分の言動に対して責任を感じにくく、攻撃的な発言や根拠のない内容を投稿しているアカウントが見受けられます。SNSでは情報が信憑性に関わらず瞬時に広まるため、事実無根の悪評やデマが広がるリスクが高いです。

さらに、1つの投稿に無関係な不特定多数のユーザーが加わって「炎上」してしまうのも、SNS上での誹謗中傷の特徴です。また一度投稿したネガティブな投稿は、削除してもまとめサイトへの転載や他のユーザーによる引用などで再び拡散されることもあるため、時間が経過しても悪影響が続く可能性があります。

SNSで誹謗中傷が発生しやすい3つの理由

SNS上で誹謗中傷が発生しやすい理由は、以下の3つが考えられます。

  • 匿名性による責任の欠如
  • 集団心理の影響
  • 利用の手軽さ

SNS特有の特徴に注目し、誹謗中傷を助長する仕組みについて理解しておきましょう。

匿名性による責任の欠如

SNSでは、多くのプラットフォームが匿名または仮名での投稿が可能です。匿名で投稿できるSNSでは言動に対する責任感が薄れ、無責任な発言や攻撃的な言葉を発信しやすい環境があります。匿名性は発言の自由を守る一方で、無責任な中傷を助長する要因となってます。

集団心理の影響

「他の人も言っているから」という集団心理によって、周囲と同じように誹謗中傷をしてしまう人がいます。集団心理では個人が自分の意見や行動を集団に合わせる傾向が強くなるため、誹謗中傷が広がりやすいです。またSNS上では相手の反応が見えにくく、被害者の辛さを実感しにくいです。そのため中傷的な言動に対する罪悪感を持たず、誹謗中傷の拡散や便乗に加わる人が増える傾向にあります。

利用の手軽さ

SNSはスマートフォンやパソコンから簡単にアクセスでき、投稿も手軽に行えます。ユーザーは思いついたことを瞬時に発信できるため、冷静に考える前に誹謗中傷につながる過激な言葉を発してしまう場合があります。手軽に利用できるSNSは、感情的な反応をそのまま発信しやすく、攻撃的な発言や衝動的な投稿を招きやすいのが特徴です。

SNSプラットフォームごとの誹謗中傷の傾向

この章では、以下のSNSプラットフォームごとの誹謗中傷の傾向を紹介します。

  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • TikTok

それぞれの傾向を理解し、利用する際は十分な対策を講じることが大切です。

X(旧Twitter)

Xは匿名でのアカウント作成が容易で、顔と名前が見えないことから誹謗中傷が起こりやすいプラットフォームの1つです。多くのユーザーが仮名で活動しており、他人の投稿に反応する形で過激な発言をしやすい傾向があります。またXは、拡散力が非常に高いことが特徴です。話題のポストに対してリプライ(返信)や引用ポストに誹謗中傷が集中しやすく、さらなる拡散により被害が急拡大することが多いです。

Instagram

Instagramは画像や動画が中心のSNSであり、特に有名人やインフルエンサーに対する誹謗中傷が目立ちます。自己表現やライフスタイルをシェアする投稿が中心となるため、外見や生活スタイルに対する妬みや嫉妬に起因する攻撃が多いです。

またInstagramの誹謗中傷は公開されているコメント欄だけでなく、ダイレクトメッセージを通じて行われる場合があります。そのため誹謗中傷を受けた個人や企業は、被害を公にすることなく抱え込んでしまうケースが増えています。

TikTok

TikTokは短い動画コンテンツが中心で、ユーザーが気軽にアップロードやコメントを行えます。ユーザーが自己表現をする場として人気のプラットフォームですが、外見やパフォーマンスなどに関する攻撃が目立ちます。

また、TikTokはコメント数が多いほど拡散されやすいのが特徴です。好意的な意見も多く見られる一方で、中には悪質なコメントも投稿されています。さらに、ネットリテラシーの低いユーザーが悪質なコメントに便乗し、誹謗中傷が過激化するケースがあります

SNSにおける誹謗中傷への対策3選

SNSの普及により情報の発信や収集が手軽になった一方で、誹謗中傷や悪意のある投稿など深刻な問題も増加しています。そこでこの章では、SNS上で誹謗中傷が起きた場合に備えた具体的な対策について解説します。

監視体制の強化

SNSは情報が瞬時に広がる特性を持っており、企業やブランドに対する悪評や誤情報が拡散すると影響が広範囲に及びます。早期に問題を発見して迅速に対応するために、SNS上での動向を常に監視する体制を整備しておきましょう。

モニタリングツールを活用することで、SNS上に投稿された内容をリアルタイムで追跡できます。SNSは複数のプラットフォームに分かれているため、主要なSNSプラットフォームを横断的に監視することが重要です。

企業ポリシーの明確化と発信

SNS上での誹謗中傷を防ぐためには、発生してからの対応だけでなく「問題が起きにくい状態をつくること」が大切です。事前のリスク予防として、SNS上での誹謗中傷に対して企業がどのような立場を取るのかを明確に示しましょう。名誉毀損や虚偽情報に対して許容しない姿勢を、社内外に向けて発信することでトラブル防止につながります。

外部に対しては、企業としての倫理観や社会的責任を示すメッセージとなります。社内に対しては、SNS上で誹謗中傷に遭遇した場合に「どのように対処すべきか」「企業としてどのように行動するべきか」など社員の行動指針にも役立ちます。また企業が社内規範として徹底することで、社員による不用意な投稿の抑制や不適切な情報発信の防止につながります。

対応方法のガイドライン作成

誹謗中傷が発生した際、企業が一貫した対応を迅速に行うためには、具体的なガイドラインの事前策定が欠かせません。ガイドラインを作成して「どのように問題に対処すべきかを明確に示す」ことで混乱を防ぎ、迅速かつ効果的な対応が可能です。ガイドラインには、問題が発生した際の初動対応から、トラブルが深刻化してしまった場合の対処法まで具体的に記載しておきましょう。

投稿者を特定したい場合の手続き、さらには警察や弁護士との連携方法など、法的対応の手順についても触れておくと安心です。また、炎上リスクを最小限に抑えるには、社内のSNS利用ルールや個人アカウントでの発信に関する注意点も明記することが望まれます。リスクに対して十分に備え、迅速かつ冷静に事態に対処することが大切です。

SNSでの誹謗中傷を防ぐポイント

インターネット上で拡散された内容は、完全に消すことはできません。

例えば、自身の投稿だったとしても、投稿した瞬間にプラットフォームの著作権となるようなサイトもありますし、海外のアーカイブサイト(魚拓サイトとも呼ばれます)などに掲載されてしまうと、もう日本の法律でどう頑張っても消すこと自体不可能になります。

また、国によっては、インターネットに関する法令が無いに等しい国もあれば、名誉棄損など、日本では人権の一部として当たり前に議論されるべき問題が、海外では対象になっていないなど、国によって法令は様々あり、「うっかり投稿してしまったけど、後で消せばいいや」という気軽な気持ちでは取り消すことすら不可能です。

そのため一度発生した誹謗中傷については、解決後も別の問題をきっかけに再度拡散される可能性があります。SNSを利用する際は、社員のネットリテラシー教育の実施や透明性を重視した情報発信を心がけるなど、トラブルを未然に防ぐことが大切です。

社員のネットリテラシー教育

社員にネットリテラシー教育を実施し、SNS上でどのような発言が企業に悪影響を与える可能性があるのかを理解してもらいましょう。自らの発言が企業の評判に直結することを認識し、慎重に行動するように促すことが大切です。また社員が私的にSNSを利用する際に、個人情報や企業の内部情報を不用意に公開しないように指導しましょう。

透明性を重視した情報発信

企業がSNSを利用して正確でオープンな情報を提供することで、顧客との信頼関係の構築につながります。透明性を確保した情報発信を行うことで誤解を避け、ネガティブな投稿や誹謗中傷を防ぐだけでなく、企業の信頼性や社会的責任を強調できるでしょう。透明性を保つためには、事実に基づいた情報を提供することが欠かせません。

誤った情報や曖昧な説明を避け、正確なデータや状況を伝えることが大切です。万が一問題が発生した場合は、顧客や取引先など関係者へ迅速かつ誠実に報告しましょう。問題の発生を遅れずに公表し、内容や解決策についてしっかりと説明を行うことが、企業の信頼性を守ることにつながります。

まとめ

SNSでの誹謗中傷は、業績悪化や社員のモチベーション低下などを招く恐れがあるため、ネガティブなコメントの早期発見と迅速な対応が必要です。企業でSNSを利用する際は、ポジティブなコミュニケーションを意識し、顧客やフォロワーとの良好な信頼関係構築を目指しましょう。

ソルナ株式会社の「カイシャの病院」は、悪質な誹謗中傷や風評被害を根治するための専門機関です。SNSのガイドライン策定やWebモニタリングなど、インターネット上のトラブルの早期発見と迅速な解決をサポートします。誹謗中傷でお困りの企業さまは、下記のお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

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